スペインから帰国した石原悠希が優勝、国内ロードレース開幕|西日本チャレンジロード
Bicycle Club編集部
- 2022年03月15日
3月13日、広島県三原市にある広島県立中央森林公園のサイクリングコースにて第26回西日本チャレンジサイクルロードレースが開催された。
昨年10月に全日本選手権ロードが開催され、今年6月に開催予定の全日本選手権ロードでも同コースでの開催が予定されているなど、全日本選手権や国内トップカテゴリーのレースが数多く開催されてきたコースでのレースに、多くの国内トップチームがエントリー。
メインレースとなったA-Eカテゴリーではスペインから帰国中の石原悠希(JAVA kiwi atlantico)が後半に抜け出した4名でのスプリントを制し、優勝。
大学生が中心となったA-Uカテゴリーではサバイバルな展開で残った11名でのスプリントを園田大智(ヴィクトワール広島)が制し、チーム地元での優勝を飾った。
国内ロードレースシーズンが本格的に開幕
2週間前の2月27日には日本学生自転車競技連盟(以下、学連)主催の第16回明治神宮外苑大学クリテリウム(以下、神宮外苑クリテ)が開催され、国内ロードレースシーズンが開幕。
神宮外苑クリテはマスターズカテゴリーや女子カテゴリーを除いて学連登録の選手のみが参加できるレースだったが、西日本チャレンジロードではエリートやジュニア、ユースといった日本自転車競技連盟(以下、JCF)で規定されるほぼ全てのカテゴリーでレースが開催されたこと、翌週以降も富士クリテリウムチャンピオンシップやJプロツアーの開幕戦が続くこと、多くのトップ選手が参戦したことを踏まえると、西日本チャレンジロードで国内ロードレースシーズンが本格的に開幕したといえるだろう。
また、同コースでは昨年10月に全日本選手権ロードが開催されており、1月25日にJCFから発表されたカレンダーには今年の6月に開催予定の全日本選手権ロードも同コースでの開催を予定していると記載されている。
全日本選手権ロードに向けて同コースでレースを走ることができる貴重な機会であるとともに、同レースを占う上で参考となるレースとなると思われた。
A-Eカテゴリーでは石原悠希(JAVA Kiwi Atlantico)が4名でのスプリントを制す
メインレースとなったA-Eカテゴリーのレースには愛三工業レーシングチームや那須ブラーゼン、マトリックスパワータグ、宇都宮ブリッツェン、ヴィクトワール広島、シマノレーシングと、国内UCIコンチネンタルチームを中心に、イナーメ信濃山形やVC福岡、備後しまなみeNShareといったクラブチーム勢も参加するなど、昨年同様豪華なメンバーが揃った。
A-Eカテゴリーは12.3kmのコースを7周する合計86.1kmで開催。
昨年の全日本選手権ロードと比較すると半分以下の距離となっており、コースの特性と合わせて序盤から有力選手たちがアタックを仕掛けるようなサバイバルな展開が予想された。
昨年の同大会A-Eカテゴリーでトップ6までに入った選手たちを先頭に、85名の選手がスタートラインに並ぶ。
11時10分にスタートが切られると、予想どおり1周目からアタックがかかる。
フェンストンネル過ぎの上りでアタックがかかると、シマノレーシングの2名(湊諒、天野壮悠)が抜け出す。
しかし、レース開始直後ということもあり、マトリックスパワータグらUCIコンチネンタルチームがペースを上げ、展望所への上りまでに2名を吸収。
展望所への上りに入ると今度はフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)が8番手から勢いよく飛び出し、ペースをいっきに上げていく。
このアタックで集団は分裂し、1周目完了時点で半分ほどの選手たちが遅れてしまう。
2周目に入るとまたしてもフェンストンネル過ぎのアップダウン区間でアタックがかかり、4名の選手が抜け出す。
・谷 順成(那須ブラーゼン)
・フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)
・渡邊翔太郎(愛三工業レーシングチーム)
・中井唯晶(シマノレーシング)
さらに宮崎泰史(宇都宮ブリッツェン)が三段坂でブリッジをかけると、この動きで15名の先頭集団が形成される。
・マトリックスパワータグ3名(フランシスコ・マンセボ、安原大貴、小林 海)
・シマノレーシング3名(天野壮悠、中井唯晶、床井亮太)
・宇都宮ブリッツェン2名(貝原涼太、宮崎泰史)
・愛三工業レーシングチーム2名(鈴木 譲、渡邊翔太郎)
・JAVA Kiwi Atlantico2名(鳴海 颯、石原悠希)
・那須ブラーゼン1名(谷 順成)
・備後しまなみeNShare1名(大町健斗)
・mameOchicchi1名(満上 亘)
先頭集団はメイン集団まで1分40秒程度の差をつける。
一方、メイン集団はレオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ)や岡本 隼(愛三工業レーシングチーム)がペースを上げる場面があるものの、組織的な追走を見せることはなく、タイム差は変わらず。
そして5周目、先頭集団から小林 海、安原大貴、宮崎泰史、石原悠希が抜け出すと、後続の7名に対して先頭4名は1分程度の差をつけて最終周回へ入る。
マトリックスパワータグは4名のうち2名という数的有利な立場を生かしてアタックを繰り返すも、石原、宮崎を突き放すことができず、4名のまま展望所を通過して下り区間へ突入。
ホームストレートで宮崎が早めに仕掛けると、宮崎の番手につけた石原が横に並び、ゴールライン上でハンドルを投げ合う大接戦のスプリントに。
僅差で宮崎を差し切った石原が1位、宮崎が2位、小林が3位、安原が4位となった。
「6月の全日本に照準を合わせたい」優勝した石原悠希(AVA Kiwi Atlantico)のコメント
「マトリックス2名、宇都宮ブリッツェン1名、自分1名だったのでめっちゃ不利で、どうしようかなと思ったんですが、宮崎選手といい感じに立ち回れてマトリックスをやっつけられました」と、マトリックス2名に対して宇都宮ブリッツェンの宮崎とは協調できていたと語る石原。
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