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シートステーの魅力【革命を起こしたいと君は言う……】

スチールバイクの限界に挑む今野製作所「CHERUBIM(ケルビム)」のマスタービルダー、今野真一の手稿。今回は自転車の造形美に関するお話。

美しき競技車

「自転車の魅力をひと言で!」とよく聞かれるが困る。とてもではないが、魅力はたくさんありすぎてひと言では表現不可能だ。

大きく「乗ること」や「観戦」にも分けられるが、同時にモノとしての魅力に取りつかれている読者はどのくらいいるだろうか?

私の場合「製作する魅力」も入ってくるのでまた特殊だが。それでも、モノとしての魅力にも取りつかれた一人だ。

少年のころ家に帰れば、時間を忘れ日が暮れるまで工房に並ぶ競走用自転車を眺め心を弾ませていたことを思い出す。

極限まで薄く塗られた塗装にエッジの効いたラグやエンド。光を放つホイールやスポーク、銀色に輝くステムやハンドル。

職人たちが製作するスチールフレームのプロポーションに完全に魅了された。

子どもの私はこの世のものとは思えないほどのその「気高さ」に魂を揺さぶられた。そして、後の人生は大きく変わった。40年以上たった今でも当時感じた思いをなお持ち続けている。また、いい自転車に出合うとテンションが上がってしまうのは、少年のときと変わらないままだ。

地を這う美しき機械、自転車。そのなかで私がもっとも美しいと感じるフレームの一部、それはシートステーだ。

シートステー

この形状について考察してみたい。

スチールフレームの場合、ほとんどと言っていいほどテーパー形状のものが使われている。カーボンやチタン、アルミフレームでは生産上の問題からかあまりテーパー管は使われない。

サドル付近が太くホイールに近づくほどに細くなっている形状。

私が少年のころにとりわけ心を奪われたポイントのひとつだ。横から見ても後ろから見ても、どの角度から見ても美しい。美しさの秘密は、テーパー管であると私は思う。

なぜにこの形状なのか?

答えは「乗り心地」と「しなやかさ」にある。先端に行くほどに細くなるのは振動吸収への配慮だ。

剛性を上げるべくシートステーのパイプ径を太くする場合もあるが、やみくもに太くするとたちまち乗り心地は悪くなる。

舗装されていないコースがほとんどだった時代のレーサーでは、直径8mm前後のものまであった。舗装路で行われることがほとんどになった現代のロードレースでは、そこまでの振動吸収性は求められないのでシートステーは少しずつ太くなっている。

そんな現代でも、先端は9mm前後とそれほど大きくは変わっておらず、スチールフレームの完成度の高さに驚かされる。

またシートステーに限ったことではないが、フレームに「しなやかさ」を追加するためにテーパー管を使うことがある。

フレームに負荷が大きくかかる、登坂時の高負荷に対応する以外に、競輪でもペダリングにクセのある選手などにはパイプにおけるテーパーの細い部分を使い対応している。

出典

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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