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元気なシニア層にeバイクを! 「東京サイクルデザイン専門学校」学生がソーシャルバイク製作

アクティブシニア層に向けた電動アシスト自転車作り。取り組んだのは東京サイクルデザイン専門学校(TCD)の3年生たちだ。11月12日に発表会が開催され、課題に取り組んだ力作6台が公開された。

製作した班ごとにプレゼンテーション。バイクのコンセプトや特徴を解説。プロモーションムービーも製作した

アクティブシニア層をターゲットとしたeバイクを製作

東京サイクルデザイン専門学校(以下TCD)では、自転車製作課題としてバイクプロジェクトに取り組んでいる。「女性のための自転車」など毎年テーマが設けられているが、今回は元気で活発な60~70代の「アクティブシニア層」をターゲットユーザーとした。

アクティブシニア3人。系列校で教鞭をとっていたなどのつながりで製作ヒアリングに協力してくれた。右は酒匂博学校長

実際の60~70代の男性3人に協力してもらい、学生たちはヒヤリングや計測などを実施。各グループでコンセプトを設定し、アイデアを出し合った。
使われたのは一般車の世界でも高いシェアをもつ太陽誘電株式会社の電動アシストユニット。「省エネ・安心・安全」というユニットのコンセプトも生かし、シニア向けに学生たちが自転車を一からデザインすることに。

太陽誘電のドライブユニット。前輪ハブ駆動で下り坂やブレーキング時に充電もでき、長時間のアシストを可能にしている

完成した自転車たちは、どれもそのまま商品化もアリと思えるほど完成度が高い。コンセプトからデザイン、製作まで手掛けるという自転車のエキスパート教育を受けているTCDの学生たちだが、代を重ねるごとにそのアイデア力、技術力も高まってきているように感じられる。それでは、発表された6台を見てみよう!

プレゼンテーションには、自転車メディアなど多数の取材陣が集まった

多面的でカッコよさも安全も「ES-1000A」Aグループ

スポーツサイクルにも乗るアクティブシニアに向けて、セカンドバイクを提案。安定性を重視しつつもシニア向けに見えないデザインが魅力的だ。ハンドル形状が考えこまれており、また荷物など重量物をフレーム中心部にもってくるアイデアも秀逸。

リラックスポジションからエアロポジションまでとることが可能となっている。ステム長も可変式
フレーム中央部に設けられたラック。2Lのペットボトル2本が余裕で入る大きさ
ダブルクラウンのフォーク。前輪駆動のパワーを支え安定感を生んでいる

レトロフューチャー「Electric Klunker」Bグループ

趣味で自転車に乗るオシャレな高齢者をイメージ。MTBの元祖クランカーを彷彿とさせるフレームデザインに電動アシストを組み込んだ。乗る年齢層の時代背景、アメリカ好きな志向にも踏み込んだデザイン。街にも違和感なく、普通にカッコいいと思える。

なんといってもフレームのラウンドしたフォルムが魅力的
クラシカルな雰囲気を醸し出している革サドル
クランクを後ろに回すとブレーキがかかる、アメリカンなコースターブレーキを採用

積載と走行の両立「Pet Cargo」Cグループ

休日の買い出しを想定した積載力ある自転車。安定感と低重心を生む前後異径ホイールとなっており、前輪は大きく、後輪は小さく太い。2Lのペットボトル6本を積載できるバッグが搭載されており、満載の坂道もアシストパワーで楽々走行できる安心感。

要望どおりの安定感とデザイン性にアクティブシニアもご満悦
リアのサイドバッグ2つで計6本の大型ペットボトルも余裕で入る。安定したキャリアが装着できるデザイン
ロゴは、ゴシックで固く安定感と、車体は多少の転びそうな場面でも倒れないイメージでデザイン

ネオスポーツ自転車「A」Dグループ

70代のスポーツ自転車ユーザーを想定したバイク。安定感は増しつつもスポーティーな仕様。自分の力で走る楽しみを残すためにあえて、アシスト力を弱めに設定するという新コンセプトを打ち出している。同時に省電力で長時間&長距離アシストを実現。

フレーム形状から着想を得たAは「エース」と読む。新たな人生の第一歩という意味も
より安定感を高める、幅広の特殊なフレアハンドルを採用している
トライアスロンの経験もある70代のターゲットユーザーが校内で試乗。狭いエリアの旋回も安定感ある走り

移動も買い物もラクだ「RAKUDA」Eグループ

買い物の快適さと移動をアクティブに楽しめるよう追求したワーキングバイク。積載力は、2Lペットボトル6本入りの箱が余裕で乗るラックと丈夫なリアキャリアでハンパない。ラク(楽)からとったラクダのイメージキャラも作るブランディング力もなかなか。

フロントラックは、段ボール箱をそのまま載せて運ぶことも可能。前輪を小径化することで積載力を増している
フレームのリア部分はキャリアになっている。一体化することで丈夫さを生みデザイン上のアクセントにもなっている
ラクダのキャラクターデザインは、金属製のヘッドバッジに。ジュエリー製作技術も高い水野学園らしい

シニア向けにとらわれない新提案「Cocle」Fグループ

クールなアンクルという意味の造語でクークルというネーミングが秀逸。名前ばかりでなく、四角いバッテリーを違和感なく見せる、四角いスチール管を使ったフレームデザインもなかなかクール。アーバンなイメージのシティバイクづくりに成功している。

四角いスチールのトップチューブ。一体感のある四角いフロント&リアライトも仕込んである
リアラックは、シートポストを抜けば外せる仕様。シンプルながら合理的なデザイン
こんな白髪のクールな老紳士に乗ってほしい。インテリジェンス漂う雰囲気

 

さまざまな意見をぶつけ合い、協力しあって生まれた結晶たち。それぞれ美しい。すがすがしくもあり、そんな時間を過ごしている彼らがうらやましくもなる発表会だった。

 

学校法人 水野学園 東京サイクルデザイン専門学校

0120-099-422 (TEL:03-3499-0300/FAX:03-3499-0359)
本校舎 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前 5-29-2
青山校舎 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷 1-20-5
https://tcds.jp

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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