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東京五輪であの鐘を鳴らしたのはマリオ、関西シクロクロスで目指す夢

東京五輪の自転車競技トラックで周回を知らせるベルを鳴らしていたことで有名となった自転車審判のマリオこと上田尚徳さん(33)。現在は地元関西に戻り、レース運営に携わっている。その“マリオ”にピークス・コーチング・グループの中田尚志さんがインタビューを行った。

関西シクロクロスでの役割は?

UCI 資生堂 琵琶湖グランプリでフィニッシュジャッジを行うマリオさん。スタートを見守る 写真:コマツ トシオ

「運営の一部に関わっています。広報活動と審判業務がメインです。大会当日にむけて公式ページの更新、SNSでの広報活動、各メディアへの情報提供、さらには大会時間割の策定やエントリーリスト作成なども担当。大会当日は審判業務をしています。

広報の発信では選手の皆さんがレース参加時に欲しい情報が確実に手に入れられるように心がけています。
自身が選手時代に『どこでレースがあるんだろう?』『こうした情報があったらいいな』と不便に感じていたことがありましたから」

※関西シクロクロスは毎年10月から2月まで行われるシクロクロスのシリーズ戦。1995年に始まり、今年はシリーズ11戦+UCI1レースの全12戦を開催。参加者は毎回600-700人にのぼる日本最大のローカルレース。
https://kansaicross.com/

五輪後は何をされていましたか?

ワールドカップの準備風景 写真:上田尚徳

「今季のシクロクロス世界選手権が行われるアメリカのアーカンソー州フェイエットビルまでシクロクロス・ワールドカップの視察に行きました。この大会は世界選手権のテスト・イベントとしての役割も兼ねていました。

五輪後、五輪トラック競技で審判長を務めたノリーン(アメリカ)に連絡を取ったところ、USAサイクリング(米競技連盟)の担当を紹介してくれました。また大会にはオランダのマーティンが審判長として来ていましたが、東京五輪プレ大会ではロード審判長を務める彼の車を運転しましたので顔見知りでした。しばらくぶりの再会となりましたね。
彼らは私を快く受け入れてくれました。ワールドカップではフィニッシュ・ジャッジを担当させてもらうことになりました」

レースを終えてスタッフとくつろぐ 写真:上田尚徳

ワールドカップの経験をUCI資生堂 琵琶湖グランプリに生かしたところはありますか?

「今回のレースでは男子エリートの選手を招集前にホームストレートに呼び込むスタイルを導入しました。

これはUCIワールドカップでも行われています。選手にウォームアップの場所を提供すると同時に観客への顔見せの意味があります。

また烏丸ラウンドというレース名称を『琵琶湖グランプリ』に変更しました。琵琶湖畔で行っていることが誰にでもわかるようにとの配慮です。またグランプリという名前は海外のUCIレースでも多く使われており、内外を通してレースの開催地とステータスが認知されやすいというのが変更の理由です。

その他には各メディアへ大会告知の掲載をお願いしました。レースは存在を知って頂かないことには始まりません。オーガーナイザー・審判・選手・観客があってこそ成立しますから」

レース開催に向けての準備は?

マリオとDJがらぱさん。ともに東京五輪経験者だ  写真:コマツ トシオ

今回に限らず関西シクロクロスはたくさんの協力の元で開催されています。そのなかでレースオーガナイザーの矢野夫妻を中心に私を含め8人がコアチームとして動いています。

烏丸半島は広大な空き地と言ってよいですが、春からコアチームの一人、熊本さんが草刈りを行ってコース設営の準備をしてくださいました。草刈りというより開拓といった形容の方が合うかもしれないですね。(走路だけでも1周2.9km程度ある)

他にもコースレイアウトの策定、メディア告知、参加者の募集、さらに参加者への案内など準備は多岐にわたります。それぞれのメンバーが役割分担をこなし、協力しあって大会開催にこぎつけます」

運営スタッフにはマリオさん以外にも五輪経験者がいますよね?

「DJがらぱさんは五輪で場内アナウンスを務めました。また岩佐千穂さんは検車を担当していました。じつは大阪造幣局で金メダル製造に関わった人も関西シクロクロスの関係者なんですよ」

素敵なトロフィーですね

UCI 資生堂 琵琶湖グランプリのトロフィー  写真:コマツ トシオ

「矢野さんが滋賀県高島市在住の工芸作家ワダマキさんにお願いして毎年制作して頂いています。琵琶湖の水のイメージをアクリルで表現されています。
ちなみに関西シクロクロスのマスコット、カンクローは兵庫県在住のウエツキチエコさんがデザインして下さいました。ちなみに、未就学児のレース名称は「カンクロー(レース)」と呼んでいます」

応援ピンバッジについて教えて下さい

 

現在はカンクローもマスクを着用する 写真:関西シクロクロス

「私が関西シクロクロスに関わる前から毎年製作されています。売上から製作費をのぞいたすべての利益が世界選手権に出場する日本代表チームに寄付されます」

コレクターがいるほどの応援バッジ 写真:関西シクロクロス

「かつて日本代表は選手もスタッフも自費で世界選手権に参加していた時代がありました。渡航費から宿泊費までが自費だったのです。その時代に代表選手とスタッフを少しでも応援できればということでピンバッジの製作が始まったと聞いています。各大会のレース受付で販売(¥600)しています」

あなたにとって五輪が残したレガシーとは?

世界から集まった審判と共に 写真:上田尚徳

「人とのつながりですね。五輪では3週間に渡って関係者と一緒に過ごすことになりました。これだけ長期間一緒に仕事をこなすと、単なる顔見知りという以上に仲良くなることができます。その結果、ワールドカップの運営のお手伝いもできました。個人的には、こういった縁が温かいうちにまた海外を訪れたいですね」

海外では審判と選手のコミュニケーションが密に行われる 写真:上田尚徳

「五輪やワールドカップでは、他国は審判と選手の距離が近いことも知りました。

例えばワールドカップでは審判長のマーティンとトップ選手の(ラース・)ファンデルハールがコース・インスペクション時に頻繁に言葉を交わしていました。審判と選手が密にコミュニケーションを取っているわけです。
文化的な背景もあるかもしれませんが、日本では運営と選手により距離があると感じます。

レースの現場では、とかく運営と選手に溝が生まれやすいものです。しかし、審判は選手の心情を知るべきですし、選手もルールでわからないところがあれば気軽に審判に質問をすることで良い関係を構築できるようになれば良いと思っています。

そういった思いもあって関西シクロクロスでは、競技規則を始めとする規定を頻繁にブログに掲載しています。審判は『選手はルールを知らない』と断じ、選手は『審判に怒られた』の繰り返しではポジティブな関係は生まれないですからね。もっとお互いを知り、コミュニケーションをとることで、みんなで良いレースを作り上げれると良いなと思います。

こういった人間関係の部分が個人的には五輪が残したレガシーですね」

関西シクロクロスをぜひ見に来てほしいですね

「まぁ一度会場に見に来てほしいですね。会場では皆フレンドリーに接してくれると思います。
参加者のみならず、参加を検討されている方、観戦される方、皆さん大歓迎です」

マリオが飛んだ! 写真:上田尚徳

中田尚志 ピークス・コーチンググループ・ジャパン

ピークス・コーチング・グループ・ジャパン代表。パワートレーニングを主とした自転車競技専門のコーチ。2014年に渡米しハンター・アレンの元でパワートレーニングを学ぶ。
https://peakscoachinggroup.jp/

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中田尚志

中田尚志

ピークス・コーチング・グループ・ジャパン代表。パワートレーニングを主とした自転車競技専門のコーチ。2014年に渡米しハンター・アレンの元でパワートレーニングを学ぶ。

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