新ロード女王ワイズロード植竹海貴インタビュー(前編)全日本で勝つためのトレーニング
Bicycle Club編集部
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10月23日、オリンピアン金子広美選手との勝負で見事に競り勝ち、全日本自転車競技選手権で初優勝、晴れて日本ナショナルチャンピオンとなった植竹海貴選手。その素顔はスポーツ自転車専門店「ワイズロード新宿店」に勤める店員だ。ここでは新日本チャンピオンとなった植竹選手のインタビューを前編と後編2回に分けてお届けする。
まず、前編では全日本選手権で勝つまでにどんなシーズンを過ごし、トレーニングしてきたのかをHigh Ambition女子サイクリングチーム代表 加藤修さんが聞いていく。
自分でも信じられない「全日本での勝利」
今シーズンを振り返って
加藤:まずは全日本選手権、初優勝おめでとうございます。いま、日本チャンピオンのジャージを着てみて、どんな気持ちですか?
植竹:今回の全日本で自分が勝つとはぜんぜん思ってなかったので、まだ信じられないです。サポートしていただいているワイズロードのスタッフの方々、金田智行コーチ、活動を応援してくれている両親に感謝しています。
加藤:今年JBCF(全日本実業団自転車競技連盟)でも初のシリーズチャンピオンに輝きました。このままの勢いで、植竹選手が日本チャンピオンになる可能性は多くの方が感じていたと思いますよ。
植竹:いえいえ、私は前回大会(2019年の全日本選手権)では完走すらできていませんし、2018年はU23で7位でした。今回も全く勝てる自信はなかったです。
加藤:2019年と2020年はどんなシーズンでしたか?
植竹:2019年はJBCFでやっと完走ができるようになった程度で、表彰台にはほとんど上がれていません。でも私は、子供のころから運動が好きで負けず嫌いなんです。それで、何が足りないかを考えて、パーソナルコーチの金田智行さんから本格的にトレーニング方法を教わりました。特にフィジカルの強化が必要でしたので、同じワイズロードの男子選手と練習して走力を強化したり、今までやってこなかった筋トレを取り入れるなど練習内容を変えていきました。それで2020年シーズンは、コロナでJBCFの開催開始が6月に遅れたものの、表彰台に乗れるレベルには成長しました。でも7月に怪我をしてしまい、そのシーズン中にトップコンディションに戻すことはできませんでした。
加藤:2021年シーズンはJBCFで11勝しました。振り返っていかがでしたか?
植竹:2020年シーズンがケガでレースを走れなかった分、モチベーションは高かったです。自転車に乗ることが楽しくて、JBCFでは毎回全力でレースをしたら、開幕から連勝するなど成績が出るようになりました。でも100km近いレースは普段走っていないので、全日本選手権では不安もありましたし、オリンピック代表選手や海外のUCIレースで実績のある選手たちには勝てないと思っていました。
全日本選手権へ向けてロングを取り入れたトレーニングを実施
加藤:全日本選手権に向けて、どんな準備をしてきましたか?
植竹:これまでと大きく変わっていないですが、土日に男子選手と100~150km程度のロングを取り入れたり、距離への不安をなくせるよう心がけました。
加藤:毎週どんなトレーニングメニューをこなしていますか?言える範囲で構いませんので教えてください。
植竹:そうですね、普段私はワイズロード新宿店に勤務しているので、このような1週間です。
植竹選手の1週間のトレーニングメニュー
- 月曜日 スマートトレーナーでZwift
- 火曜日 パーソナルトレーニング(筋トレなどフィジカルトレーニング中心)
- 水曜日 レスト
- 木曜日 ロング約150km
- 金曜日 レスト
- 土曜日 男子選手たちと約100kmの走行でメニューを行う
- 日曜日 レスト
加藤:一見レストが多い印象ですが、強度の高い日の翌日はレストを入れて、回復をしながら次のトレーニングへ移るのは理にかなっていると思います。しかも普段はお仕事をされているわけですから、レストはお仕事の日。プロ選手のようにレストは本当に何もしないで回復に専念できる環境になればまた違ってくると思いますが、選手活動と両立をされているのですね。
植竹:自転車に乗るのが本当に好きなので、トレーニングも楽しいと思っています。
加藤:そういうタイプの人は間違いなく伸びますよ。先日あるインタビューで東京オリンピックトラックオムニアム 銀メダル獲得の梶原悠未選手に質問したのですが、彼女のようにトレーニングで自分を追い込むことも含めて、自転車が楽しいというタイプの人です。
全日本選手権での走りについて
加藤:では、今回の全日本選手権ロードレース本番ではいかがでしたか?
植竹:きつかったです。途中から金子広美選手と川口うらら選手と3人で先頭グループをつくって前で逃げ続けたのですが、2人とも毎周回上りでアタックを仕掛けるので、それについていくのが本当に大変でした。
加藤:でもゴールまでその2人についていくことができれば、スプリントでは勝つ自信はあったのでは?
植竹:そうですね、今年のJBCFでのレースを振り返ってみても、そういう展開は何度かあったので、ゴールスプリントに持ち込めるよう何とか粘り続けました。川口選手が先にドロップしてしまったので、最後は金子選手と2人の対決になりました。レースになると負けたくないという気持ちが出てきますし、全日本選手権で勝てるチャンスはめったにないと思って、ゴール前まで必死で付いていきました。
来年は與那嶺選手に挑戦したい
加藤:これまでは與那嶺恵理選手が連覇し続けている全日本選手権、今年は與那嶺選手が手術の影響でエントリーされず、女王不在のレースとなりました。来年の全日本選手権が楽しみですね。
植竹:與那嶺選手が今回出場されなかったことは残念でしたが、来年はUCIワールドツアーで活躍する與那嶺選手と同じレース走って、自分がどこまでついていけるのか挑戦してみたいです。そこで勝つことができれば、本当の意味での日本チャンピオンだと思います。
(続く)
次回は、自転車を始めたきっかけから、レースを始めるまでについてお伝えする。
ワイズロードでは植竹優勝記念セールを実施
植竹選手が勤務するワイズロードでは、優勝を記念してセールを行う。セールの対象商品は植竹選手が一番最初に購入したスポーツバイク「ジャイアント・エスケープ R3 MS」と「リブ・エスケープ R3 W MS」だ。
もうひとつの対象商品は従来からの実走トレーニングと組み合わせ、弱点の克服や課題の強化のためにZwiftでのインドアトレーニングで活躍した「サリス・H3 ダイレクトドライブスマートトレーナー」だ。
セール対象モデル
ジャイアント・エスケープ R3 MS
リブ・エスケープ R3 W MS
サリス・H3 スマートトレーナー
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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