ロードバイクに傷がついた! 表面剥離したカーボンフレームを補修する技とプロに依頼する方法
Bicycle Club編集部
- 2021年10月20日
「愛車を不注意で倒してしまった」、「輪行時にフレームにキズがついてしまった」というのはよくある。カーボンフレームの場合は、表層にカーボンクロスを貼ることである程度の補修は可能だ。今回紹介している方法は、あくまでもプロである山路篤さんの参考例。落車などで見えない部分にクラックが入っている可能性もあるため、基本はプロショップや専門業者に修理を依頼することをお薦めする。
表層剥離したフレームをカーボンシートで補修する方法
落車によるハンドルの接触といった衝撃には弱いのがカーボンフレーム。走行可能なレベルに戻すだけならカーボンクロスでの補修が可能だ。注意したいのが、破損前の性能に戻すことは不可能だということ。カーボンフレームは、積層などを綿密に調整して剛性や柔軟性のバランスを生み出しているため、乗り味に変化が出ることもある。また、メーカーの保証対象外となるリペアのため、自己責任で行う作業だ。安全第一で交換か、プロに依頼しよう。
カーボンフレームの補修方法
400番程度の荒さの紙やすりを使用して、フレームの塗装を落とす。塗装を落とすことで、フレームへのダメージもある程度把握できる。
フレームの塗装とともに、ホコリや脂分を除去する。十分に攪拌した2液性のエポキシ樹脂を、まんべんなく塗布していく。
補修部分のサイズに合わせてカーボンクロスをカットする。エポキシ樹脂をカーボンシートに浸みこませるように塗っていく。
フレームの補修部分にカーボンクロスを巻き付ける。フレームとシートにすきまができないように、なるべくキツく巻き付けること。
カーボンクロスを巻き付けたら、へらなどで形を整える。今回は表層のみの剥離と判断して1層のみだが、必要に応じて複数枚重ねて貼ることもある。
表面の仕上がりを滑らかにし、余分な樹脂を追い出すため、カーボンシートの上からラップを巻く。樹脂をなるべく除去したほうが強度が高まる。
補修部分の片側からもう片側に向け、余分なエポキシ樹脂を追い出しながらテンションをかけてビニールテープを巻いていく。
エポキシ樹脂の硬化を促進させるため、使い捨てカイロをビニールテープの上に巻き付ける。カイロは貼るタイプが使いやすい。
1日置いてエポキシ樹脂が完全に硬化したら、ビニールテープとラップを除去。耐水ペーパーで表面を仕上げ、ウレタン塗料で紫外線対策をする。
軽い傷はワックスできれいになる
塗装表面に付いたキズなどは、ワックスで磨くことで、消したり目立たなくできる。バイクの状態を確認するため、フレームは定期的に磨きたい。ガラスの鎧は表面にガラス状の皮膜を作り、キズを防止する効果がある。
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Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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