CHAPTER2(チャプターツー)・トア|ニューモデルインプレッション
管洋介
- 2021年11月29日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! 今回はフレーム形状、サイズ展開に至るまでデザイナーのこだわりが詰まった、CHAPTER2のフラッグシップモデル「CHAPTER2・TOA(チャプターツー・トア)」をベテランライダーの管 洋介がテスト!
勝利を呼びこむ美麗なピュアロード
どこにもない個性を放つニュージーランドブランド、チャプター2から最新型フレームのトアが登場。そのコンセプトは「100%ピュアレーシングモデル」。これまで培ってきたフレームデザインのノウハウ、そしてなによりブランド創始者兼デザイナーであるマイク・プライドのこだわりによって生み出された逸品だ。
彼が語るには「このフレームはレースに挑む人すべてに届けるモデルであるとともに、私自身のために作り出したモデルでもある。硬すぎるT1000カーボンではなく、あえてT800カーボンを採用することで長距離かつやや荒れた道でも快適に走れる。またリアのシートステーにはとくにこだわって、UCIの許容値ギリギリまで角度の調整を行った。はやりの形状に似ているように見えても実際にはまったく異なる」
「そしてオリジナルのマナハンドルバー(別売)は、乗り手の身体に合わせるため多くのサイズを展開している。これはすごく大事なことで、たとえコストがかかったとしても、ライダー一人ひとりに合ったものを作りたいというチャプター2のマインドなんだ。大企業ブランドが狙うコストダウン製作とは真逆にね」
TOA(トア)とはニュージーランドの先住民マオリ族の言葉で「勝利」を意味する。独自の道を進み続けるチャプター2の旗艦モデルだ。
チャプター2オリジナルの「マナバー」がすごい
「ライダー一人ひとりに合ったもの」を体現するマナバーは、ハンドル幅&ステム長違いで5モデルも展開している。ヘッドチューブのケーブル内装機構はACRシステムを採用し、作業性も確保している。
チャプター2・トア
35万8930円(フレームセット)、43万7800円(フレームセット/専用ハンドルバー付属)
SPEC
■フレーム:T800カーボン ■フォーク:専用ワンピースカーボン ■サイズ:XS、S、M、L、XL(XXSも2022年追加予定) ■カラー:グロスブラック、トンガリロ(限定) ■重量:6.53g(XS)※ペダルレス/編集部実測
雑味のない加速感と高級感。質の高い走りが際立つ
管 洋介がインプレッション
ダウンチューブとBBまわりの剛性が高く、チェーンステー長も後輪の追従性の高い408mmで構成。トルクの伝達性能はビビッドで低重心のBBドロップが安定感抜群。これがバイクの推進力に見事にマッチング。そしてこれだけ高剛性のシャシーなのに、突き上げに対する振動減衰性の高さに驚かされる。ベンドしたフォークとD型シートポスト、T800カーボンを採用したことが功を奏しているのだろう。結果、ペダルストロークはクリアなトーンで、リニアモーターカーに乗っているかのような雑味のない加速感と高級感が感じられる。急勾配の上りやダンシングでは体重をペダルに預けたとたん、期待以上の推進力でバイクが前に進んでくれる。ひとことで「オールラウンダー」とまとめられないほどに、質の高い走りが際立つ一台だ。
インプレッションライダー
管 洋介
バイシクルクラブおなじみのインプレッションライダー。スポーツ自転車の講師、チーム監督、フォトグラファー、ライターとさまざまな面でかかわるマルチライダー。身長168cm。
問:チャプター2ジャパン
www.chapter2bikes.com/ja
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