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ハンガリーで開幕! 白熱のスプリントを制したマチュー、ユアンが落車|ジロ・デ・イタリア

2022年シーズン最初のグランツール、ジロ・デ・イタリアが華々しく開幕した。今年の開幕地はハンガリー・ブダペスト。大会初日は195kmのロードレースステージが設定され、最後は上りスプリントで決着。マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ)が初出場で初勝利。今大会最初のマリアローザ着用者となった。

マチューは初出場でマリアローザ着用、ユアンは最終局面で落車

総距離3445.6kmを3週間かけて走る「イタリア一周」。開幕から3日間はイタリアを飛び出して、東欧・ハンガリーへと足を延ばしている。同国での旅の始まりはもともと2020年に予定されていたが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による国の指針などもあり見送りに。そして今年、晴れてジロ開幕が実現した。

当初はブダペスト市街地での個人タイムトライアルが予定されていたが、2022年大会の開幕にあたってステージ編成も見直し。首都・ブダペストを出発し、北に位置するヴィシェグラードを目指す195kmのロードレースステージが大会初日に設けられることになった。

そのルートはスタートから長く平坦路を走り、フィニッシュ前5.7kmで急変。古く城塞だった丘をめがけて駆け上がっていく。最大勾配は8%で、フィニッシュと合わせて4級山岳ポイントに設定される。ここを一番でやってきた選手がまずはマリアローザに袖を通す。

華やかにスタートしたプロトンは、しばしのニュートラル区間を経てリアルスタート。これと同時に飛び出したマッティア・バイスとフィリッポ・タリアーニ(ともにイタリア)のドローンホッパー・アンドローニジョカトリ勢が逃げる形に。メイン集団はすぐにこれを容認し、早い段階で10分以上のタイム差となる。

©︎ LaPresse

エンジンが温まってきたところでメイン集団も少しずつペーシングを始めて、タイム差をコントロール。アルペシン・フェニックスやアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオがアシストを前線に送り出して、その差を縮めていく。75.3km地点に置かれた1つ目の中間スプリントポイントは、先頭2人に続いてジャコモ・ニッツォーロ(イスラエル・プレミアテック、イタリア)がメイン集団一番手となって、全体の3位通過。スプリンターがポイント賞争いを見据えて動きを見せた。

©︎ LaPresse

やがて逃げ2人を射程圏内に捉えたメイン集団は、残り30kmを切っていよいよ終盤に向けた各チームのポジショニングが活性化。次第に先頭を走る選手たちを視界に入るようになってくると、残り14kmで吸収。ステージ優勝争いは、最終盤の上りへとゆだねられる。

©︎ LaPresse

位置取りが激しくなる集団の中では数人のクラッシュが見られるが、上位を目指す選手たちには影響せず。レースはそのまま進行し、いよいよ登坂区間へと突入した。

カレブ・ユアン(オーストラリア)擁するロット・スーダルが先頭を固めるが、トレック・セガフレードやアルペシン・フェニックスも負けじと前線へ。残り3.5kmでローレンス・ナーセン(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、ベルギー)がアタックすると、さらに1.5kmほど進んだところでレナード・ケムナ(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)がナーセンをパスして先頭へ。メイン集団に対して10秒近いリードを奪うが、残り1kmを切って失速。UAEチームエミレーツがペースを上げてケムナを捕まえると、集団はスプリント態勢へと移った。

©︎ LaPresse

残り400mで早めに仕掛けたのはウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグローエ、オランダ)。これをユアンが追ったのを機に前線はスプリントを開始。緩やかな右コーナーでユアンの外側から加速したのはビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、エリトリア)。さらにはファンデルプールが大外から上がってくる。ユアンも懸命に追うが、ギルマイの後輪に当たってしまい落車。最後はファンデルプールとギルマイの一騎打ちになり、前者に軍配が上がった。

©︎ LaPresse

ウイニングセレブレーションを決められないほど、タフな勝負となった最終局面。これを制したファンデルプールはジロ初出場、それも最初のステージで勝利し高い順応性を披露。背部やヒザの故障が影響してシーズンインは3月だったが、戦線に戻ってからはロンド・ファン・フラーンデレンを制するなど、ジロ開幕までに3勝を挙げていた。グランツールのリーダージャージは昨年のツール以来。ここから何日間バラ色で過ごすかに注目が集まる。

©︎ LaPresse

ヘント~ウェヴェルヘムを制してからすっかりヤングスターの仲間入りを果たしたギルマイが、ここでも好走して2位。ヤングライダー賞のマリアビアンカに袖を通した。3位にはペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)が続き、ステージ8位までがファンデルプールと同タイム扱い。なお、フィニッシュ前3km以内でトラブルに見舞われた選手を対象とする救済措置は適用されず、最後で落車したユアンは1分4秒遅れでのステージ完了となっている。

ハンガリーでのステージはまだまだ続く。現地7日に行われる第2ステージは、ブダペスト市街地での9.2km個人タイムトライアル。前半は平坦で、後半がテクニカルなうえに最後の1.3kmで最大勾配14%の上りが待ち受けている。レース距離こそ短いが、脚の差ははっきりと出るとみて良いだろう。

ステージ優勝、個人総合時間賞、ポイント賞、山岳賞 マチュー・ファンデルプール コメント

©︎ LaPresse

「スプリント自体は思いどおりになったが、もう一度やり直せるならポジショニングを修正したい。それくらい理想からかけ離れていた。周りを囲まれてしまい、大外から加速するより方法がなかった。ただ、焦ることはなかったし、スプリントするタイミングは完ぺきだった。

最後は手を掲げる余裕がなかったが、この勝利は本当にうれしい。優勝候補と言われることには慣れているので、何を言われてもスタート前はリラックスできていた。マリアローザを手に入れる絶好の機会だと思っていたし、第1ステージが自分に合っていると数カ月前から感じていた。明日のタイムトライアルでジャージを手放すかもしれないが、まずは今日のことを喜びたい」

ジロ・デ・イタリア2022 第1ステージ結果

ステージ結果

1 マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ) 4:35’28”
2 ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、エリトリア)ST
3 ペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)
4 マグナス・コルト(EFエデュケーション・イージーポスト、デンマーク)
5 ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグローエ、オランダ)
6 リチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)
7 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード、オランダ)
8 ディエゴ・ウリッシ(UAEチームエミレーツ、イタリア)
9 アンドレア・ヴェンドラーメ(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、イタリア)+0’04”
10 マティアス・スケルモース(トレック・セガフレード、デンマーク)ST

個人総合時間賞(マリアローザ)

1 マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ) 4:35’18”
2 ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、エリトリア)+0’04”
3 ペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)+0’06”
4 マグナス・コルト(EFエデュケーション・イージーポスト、デンマーク)+0’10”
5 ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグローエ、オランダ)ST
6 リチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)
7 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード、オランダ)
8 ディエゴ・ウリッシ(UAEチームエミレーツ、イタリア)
9 アンドレア・ヴェンドラーメ(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、イタリア)+0’14”
10 マティアス・スケルモース(トレック・セガフレード、デンマーク)ST

ポイント賞(マリアチクラミーノ)

マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ)

山岳賞(マリアアッズーラ)

マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ)

ヤングライダー賞(マリアビアンカ)

ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、エリトリア)

▼【保存版】ジロ・デ・イタリア2022スタートリスト&コースプレビューはこちら

ジロ・デ・イタリア2022

 

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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