ロードバイクのネジがなめた! 六角ボルトがなめて外れないときの対処法とおすすめの工具
Bicycle Club編集部
- 2023年10月18日
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ネジが固まっていたりすると、ネジの頭をなめてしまって取り外せなくなることがある。未然に防ぐには精度の高い工具や正しい使用方法を守ることだが、もしもネジをなめてしまったら、交換するためには古いネジをなんとか取り外す必要がある。1度なめてしまったネジを取り外す方法をプロに聞いてみた。
ケミカルと専用工具を使わずに、ゴムを挟んでなめたネジを外す方法
つぶれてしまったネジを回すのに、まず試したいのが小さく切った古いチューブや、平たい輪ゴムなどをはさんで回す方法だ。摩耗してしまったネジ頭と工具のすきまをゴムが埋めることで、摩擦力を高めネジを外すことができる。ゴムをネジ頭にあてがってから工具を押し込んで、なるべくすきまをなくすのがポイントだ。ネジ頭の工具がかかる角が比較的多く残っている場合に有効な方法といえる。
使わなくなったチューブなどを切って工具の間にはさみ込む。摩擦力を高めるため、少々強引でも工具をしっかりと押し込んで回そう。
市販のネジ外し材を使う方法
ゴムをはさむのと同じ発想なのが市販のネジ外し用ケミカルだ。砂のような粒子が配合されており、ネジ頭と工具のすきまを埋める。ゴムよりも圧倒的に硬い粒子により、摩擦力が大きくなり効果を発揮する。この章のすべてに言えることだが、外したネジは絶対に再利用しないこと。ゆるめる方向に摩耗しているネジでも、締める方向には使えることもあるが、同じトラブルが起こるため、必ず新しいネジを用意する。
ネジ頭に注入してから、通常どおり工具を差し込んで使用する。ネジ頭の摩耗がそれほど進行していない場合にトラブルを回避するのにも使える。
ほかの工具を試す
同じ規格の工具でも、ものによってわずかに大きさが異なる個体差がある。少しでも径の大きい工具を使用することで、摩耗してしまったネジ頭に効果的にフィットして回せることがある。また、ネジ頭と同様に工具も摩耗する。手持ちのなかで複数の工具を試して、最もフィットしたものを選ぶといい。アーレンキーなどの基本的な工具は、複数持っておくことで、トラブルに対処できるともいえる。
同じサイズの工具でも個体差があり、その寸法は微妙に異なる。ひとつの工具が合わなくても、ほかの工具に換えることで対応できることが多い。
ショックドライバーなどの工具を使う
ハンマーでたたくと左回りの力が衝撃とともに加わり、ネジをゆるめるショックドライバー。本来は固着したネジをゆるめるのに効果的なツールだが、プラスネジを切る、ネジ外しビットがセットになったタイプは、ネジ頭をなめてしまった場合にも有効なツールだ。ネジ頭の奥にプラスネジを切ったあとに、ショックドライバーを左方向に力を入れて保持して、ハンマーでたたくことでネジをゆるめることができる。
ショックドライバーとネジ切りビットの使い方
六角ボルトのセンター部分にネジ外し用ビットをハンマーで打ち込み、プラスドライバー用の溝を作る。
プラスの溝にショックドライバーをセットして、左方向に回す力をかけながらハンマーでたたくことでネジがゆるむ。
自転車にはあまり使われないショックドライバーだが、衝撃が回転方向に変わり、なめたネジでも容易に回せることがある。とくにサビついたネジに効果的。
完全になめてしまったネジ頭に最も効果的な方法
右に回すと締まる正ネジとは逆のネジ穴を切る逆タップ(エキストラクター)を使うことで、完全に丸くなめてしまった六角頭のネジや、頭が飛んでしまったネジをゆるめることができる。六角穴がなめてしまった場合には、タップハンドルで回すことでタップ部分が金属をつかみ、ネジを緩められる。頭が飛んでしまった場合は、ドリルで下穴を空けてから作業する。
ネジを逆タップで加工する
なめてしまった穴にしっかりとかみ込むサイズの逆タップを選択して、タップハンドルで回す。
ネジ本体がゆるむ方向と、逆タップの進む方向が同じ。そのため金属同士がかみ合い、ネジを外すことができる。
電動インパクトドライバーなら作業もスムーズ
電動ドライバー用の逆タップも売られている。こちらならより手早く作業ができる。
逆タップのビットはタップハンドルを使用して手で回すものと、電動ドライバーで使用できる六角タイプのものがある。自身の作業環境に合わせて最適なものをそろえるようにしよう。
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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