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マウンテンバイクに夢のサスペンション「ロックショックス・フライトアテンダント」

MTBの世界で、数々のレースで勝利を挙げたパーツメーカー「SRAM(スラム)」のワイヤレス変速システムAXS。このテクノロジーを活かし、SRAM傘下のサスペンションブランド「ROCKSHOX(ロックショックス)」から前後サスペンションをワイヤレスで電子制御する「Flight Attendant (フライトアテンダント)」が発表された。ただし、現段階では完成スペックのみとなり、単体での発売はない。このためフライトアテンダントに関する情報は日本国内では完成車メーカーからのリリースしかなかった。そこで、アメリカで開催されたシーオッタークラシックからフォトグラファーの鈴木英之さんがお届けする。

トレイルライドを快適にする電子制御サスペンション
「Flight Attendant (フライトアテンダント)」

時として退屈な空の旅を快適に保ってくれるクルーから取られた「フライトアテンダント」というネーミングは「バイクライドをより快適に、より速くする」という、このシステムのコンセプトを明確に表わしている。

コントローラーに前後サスペンション、ペダルセンサー内蔵のクランクと、4つのパーツからなるフライトアテンダントは、車種別の設計が必要となっているため、4メーカーの2022年モデル6車種に搭載され、シーオッタークラシックで公開された。

「システムの基本コンセプトは”シンプルであること”」

プロダクトマネジャーのジョン・キャンセラーさんは「フルサスペンションMTBには、バイクをあらゆる地形、速度で正しい姿勢を保つための調整機能が備わっていますが、多くの人はそれを使いこなしていません。理由は”使い方がわからない”からです。フライトアテンダントは、走り始めた瞬間から、バイクの動きを素早くサスペンションに伝えてベストな環境を作り出します。また見た目もシンプルであること。最初のテストバイクは、計測機器とそれらをつなぐ配線だらけでした。この美しくない見た目を解決できたのは、AXSが完成したからです」と語る。

マウンテンバイクのサスペンションを電子制御するアイデアは、90年代後半から何度か製品化されてきたが、残念ながらその多くはライダーとバイクの動きを完璧にフォローしているとはいえないものがほとんどだった。

原案から10年かけて姿を現わしたフライトアテンダント

eTap、AXSを手がけたチーフエンジニアのマーク・サンターバンさん

「サスペンションの機械的な動きをデータ化して計算している間に、次のセクションに来てしまったり、過度なダンピングが発生するなど、経験豊富なライダーが行なっている動作を、自動的に再現するものではありませんでした。トレイルライドにおいて、地形やライダーのスピードに一貫性はありません。常に新しいパターンを取り込んでサスペンションの動きに反映させる必要があります」

エレクトロニクスおよびソフトウェアエンジニアリングマネージャーのマーク・サンターバンさんは、路面からの入力だけでなくペダルへの入力もリンクさせるアルゴリズムが必要だと考え、10万マイル以上にも及ぶ実走テストを経てシステムを完成させた。

初期のテストバイク。電子制御のためのワイヤー類が見える

加速センサーなど計測モジュールを装着した開発初期のテストバイク

シーオッター・クラシックで各バイクについて説明をしていたエンデューロ/DHライダーのモリー・マロー選手。テストでは2年半かけて3000マイルを走破したという

ロングトラベルバイクをXCバイクのように走らせる

フライトアテンダントの司令塔とも言うべきパーツは、フォークダンパーの上に組み込まれたコントロールモジュールだ。フォーク、ショック、クランクセットからのデータを照合。その情報をフライトアテンダントアルゴリズムに送り込んで、サスペンションダンピングの味付けを決定する。クランク内のペダルセンサーは、ライダーがペダリングしているか惰性走行しているかを測定。下りでのペダルへの荷重変化はサスペンションの動きに影響を及ぼさない。

このことからわかるように、フライトアテンダントが威力を発揮するのは、アップダウンを繰り返すロングレンジのトレイルライドや、エンデューロだということができる。下りにフォーカスしたセッティングそのままで、ストレスのない上りをこなすことができるのだ。

 

スマホアプリでセッティングも可能

フライトアテンダントは、オープン、ペダル、ロックと3つのダンピングコントロールを備え、大きな岩や根を通過するとフォークやリアショックはオープンモードに切り替わる。その後、衝撃が発生し続けなかった場合はペダルモードに戻り、次にロック位置に戻る。オートモードよりも細かく調整したい場合には、AXSコントローラーを操作することで、マニュアルとオーバーライドに設定が可能。またフォークコントロールモジュールまたはSRAMのAXSアプリを介して、自動モードでのダンピングの反応を微調整することも可能だ。

フォーク上部のコントロールモジュールでも各種の操作は可能。インジケーターも大きく視認性に優れる。走行中、気にならないようダークモードも備わる

リアユニットにモーターモジュールが備わるため、まずは完成車としてのリリースになったという

製品ラインナップ

あくまでも完成車スペックで発売され、単体での発売は現在のところない。フロントフォークはストロークの違う3種類が用意される。ほか、リアショック、コントローラー、センサー付きのクランク、そしてレバーがラインナップした。

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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