ブエルタを突如棄権し、謝罪騒動を起こしたロペスがアスタナ・プレミアテックへ出戻り
Bicycle Club編集部
- 2021年10月15日
今年のブエルタ・ア・エスパーニャを第20ステージで棄権したミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)がモビスターチームからアスタナ・プレミアテックへの移籍、2年契約することが、同チームから10月15日に発表された。これにより、2022年シーズン、ロペスはアスタナ・プレミアテックのメンバーとしてレースを走ることが決定した。移籍の噂は流れていたが、ここ半月ほど正式発表はなく、ようやく決着がついた形だ。
ロペスといえば、ブエルタ・ア・エスパーニャで第20ステージで、総合3位という好位置につけながら突如リタイヤし、ひと騒動起こしたことで一躍時の人になった。ここでは現地スペインから對馬由佳理さんがお届けする。
ブエルタ・ア・エスパーニャでの棄権とモビスターとの摩擦
今年のブエルタ・エスパーニャ第20ステージで、ゴール前20kmでレースを突然棄権したロペス。そのきっかけは、このステージの140km地点で、メイン集団からアダム・イエーツ(イネオス・グレナディアーズ、当時総合6位)が飛び出した瞬間から始まった。この動きにリーダージャージを着ていたプリモッシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ)やエンリク・マス(モビスターチーム、当時総合2位)、ジャック・ヘイグ(バーレン・ヴィクトリアス、当時総合4位)などが反応して、第3集団を形成したのである。
一方、このイエーツの動きに反応できなかったのがロペス(当時総合3位)とエガン・ベルナル(当時総合5位)の2人であった。
ロペスはチームメイトのホセ・ホアキン・ロハスのアシストを受けながら、ログリッジの集団とのタイム差を止めようとするが、ゴールまで30kmの時点でマイヨ・ロホ集団とロペスの集団とのタイム差は4分にまで拡大していた。
この時、先行していたマスの表彰台を確実なものにしたいモビスターが、ロペスにペースを落として追走をやめるよう支持するが、ブエルタの表彰台を目標としていたロペスはこの指示に憤慨しレースをストップ。そして監督やチームメイトの説得にも関わらず、最終的にレースを棄権したとされている。
ロペスは自身のこの行為に関して、同日夜にもビスタのSNSアカウントを通して、3週間彼を支えたスタッフやチームメイト、スポンサーやファンに対して謝罪の意思をあらわした。しかし、その後、今年のブエルタで総合2位となったマスを祝うチームの夕食の席にも姿を見せなかったというロペスに対し、モビスターはブエルタ終了直後から「(ロペスが)このチームを離れることも彼の持っている選択肢の一つ」と表明する。
一方のロペスも自分の家族のアドバイスもあり、モビスターを離れ、2015年から2020年まで契約していたアスタナ・プレミアテックへの移籍を決めたとされる。
2019年のブエルタ・エスパーニャ第19ステージでは、モビスターのレース展開を強く批判したこともあったロペス。それだけに今季の彼のモビスターへの加入は大きな驚きを持って多くの人に受け止められた。しかし、今回の出来事で、再度ロペスとモビスターの関係は悪化したものと思われ、結果的にアスタナ・プレミアテックへ出戻ることになった。
There is no place like home 🏠 @SupermanlopezN#AstanaQazaqstanTeam pic.twitter.com/bJqpjf6dp3
— Astana – Premier Tech (@AstanaPremTech) October 15, 2021
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Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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