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ロードトップチームで走る中根英登が歩んだ10年間のプロ生活と来シーズンに向けて!

日本時間の11月2日(火)深夜、EFエデュケーションNIPPOからうれしい知らせがリリースされた。中根英登がEFエデュケーションNIPPOとの契約を更新し、2022年シーズンも同チームで走ることが決まった。ここでは中根のこれまでの10年に渡るプロロードレースチームでの活動を改めて振り返りながら、来シーズンへの抱負など、本人のコメントを交えながら紹介していく。

ごく普通の大学生からプロロードレーサーになるまで

中根が自転車競技を始めたのは、高校の部活動(サッカー)を引退してから。

中京大学に進んで本格的に自転車競技を始めた中根は大学2年生のときに、当時設立されたばかりのチームユーラシアへ加入し、ヨーロッパのレースを経験。

さらに大学4年生からはチームNIPPOへ昇格し、本格的にヨーロッパでのレースを経験していく。

しかし、大学4年生の中根には当時プロ選手になるという目標はなく、日本国内にいるときは教員採用試験の受験や一般企業への就職活動をするなど、ごく普通の大学4年生として生活を送っていた。

そんななか、イタリアのステージレースに出場した際に転機が中根に訪れる。

このレースで逃げに乗った中根を大門監督や当時のチームメイトたちがとてもねぎらったのである。

この評価で自信をつけた中根は大学卒業後もチームNIPPOと契約し、プロロードレーサーの道を歩むことになった。

父のいた愛三工業レーシングで大きな財産を獲得

その後、日本人で構成されかつアジアツアートップクラスのチームであり、父親と同じチーム・ジャージで表彰台に登りたいという思いから日本の愛三工業レーシングチームへ移籍。

ヨーロッパツアーからアジアツアーへと戦いの場を移した中根は、当時アジア最強だったイラン勢とも互角に渡り合い、UCIポイントを多く獲得した。

そしてこの愛三工業レーシングチームでの活動が、中根の人生を再び大きく変えることとなった。

中根は「特に1年目はチームに西谷さんや盛さん、綾部さんがいて、イラン勢と競った山頂ゴールのステージでは先輩方にアシストしていただいていました。そこでアシストの仕事や意義を心から理解することができ、とても大きな財産になっています」と、今の仕事の基礎を学ぶことができた期間だったと当時を振り返る。

ヨーロッパツアーで走れる選手に

アジアツアーで自信をつけた中根は、2017年に再びチームNIPPO(当時はNIPPO・ヴィーニファンティーニ)と契約し、ヨーロッパツアーでのレースに復帰した。

この移籍の際、すぐに結果を残せるように準備していたという中根は、シーズン開幕レースとなったツール・ド・ランカウイでアジアンリーダージャージを獲得。

さらに、この年から現在まで続くヨーロッパツアーでのUCIポイント獲得を、ツール・ド・アゼルバイジャン総合8位で達成すると、チームではエース格の選手として扱われるようになったという。

中根は「ヨーロッパツアーでUCIポイントを獲得できたのがとても自信につながりました。ランカウイやアゼルバイジャンで結果を出せたので、エース格の選手として走らせてもらうことができ、ヨーロッパで走れる選手という意識をもてるようになりました」と、現在まで続くヨーロッパでの選手活動における転機を語ってくれた。

ワールドツアーチームへ移籍した2021年シーズン

そして2021年シーズン、EFエデュケーションNIPPOに所属し、ワールドツアーチームの一員となった中根英登。

そんな彼を新型コロナウイルスの影響が襲う。

2020年シーズンもレース出場のための検査で偽陽性が出たために出場を断念せざるを得なかったレースがあった。しかし、2021年シーズンはより大きな影響が出てしまう。

新型コロナウイルスの影響でオフシーズンに行われるチームキャンプに参加することができなかった中根は、2月に渡欧するまでチームとのコミュニケ―ションルールの確認や現地での生活環境整備などができず、コンディションを整えるのに時間がかかってしまった。

特にチームの拠点近くであるスペインのジローナを拠点にすることをチームから推奨されたが、これまでのヨーロッパ生活でなじみのある土地ではなかったため、事務手続きや練習コースの確認などに時間がかかってしまい、大きなストレスとなってしまった。

しかし、中根は「ジローナでは坂本拓也マッサーや南野求メカニックと一緒に生活をすることとなり、タイミングが合えば家の中で日本語で会話することができたので、とてもリラックスできました。また、なじみのあるイタリアに生活の拠点を構えていたら、チームとコミュニケーションがうまく取れなかったと思うので、ジローナを拠点にして良かったと思います」と、ジローナを拠点にして正解だったと振り返る。

シーズン後半にはコンディションもかなりよくなり、最終盤での重要なアシストもこなしながら、5年連続となるヨーロッパツアーでのUCIポイントをプリムス・クラシックで獲得することができた。

「ワールドツアーチームでアシストの仕事をこなしながらも、ヨーロッパツアーでUCIポイントを獲得できたのはとても自信につながりました」と中根。

2022年シーズンに向けて

日本時間で11月2日(火)夜に、EFエデュ―ケーションNIPPOから中根英登との契約更新が発表された。

中根は「引き続きワールドツアーのチームで走れるということで、セレクトされたレースでは100%の力でチームのアシストをできるように頑張りたいです。2021年シーズンを過ごしたチームで2022年シーズンを迎えることができるため、チームスタッフやチームメイトとも自然にフィットできると思います。グランツールいずれかの出場メンバーに選ばれれば、しっかりとチャレンジしていきたいと思います。また、世界選手権における日本代表の出場枠を確保できるよう、UCIポイントもしっかりと獲得していきます」と来シーズンに向けた抱負を語った。

また、いつも応援してくださるファンに皆様に向け、

「2022年シーズンもワールドツアーチームの選手として走る姿をお見せすることができるので、とてもうれしく思います。2022年シーズンもヨーロッパで走る姿が映像で流れると思いますので、引き続き応援のほど、よろしくお願いします」とメッセージを残した。

若手選手に向けて

学連、コンチネンタルチーム、プロフェッショナルコンチネンタルチ―ム(プロチーム)、ワールドツアーチームと、ピラミッドすべてを経験した中根にワールドツアーチームで走る意味を中根に聞いてみた。

「この世界のトップが集まるところで走れるのは光栄なことであり、注目を浴びるので、しっかりと走れる選手でいる必要があるし、ここで走る以上は日本人選手の目標となる存在であるべきだと考えています。また、新城さんや別府さんが証明し続けてきたことを自分がこれからも証明し続ける必要があると感じています。ただ、新城さんや別府さんと比較すれば、(学連や国内チームを経由しているため)より身近な存在に感じられると思うので、学連や国内チームに所属する若手選手には目標にしやすい存在だと思っています。国内には自分よりもいい潜在能力をもっている若い選手が多くいると思うので、ぜひチャレンジしてほしいです」という答えだ。

「最後に、常に1ステップ上の世界を見せてくれて、かつ、応援しつづけてくれているNIPPOと、NIPPO・ヴィーニファンティーニへ快く送り出してくれた愛三工業レーシングチームにはとても感謝しています」と、中根から最後にこれまでの支援に対する感謝の気持ちが述べられ、インタビューは終了した。

11月2日に中根英登から、地元・東浦町に対して小児用ヘルメットが寄贈ヘルメット寄贈された。今回のインタビューはこの取材時に私、三井至がインタビューさせていただいた。

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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