3年ぶり開催ツール・ド・熊野開幕! 第1ステージは窪木がスプリント勝利
Bicycle Club編集部
- 2022年05月27日
3年ぶりの開催となるステージレース「ツール・ド・熊野(UCIアジアツアー2.2)」が5月27日開幕。和歌山県新宮市の赤木川沿いのコースで行われた第1ステージはスプリントで勝負が決し、窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)がステージ優勝。個人総合成績でも首位に立った。
雨上がりの猛暑の中でレースが展開される
新型コロナウイルスの感染拡大にともない2年連続で開催中止となっていた大会。復活開催となる今回は、全3ステージ・総距離322.8kmで争われる。第1ステージは、赤木川沿いを行き来する16.4kmの周回コースを約7周する114km。1周目が900mのニュートラル走行区間になっていることと、最終周回がフィニッシュへ向かってレイアウトが変化し、100m周長が長くなっているところがイレギュラーな点だ。
コース自体の標高差は少なく、例年スピードレースが展開される。スプリント勝負に持ち込まれる傾向にあるが、前回大会では序盤にできた先頭集団で逃げ切っており、各チームの作戦に注目が集まる。さらに特色として、山岳ポイントや、フィニッシュ地点手前では道幅が狭くなるため、激しいポジション争いが行われる。
最高気温29℃と予報された初夏らしい空模様の下、選手たちはスタートラインに並んだ。リアルスタート直後から散発的に選手たちが飛び出していくが、決定的な動きにならないまま周回を消化していく。個人総合成績を狙うチームは安全策として集団前方を固めながら前半を終えた。
レースは4周目、この周回の折り返し区間を過ぎると山本元喜(キナンレーシングチーム)がアタック。このアタックに西尾憲人(那須ブラーゼン)、さらに柴田雅之(ヴィクトワール広島)が反応すると3名が先行。続く5周目には兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)、中居唯晶(シマノレーシング)、門田祐輔(EFエデュケーション・NIPPO デヴェロップメントチーム)が合流し、計6名の先頭集団を形成。順調に先頭交代を回していくと、この周回に30秒のリードを築くことに成功。
一方、残り2周を残すメイン集団ではスプリント勝負に持ち込みたいマトリックスパワータグが集団コントロールを開始。ほどなくすると、チームブリヂストンサイクリングも前方を固め、追走に同調。先頭集団とのタイムギャップを縮めていく。
最終周を控える6周目。逃げグループでは、山岳ポイントを中井唯晶(シマノレーシング)が先頭通過。2周目に設けられた1回目の山岳ポイントを獲得しているため、この時点で山岳賞ジャージを決めた。
40秒遅れて最終周を迎えたメイン集団では愛三工業レーシングチーム、VC福岡らもメイン集団前方で展開していく。レース5kmを残すと、速度をあげたメイン集団が先頭6名を完全に吸収し、集団スプリントの展開へ。
残り500m地点を先頭で現れたのはチームブリヂストンサイクリングのトレイン。リードアウトを受けた窪木は最終コーナーを先頭で抜けると抜群の加速。番手につけたネイサン・アール(チーム右京)も寄せ付けない。2日前には競輪でも勝っている窪木が余裕を持って両手を掲げ、ステージ優勝を果たした。
ステージ優勝に加えて個人総合時間賞も獲得した窪木は「逃げ続けた兒島選手でも勝負を任せることができたと思うので、後方で落ち着いてスプリントに備えることができた。明日からのレースも厳しいものになると思うが、毎ステージチームとして1勝を積み重ねたい」と語った。
翌28日、第2ステージは熊野名物の丸山千枚田が2回、札立峠が1回登場する日本屈指の山岳コースとなる。個人総合争いにおいて大きなウエイトを占めるクイーンステージ。ステージ順位がそのまま反映される可能性が高く、総合成績を狙う選手たちの動きに注目が集まる。
ステージ優勝、個人総合時間賞 窪木一茂 コメント
「兒島選手が逃げに乗ったのは作戦でした。あのまま逃げ切っても十分スプリントできるし、チームとして勝てる選手が多かったけれど、今日はたまたま最後任せてもらえました。勝ち切ることが大事だったので、自分が行けるタイミングでスプリントしました。
以前、和歌山に住んでいたこともあり、その時の知人が会場に足を運んでくれていたので、今日優勝できて本当に良かったです。コロナの影響で有観客で走れなかったけど、しっかり今回開催できたおかげで日頃の練習の成果を見せることができました。
残り2日間もみんなで良いレースにして、ジャージを守れるように頑張りたいです。明日もチーム一丸となって良いレースができればと思っています」
ツール・ド・熊野2022 第1ステージ結果
1 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)2:31’17”
2 ネイサン・アール(チーム右京)ST
3 織田 聖(EFエデュケーション・NIPPO デヴェロップメント)
4 畑中勇介(キナンレーシングチーム)
5 レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ)
6 岡 篤志(EFエデュケーション・NIPPO デヴェロップメント)
7 岡本 隼 (愛三工業レーシングチーム)
8 孫崎大樹(スパークルおおいたレーシングチーム)
9 香山飛龍(弱虫ペダルサイクリングチーム) st
10 小野寺 玲 (宇都宮ブリッツェン)
個人総合成績
1 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)2:31’07”
2 ネイサン・アール(チーム右京)+0’04”
3 織田 聖(EFエデュケーション・NIPPO デヴェロップメント)+0’06”
4 フランシスコ・マンセボ・ペレス(マトリックスパワータグ)+0’07”
5 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)+0’08”
6 小林 海(マトリックスパワータグ)+0’09”
7 畑中勇介(キナンレーシングチーム)+0’10”
8 レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ)ST
9 岡 篤志(EFエデュケーション・NIPPO デヴェロップメント)
10 岡本 隼 (愛三工業レーシングチーム)
ポイント賞
窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)25pt
山岳賞
中井唯晶(シマノレーシング)2pt
U23賞
香山飛龍(弱虫ペダルサイクリングチーム)
チーム総合成績
愛三工業レーシングチーム 7:33’51”
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- TEXT:The Syunsuke FUKUMITSU Photo:TOUR de KUMANO 2022
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