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ログリッチが総合3連覇、最終個人TTでタイトルに花添える快勝|ブエルタ・ア・エスパーニャ

スペインで開催されてきた2021年シーズン最後のグランツール、第76回ブエルタ・ア・エスパーニャが現地95日実施の第21ステージをもって閉幕。3週間に及ぶ戦いは、プリモシュ・ログリッチ(チーム ユンボ・ヴィスマ)の個人総合3連覇の偉業達成で終えることとなった。大会の最後を飾った33.8kmの個人タイムトライアルでは、そのログリッチがマイヨロホに花を添える快走。トップタイムをマークしステージ優勝で戦いを締めた。

起伏のあるコースをAve.46km/hで走破したログリッチ、異次元の走りで3連覇決める

スペイン北部ブルゴスで開幕し、大会前半は南下、中盤以降は北上しながら進行を続けたプロトン。今大会は同国におけるキリスト教の主要ポイントを押さえながら走った“巡礼の旅”。建立800年記念のブルゴス大聖堂をスタートした一行の最終目的地は、キリスト教の聖地で巡礼の終着点であり、11年ぶりに聖ヤコブ大祭を祝うサンティアゴ・デ・コンポステーラに設定された。

前日に行われた第20ステージでラインレースは終わり、大会の最後は33.8kmの個人タイムトライアル。1人ずつコースへと繰り出して、サンティアゴ・デ・コンポステーラの街に入ってからは旧市街の敷石を抜けて大聖堂前へとフィニッシュ。まさに、巡礼路の最後を走行しながら、戦い終えた選手たちが凱旋する趣きだ。レイアウトは、前半が上り基調、13.8km地点の第1計測ポイントを過ぎると今度は下り基調。そして24.8km地点の第2計測ポイントを通過すると、再度の上り基調。これを走り切った先に、ブエルタ2021年大会の完走、そしてマイヨロホをはじめとする4賞の確定が待っている。

個人総合の下位から順にコースへ。大会期間を通してチームに大きく貢献した新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)も問題なくTTコースを走破。キャリア15回目のグランツール完走を決めた。

この日基準タイムとなったのが、59番スタートのマグナス・コルト(EFエデュケーション・NIPPO、デンマーク)。3勝を挙げて大会のヒーローとなったスピードマンがタイムトライアルでも好走。4416秒で走り抜き、長くトップタイムに位置した。

その後、テイメン・アレンスマン(チームDSM、オランダ)が38秒差の2番時計を記録したが、コルトのタイムを上回る選手は現れず。そのまま個人総合上位陣の出走へと移っていった。

©︎ Luis Angel Gomez / Photo Gomez Sport

総合勢でまずまずの走りを見せたのが、9位でスタートしてダビ・デラクルス(UAEチームエミレーツ、スペイン)。4616秒で抜くと、同8位のギヨーム・マルタン(コフィディス、フランス)、同7位のセップ・クス(チーム ユンボ・ヴィスマ、アメリカ)が大きくタイムを落としたことで総合順位を2つアップさせることに成功。最終的に個人総合7位で終えることとなった。

また、同6位のエガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)も4551秒を記録。この時点での総合勢一番のタイムで走り終えた。

この日の焦点の1つとされた総合表彰台の一角をかけた争い。個人総合3位でスタートするジャック・ヘイグ(バーレーン・ヴィクトリアス、オーストラリア)と同4位のアダム・イェーツ(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)は、スタート時点で総合タイム差1分。逆転での表彰台を狙ってイェーツがスタート直後から飛ばすと、続いてスタートしたヘイグとのバーチャルのタイム差を一気に25秒ほど縮める。しかし、ヘイグが中盤以降ペースを落ち着かせて、イェーツの追い上げを徐々に食い止めていく。そして終盤に入ってヘイグがイェーツのタイムを逆転。最終的にヘイグがイェーツに勝り、個人総合3位が確定。初のグランツール総合表彰台を決めた。

いよいよ残りは2人。淡々と走る個人総合2位のエンリク・マス(モビスター チーム、スペイン)に対し、マイヨロホのログリッチはスタート直後から攻めの走り。第1計測でコルトのタイムを20秒上回ってトップに立つと、続く第2計測でも17秒更新。徐々にマスの背中が見えてくる。

©︎ Luis Angel Gomez / Photo Gomez Sport

トラブルさえなければ大会制覇が間違いない状況としたログリッチは、最後までそのペースを緩めることなく激走。2分前にスタートしたマスを最後の1kmで追い抜くと、フィニッシュタイムは442秒。長くホットシートに就いていたコルトの記録を14秒上回る文句なしの一番時計。先の東京五輪の個人TTで金メダルを獲ったその力を余すことなく発揮して、貫録のステージ優勝。ログリッチに追い抜かれたマスもステージ9位とまとめて、個人総合2位を決定させた。

これにより、ログリッチは大会を3連覇。1992年から1994年のトニー・ロミンゲル、2003年から2005年のロベルト・エラスに続く偉業を達成した。ログリッチは、19891029日生まれの31歳。もともとはノルディックスキー・ジャンプ競技の選手として、世界ジュニア選手権の団体で金メダルを獲得した実績を持つ。ジャンパー時代にけがのリハビリでマウンテンバイクにまたがったのをきっかけに、自転車競技のキャリアをスタート。2016年に現チーム(当時チーム ロットNL・ユンボ)入り後にトップライダーの1人となり、2019年のブエルタでグランツール初制覇。以降、数々のタイトルを獲得し、今年728日には東京五輪の個人タイムトライアルで金メダリストにもなった。

©︎ Photo Gomez Sport

今年のツール・ド・フランスは大会序盤での激しいクラッシュが影響しリタイアしていたが、けがを回復させて臨んだ今大会では個人総合優勝の大本命との見方に違わない戦いぶりを披露。大会序盤でマイヨロホに袖を通すと、途中で戦術的にジャージを手放しながら、第17ステージの超級山岳でそれを取り戻す計画的な走り。ライバルが多かった中で慎重にレースを進めながら、3連覇への足場を着々と固めていった。

©︎ Photo Gomez Sport

最終結果は、ログリッチに続いて総合タイム差442秒差の2位にマス、同じく740秒差の3位にヘイグが入賞。各賞ではポイント賞のプントスにファビオ・ヤコブセン(ドゥクーニンク・クイックステップ、オランダ)、山岳賞のモンターニャにマイケル・ストーラー(チームDSM、オーストラリア)、ヤングライダー賞のマイヨブランコにジーノ・マーダー(バーレーン・ヴィクトリアス、スイス)が輝き、それぞれ初受賞。スーパー敢闘賞にはコルトが堂々の選出。そして、チーム総合ではバーレーン・ヴィクトリアスが1位となり、新城も大聖堂前のポディウムで祝福を受けた。

©︎ Photo Gomez Sport

これで、2021年シーズンのグランツールはすべて終了。同時に、シーズン終盤へと移っていく。今後はワンデーレースや1週間ほどのステージレースが各地で開催され、トップ選手も含めて今季の残るタイトルを争うことになる。

©︎ Photo Gomez Sport

ステージ優勝、個人総合優勝 プリモシュ・ログリッチ コメント

©︎ Photo Gomez Sport

「最高の3週間だった。最後を素晴らしい形で終えられ、チームみんなとともに満足している。第3週も本当にハードで、大会終盤にふさわしい戦いだった。最終日はステージ優勝にフォーカスしながら、沿道からの応援も楽しめた。この状況はとにかく信じられない。

3週間を通して、勝てる日もあればステージ優勝が少ないこともある。個人的には数字やデータにこだわりはなく、日々大事にレースを進めていくだけ。最善を尽くしながらレースすることが一番だと思っている」

個人総合2位 エンリク・マス コメント

©︎ Photo Gomez Sport

「今日はコーチとタイムトライアルをいかに走るか相談した。数日前にクラッシュして以降、昨日になってようやく調子が上がってきていた。困難な時間が続いていたが、幸運だったのがログリッチとブエルタの覇権争いをせずに済んだことだった(総合タイム差が大きかったため逆転は不可能と判断)。昨日リタイアしたミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)については、チーム内部の話で私は関係していない。何があったかはすでに声明が出されていると思うが、私から言うことは何もない。いまはチームのみんなで美味しい夕食をいただきながら、お祝いしたいと思う。明日からはまた、イタリアでのクラシックレースに向けて調整していく。好きなレースが控えているので、とても楽しみだ」

個人総合3位 ジャック・ヘイグ コメント

©︎ Charly Lopez

「総合表彰台に立つことができ最高の気分。妻にはグランツールの表彰台に立つことが夢だと話してきたが、それが実現するかどうかは分からないとも思っていた。冷静に見て、ログリッチと同じレベルで戦うにはまだまだ時間がかかると思う。ツールでのひどいクラッシュ後、ブエルタには出られないと思っていたので、最終的なこの結果には驚くとともに言葉を失っている。ここまで私を引き上げてくれた人たちに感謝したい。それを伝えるには一晩だけでは足りず、この先何年もかけて走りで示していきたい。私は今後も変わることがないし、大事な仲間がいるだけでただただ幸せだ」

マイヨブランコ ジーノ・マーダー コメント

©︎ Luis Angel Gomez / Photo Gomez Sport

「驚いている。昨日が状況を一変させた。最高レベルのクライマーと認めてもらえて本当にうれしい。ジャック(ヘイグ)の総合表彰台確保をサポートでき、さらには個人総合5位とマイヨブランコ獲得で、状況を整理するのに時間がかかっている。予想外の結果だが、これが最初で最後のグランツールトップ5でないことを願っている。今後は一週間ほど休養して、コンディションを整えていきたい。体調が良いことを把握できているだけでも、今後の調整をうまく進められると思う」

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021 第21ステージ 結果

ステージ結果

1 プリモシュ・ログリッチ(チーム ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)0:44’02”
2 マグナス・コルト(EFエデュケーション・NIPPO、デンマーク)+0’14”
3 テイメン・アレンスマン(チームDSM、オランダ)+0’52”
4 ヨセフ・チェルニー(ドゥクーニンク・クイックステップ、チェコ)+1’16”
5 チャド・ヘイガ(チームDSM、アメリカ)+1’43”
6 エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)+1’49”
7 フェリックス・グロスシャートナー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)+1’52”
8 ステフェン・クライスヴァイク(チーム ユンボ・ヴィスマ、オランダ)ST
9 エンリク・マス(モビスター チーム、スペイン)+2’04”
10 ヨン・イサギレ(アスタナ・プレミアテック、スペイン)+2’06”
119 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)+6’52”

個人総合(マイヨロホ)

1 プリモシュ・ログリッチ(チーム ユンボ・ヴィスマ、スロベニア) 83:55’29”
2 エンリク・マス(モビスター チーム、スペイン)+4’42”
3 ジャック・ヘイグ(バーレーン・ヴィクトリアス、オーストラリア)+7’40”
4 アダム・イェーツ(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+9’06”
5 ジーノ・マーダー(バーレーン・ヴィクトリアス、スイス)+11’33”
6 エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)+13’27”
7 ダビ・デラクルス(UAEチームエミレーツ、スペイン)+18’33”
8 セップ・クス(チーム ユンボ・ヴィスマ、アメリカ)+18’55”
9 ギヨーム・マルタン(コフィディス、フランス)+20’27”
10 フェリックス・グロスシャートナー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)+22’22”
116 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)+4:42’59”

ポイント賞(プントス)

ファビオ・ヤコブセン(ドゥクーニンク・クイックステップ、オランダ)

山岳賞(モンターニャ)

マイケル・ストーラー(チームDSM、オーストラリア)

新人賞(マイヨブランコ)

ジーノ・マーダー(バーレーン・ヴィクトリアス、スイス)

チーム総合成績

バーレーン・ヴィクトリアス

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021スタートリスト&コースプレビューはこちら↓
【保存版】ブエルタ・ア・エスパーニャ2021スタートリスト&コースプレビュー

【保存版】ブエルタ・ア・エスパーニャ2021スタートリスト&コースプレビュー

2021年08月13日

 

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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