開かずの酷道、国道471号で行く乗鞍への旅|筧 五郎の酷道の旅
Bicycle Club編集部
- 2022年01月06日
開かずの酷道として知られる国道471号を奇跡的に走ってきた筧五郎さん。1日めに名古屋から金沢へ酷道を越え、2日めはさらにハードな酷道で乗鞍へ。よい子は決して一人で行ってはいけない、五郎さんならではの非推奨ルートをレポートする。もし、行くとしたら雪解けを待って、交通情報を確認してから行くことをお薦めする。
1日めは国道417号で秘境! 冠山峠を越える
国道471号は「開かずの酷道」と言われている。一年の大半が雪で閉ざされ、冬季閉鎖が終わっても落石と山崩れが多く、工事が頻繁に行われるからだ。
国道471号のスタート地点となる石川県までは、自宅のある名古屋から、国道417号で冠山峠を越えるルートにした。
徳山ダムを越えた先の交互通行区間で、交通整理のおじちゃんが「どこまで行くの?」と話しかけてきた。「金沢までです。冠山峠までは何kmぐらいですか?」と聞いたら、「この先行ったことがないからわからない」と言われ。信号が変わったらおじちゃんは、「気を付けて」とひと言。気を引き締めてスタートした。
ここから9kmほどの上りが続く。国道417号でいちばん困難な区間、そして最大標高である冠山峠(1050m)へと向かうが、看板には「ここから林道、かなり注意して走るように」と警告がある。
半分ほど走ると右手に冠山がデーンと見えてきて、その左には冠山峠が見えてくるが、過酷な道だ! そんななか、前方からクルマの音が聞こえてきた。狭い場所なので左端に寄り、前を見て目を疑った。
鹿がクルマに追いかけられて、僕のほうに向かって来ているのだ! 「やばい! ぶつかる」と思ったが、鹿も僕の存在に気がつき、山側へ逃げようとする。だが登り切れず、谷側へ逃げていった。運転手と目が合い、互いにびっくりした。
鹿のあとにまさかの熊に遭遇!?
気を取り直し、近づいてくる冠山峠を見ながら進むが、今度は山側からガザガザと音がする。なんと小熊がいるではないか! 笛を持ってきたのだが、小熊の近くには親熊がいるというので、僕は笛を鳴らさずに、気づかれないようにその場を立ち去った。
なんとかガードレールのない坂を下り、岐阜から福井へと県境を越え、勝山、越前大野を通過。さらに谷峠(900m)を越えて、無事内灘にあるカツリーズサイクルの成田加津利さん宅へ到着した。
出典
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Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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