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ヤコブセンが完全復活告げる大勝利!上りスプリントで圧倒|ブエルタ・ア・エスパーニャ第4ステージ

スペインで開催中のグランツール、ブエルタ・ア・エスパーニャは現地817日に第4ステージを実施。163.9kmの平坦コースでスプリント勝負となり、ファビオ・ヤコブセン(ドゥクーニンク・クイックステップ、オランダ)が圧倒的なスピードを披露。昨年8月に負った大けがからの完全復活を印象付ける大きな勝利となった。個人総合のマイヨロホは、レイン・タラマエ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、エストニア)がキープ。終盤に落車したが、フィニッシュ前3km以内でのトラブルとあって救済措置が適用されている。

スピードとパワーの違いみせたヤコブセン、勝利にチームの垣根を超えた祝福

前日の第3ステージでは逃げ切りが決まり、1級山岳ピコン・ブランコの頂上フィニッシュに一番に到達したレイン・タラマエ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、エストニア)がステージのみならず、個人総合でも首位へ。34歳にしてキャリア初のグランツールのリーダージャージを獲得。その後ろでは先々を見据える総合系ライダーも絞り込みを開始。タイムを落とす選手も多く出ている。

©︎ Photogomezsport

形勢がいったんリセットされて迎える第4ステージ。カテゴリーとしては平坦とされ、全体を通してみると難易度はそれほど高くない印象。ただ、最後の1kmが上り基調になっていて、ステージ優勝に向けてはスピードとパワーの両面が求められる。レースはエル・ブルゴ・デ・オスマからモリナ・デ・アラゴンまでの163.9kmに設定され、開幕から3日間過ごしたブルゴスに別れを告げる。

リアルスタート直後に飛び出したカルロス・カナル、アンヘル・マドラソ(ともにブルゴスBH、スペイン)、ジョアン・ボウ(エウスカルテル・エウスカディ、スペイン)の動きをメイン集団が容認し、レースは進行。残り100kmを切ろうかというところでその差が約430秒だったのを境に、タイムギャップは縮小傾向に。

©︎ Photogomezsport

残り62.9km地点に置かれた中間スプリントでは115秒差。ここは逃げのボウが1位で通過し、少し置いてやってきたメイン集団はフロリアン・セネシャル(ドゥクーニンク・クイックステップ、フランス)が先頭。全体の4位通過とした。

それからもレース全体の主導権はメイン集団が握ったまま推移。風による集団の分断に各チームが注意を払いながら、隊列を組んでの位置取り。同時に逃げを捕まえるタイミングを図りながら進んでいく。

©︎ Photogomezsport

タイム差が1分を切ってからしばし粘った逃げの3人だったが、残り13.5kmで集団がキャッチ。ここからはスプリントに向けた動きへと完全にシフトしていく。ドゥクーニンク・クイックステップやカハルラル・セグロスRGAなどスプリンターを擁するチームが集団を率いながら残り距離を減らしていく。

アクシデントは残り2kmで発生した。スピードが上がった状態で入った右コーナーでリーダージャージのタラマエが落車。すぐにバイクに戻り大事には至らなかったが、プロトン全体がスプリントに向けたペースの急上昇も相まって混沌としていく。

©︎ Photogomezsport

集団はそのまま最終局面へ。ここで良い状況を作り出したのはグルパマ・エフデジ。わずかに先行していたヤスパー・フィリプセン(アルペシン・フェニックス、ベルギー)を捕まえると、リードアウトマンの牽引からアルノー・デマール(フランス)が満を持して加速を始める。しかし、その後ろから一番の伸びを見せたのがヤコブセン。最後は完勝ともいえるスプリントで、プロ21勝目、ブエルタでは2年前の第21ステージ以来の通算3勝目を挙げた。

©︎ Photogomezsport

フィニッシュ直後にチームの垣根を越えて次々と祝福を受けたヤコブセン。昨年のツール・ド・ポローニュ第1ステージのフィニッシュ前で時速約80kmでコース外へと飛ばされるクラッシュにあい、一時は生死の境をさまようほどの事態に見舞われた。複数箇所を大けがしたが、なかでも歯をすべて失い、顔面も修復手術を必要とするなど、事故前の体にはどうやっても戻せないという。それでも必死のリハビリで4月に戦線復帰すると、7月下旬のツール・ド・ワロニーで2勝。そして乗り込んだブエルタでこの勝利。完全復活をアピールするビッグな白星となった。これでポイント賞でも首位となり、グリーンジャージに袖を通している。

©︎ Photogomezsport

最終盤で落車したタラマエだが、大きなダメージはなくアシストとともにゆっくりとフィニッシュへ。メイン集団からは遅れたが、最終3km以内でのトラブル時の救済措置が適用され、トップと同タイム扱いに。これにより、マイヨロホは無事キープ。そのほか、個人総合上位陣も問題なく走り切って、順位を維持している。

©︎ Photogomezsport

バーレーン・ヴィクトリアスの新城幸也は156位でステージを完了。この日も総合エースのミケル・ランダ(スペイン)のアシストに従事してレースを終えている。

18日に行う第5ステージは、タランコンからアルバセテまでの184.4km。ほぼオールフラットなレイアウトだが、風が強い地域とあり、レースにどう作用するかが焦点。似たようなルートだった2014年の第8ステージでは集団が分断され、最終的にメイン集団には54人しか残らなかった。

ステージ優勝、プントス ファビオ・ヤコブセン コメント

© Gonzalo Arroyo Moreno/Getty Images

「夢のようだ! 家族とチームに感謝している。とくにチームはもう1つの家族だと思っていて、私が今ここにいる理由は彼らによるものだ。キャリアにおける最も美しい勝利であることは確かだが、彼らによる私への施しを思うと恩返しとしてはまだまだ足りない。昨年から長い道のりを歩んできたが、再びグランツールのステージ優勝ができて、信じられないくらい幸せだ」

マイヨロホ、モンターニャ レイン・タラマエ コメント

©︎ Photogomezsport

「最高の気分だ。今日はとても楽しかった。チームメートが1日を通してプロトンをリードする姿を見るのは爽快だった。一番恐れていたクラッシュに見舞われてしまったが、幸いなことに痛みは問題ない。(トラブルが起きなければ)明日もジャージを守り続けられると思う。風とエシェロンには注意を払う必要がある。2日後については、フィニッシュに向けた短く急な上りを前に良いポジションを確保しておくことが重要になる。できる限りジャージを守り続けたい」

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021 第4ステージ 結果

ステージ結果

1 ファビオ・ヤコブセン(ドゥクーニンク・クイックステップ、オランダ)3:43’07”
2 アルノー・デマール(グルパマ・エフデジ、フランス)ST
3 マグナス・コルト(EFエデュケーション・NIPPO、デンマーク)ST
4 アルベルト・ダイネーゼ(チームDSM、イタリア)ST
5 マイケル・マシューズ(チーム バイクエクスチェンジ、オーストラリア)ST
6 ピート・アレハールト(コフィディス、ベルギー)ST
7 ジョルディ・メーウス(ボーラ・ハンスグローエ、ベルギー)ST
8 マッテオ・トレンティン(UAEチームエミレーツ、イタリア)ST
9 ヤスパー・フィリプセン(アルペシン・フェニックス、ベルギー)ST
10 リカルド・ミナーリ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、イタリア)ST
156 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)ST

個人総合(マイヨロホ)

1 レイン・タラマエ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、エストニア) 13:08’51”
2 ケニー・エリッソンド(トレック・セガフレード、フランス)+0’25”
3 プリモシュ・ログリッチ(チーム ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)+0’30”
4 リリアン・カルメジャーヌ(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)+0’35”
5 エンリク・マス(モビスター チーム、スペイン)+0’45”
6 ミゲルアンヘル・ロペス(モビスター チーム、コロンビア)+0’51”
7 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター チーム、スペイン)+0’57”
8 ジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード、イタリア)ST
9 エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)ST
10 ミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)+1’09”
173 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)+22’13”

ポイント賞(プントス)

ファビオ・ヤコブセン(ドゥクーニンク・クイックステップ、オランダ)

山岳賞(モンターニャ)

レイン・タラマエ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、エストニア)

新人賞(マイヨブランコ)

エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)

チーム総合成績

UAEチームエミレーツ

 

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021スタートリスト&コースプレビューはこちら↓
【保存版】ブエルタ・ア・エスパーニャ2021スタートリスト&コースプレビュー

【保存版】ブエルタ・ア・エスパーニャ2021スタートリスト&コースプレビュー

2021年08月13日

 

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

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