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44万円スキンスーツをイェーツが着用、バルデのフェアプレー賞 ジロ序盤トピック|ロードレースジャーナル

vol.38 イェーツのスキンスーツはロードレース史上最高額
4賞にとどまらないジロのユニークな賞とは

国内外のロードレース情報を専門的にお届けする連載「ロードレースジャーナル」。シーズン最初のグランツールであるジロ・デ・イタリアが開幕。3週間に及ぶ熱き戦いにどんなドラマが待ち受けているか。この先の戦いが楽しみではあるが、今回はここまでのステージからいくつかのトピックを紹介。驚きの話題からユニークなものまで、「ジロ開催中だからこそ」のニュースをお届けしたい。

イェーツのTT能力向上に高性能スキンスーツが一役

ハンガリーの首都・ブダペストで行われた第2ステージは、9.2kmの個人タイムトライアルで争われた。ここで勝ったのが、サイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、イギリス)。前半から中盤にかけての平坦区間を快調に飛ばすと、最終局面の上り区間でライバルを上回る走りを披露して完勝。本格的な山岳ステージを前に、総合系ライダーでは優位なポジションにつけている。

S・イェーツが9km個人TTを制す、マチューが僅差でマリアローザを守る|ジロ・デ・イタリア

そんなイェーツだが、このステージで着用したスキンスーツがちょっとした話題になっている。

同チームのウェアサプライヤーはアレ(Ale)社だが、このときイェーツが着用したのはイギリスのスポーツパフォーマンスブランドのボルテック(Vorteq)社が開発したカスタムスキンスーツだといわれている。アレ社のものと見た目のデザインは同じで、同社のロゴも入っているが、ボルテック社製品であることは間違いないという。

©︎ LaPresse

もっとも、ボルテック社は同チームのテクニカルパートナーとして名を連ねており、そうしたつながりも今回のイェーツへのサポートにつながっているようだ。同社では、昨年アワーレコードに挑戦したアレックス・ドーセット(イスラエル・プレミアテック、イギリス)にスキンスーツを提供したほか、ジロ2021年大会では同選手が600ポンド(約96000円)のオーバーシューズを着用。東京五輪ではトラック競技に出場した数カ国にスキンスーツを供給している。

イェーツに話を戻すと、今回彼が着用したスキンスーツは価格にして2750ポンド(約44万円)。実際に同社のウェブサイトに価格設定が記載されており、グランツールレーサーにとどまらず広く注文が可能になっている。

いずれにせよ、ロードレース史上最高額のレースウエアだと思われる。顕著なTT能力向上が評価されるイェーツだが、その背景には高性能ウエアの存在もあると言えそうだ。

©︎ LaPresse

自身の結果を後回しにアラフィリップを救ったバルデにフェアプレー賞

ジロを順調に戦っているロマン・バルデ(チーム ディーエスエム、フランス)は、第1ステージのスタート前に国際フェアプレー委員会から表彰された。

同委員会は、国際連合教育科学文化機関(UNESCO・ユネスコ)が協力する「ユネスコ国際フェアプレー賞」の主宰機関で、各国のフェアプレー委員会やオリンピック委員会、スポーツジャーナリストなどの推薦のもと、フェアプレーに貢献した選手や団体を表彰している。

バルデが対象になったのは、4月24日のリエージュ~バストーニュ~リエージュでの出来事。激しいクラッシュで数メートル下へと落ちたジュリアン・アラフィリップ(クイックステップ・アルファヴィニル、フランス)を助けた行為が高く評価された。バルデも同じタイミングで落車していたが、コースへ復帰せずにアラフィリップのケアを優先。結果としては途中リタイアだったが、リザルトにとどまらないフェアプレー精神が今回の受賞に結びついた。

バルデは当時を振り返り、「ジュリアンの状態は恐怖そのものだった。彼はその場で動けないと口にしていたし、レースにおいては望まないシチュエーションだった。誰かを呼びたかったが周囲はパニックに陥っており、自分にできることがあればという思いだけだった」とコメント。ファンや関係者からも称賛の声が届いたというが、「その場にいた誰もが同じ行動を起こしていたと思う。あの状況はレースどころじゃなかった」と、あくまで当然の行為をしたまでと強調。

これまでツールの総合表彰台や数々のステージ優勝を経験し、「フランス自転車界の至宝」とも言われる彼だが、レースの順位とはまた違った誇るべき勲章を受け取った。

©︎ LaPresse

逃げの選手にもスポットを! ジロ・デ・イタリアの各賞を解説

ジロには個人総合時間賞(マリアローザ)、ポイント賞(マリアチクラミーノ)、山岳賞(マリアアッズーラ)、ヤングライダー賞(マリアビアンカ)の、いわゆる「4賞」だけでなく、大会独自のユニークな賞も存在する。

そこで、4賞以外の各賞を紹介。これを知れば、きっと今後のステージを観戦する楽しみが膨らむはず!

©︎ LaPresse

チーム総合時間賞/スーパーチーム

各ステージ、チーム内上位3選手のフィニッシュタイム合算で争われる。各選手の個人総合順位は関係せず、ステージをいかに速く走るかがポイントになる。

中間スプリント賞/トラグアルド・ヴォランテ

ロードレースステージで2回設定される中間スプリントポイントの上位通過5選手が対象。1位通過から10、6、3、2、1ポイントが付与され、その合計で争われる。

第3ステージを終えた時点での首位は、フィリッポ・タリアーニ(ドローンホッパー・アンドローニジョカトリ、イタリア)。

複合賞/コンバッティヴィータ

フィニッシュ順位、中間スプリントポイント通過順位、山岳ポイント通過順位をそれぞれポイント化し、その合計でランク付け。最大配点は1位フィニッシュの6ポイントだが、中間スプリントポイントと山岳ポイントも高めに配点されており、逃げを得意とする選手にはポイント量産のチャンスもある。

●配点

フィニッシュ(上位6人):6、5、4、3、2、1
中間スプリントポイント(上位5人):5、4、3、2、1
チーマコッピ、1級山岳(上位4人):4、3、2、1
2級山岳(上位3人):3、2、1
3級山岳(上位2人):2、1
4級山岳(上位1人):1

逃げ賞/フーガ

逃げた距離をポイント換算し、その合計で競う。条件としては、10人以下の逃げグループで、メイン集団に対して5km以上リードした時点でカウントがスタートする。

第3ステージを終えた時点での首位は、マッティア・バイス(ドローンホッパー・アンドローニジョカトリ、イタリア)。

フェアプレー賞

各チーム0点からスタートし、ルール違反をするとポイントを加算。実質の減点方式で、合計得点の少ないチームに賞が贈られる。

第3ステージを終えた時点で、エオーロ・コメタだけが50点で最下位に位置する。

●違反に伴う配点

警告:1回あたり0.5
罰金:10スイスフランあたり1
タイムペナルティ:1秒あたり2
選手降着、チームカー降格:100
失格:1000
ドーピング:2000

福光 俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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