筋トレは週1〜2回がベスト!? 現状を把握しながらレベルを上げよう|サイクリストの筋トレ
Bicycle Club編集部
- 2022年06月17日
最近、筋トレに取り組むサイクリストが増えてきている。筋トレは競技パフォーマンスの向上だけでなく、ペダリング動作の最適化や痛み予防などにも効果があることが証明されている。とはいえ、普段の自転車トレーニングのなかに筋トレ時間をどのように加えたらよいのだろうか。効果的に体づくりを行うための長期的なレベルアップのヒントを伊藤コーチにアドバイスしてもらう。
INDEX
自転車+筋トレを定着させよう
忙しい日々のなかで自転車に乗るトレーニング時間を捻出しているサラリーマンレーサーにとって、これまでトレーニング時間に加えて筋トレを行う時間の確保は難しく感じるかもしれない。
「たしかに筋トレをする時間があれば、少しでも自転車に乗りたいと思うのは自然です。でも筋トレは毎日やる必要はありません。1回15分程度、週1〜2回と思えば取り組める気がしませんか?」(伊藤コーチ)
サイクリストのための筋トレは、動きを確認しながら柔軟性と筋力を徐々に高めていくため、自転車トレーニングとセットで行うと効果的だ。
「そこで大切なのが、トレーニングの転移です。柔軟性や筋力はただ向上しただけですぐにパフォーマンスにつながるわけではありません。向上したフィットネスにスキルを合わせなくてはいけません。筋トレで正しい体の動かし方を覚えたうえで、自転車の上で再現できるようにしましょう。がむしゃらに走るのではなく、動かした筋肉がどのようなタイミングで、どのような動きとして使われるのかを、負荷やケイデンスを調整しながら確認していくなかで、バイクの上でのスキルに落とし込んでいきましょう」
一週間のトレーニングメニュー例
筋トレは週1〜2回でOK!
筋疲労を考慮して筋トレは週1〜2回が適切。自転車をこぐ動作と筋トレの動作とでは、同じ筋肉を使用するとしても筋収縮と負荷のかかり方が違い、筋トレのほうが筋の微細な損傷が発生するため回復に時間を要する。このため、ケガをせずに的確な効果を得るためには、中2〜3日の休みを入れたい。そして、筋トレはあくまでも自転車をこぐ上で目標の達成をサポートするための手段で、自転車をこぐことが優先だ。
1カ月〜6カ月までの長期フェーズ
アセスメントで現状把握しながら
コンディショニングからストレングスへ移行させる
自転車トレーニング同様に筋トレは月単位で長期的な計画を立てることが大事だ。3カ月、半年先の目標に向けて段階的にトレーニングを実行していきたい。コンディショニングのフェーズは、1カ月ごとにアセスメントを実施し、現状のフィットネスレベルをチェックしよう。その結果を踏まえて、ストレングスのフェーズへ移行すべきか判断する。ストレングスメニューは1つのパートに最低2カ月間は取り組みたい。
コンディショニング(柔軟性向上)フェーズ
クリアできたら、ストレングスのフェーズへ。クリアできなかったら柔軟性向上のフェーズを繰り返す(最大3カ月間)
ストレングス(筋力向上)フェーズ
▼アセスメントチェックはこちらの記事をチェックしよう。
教えてくれた人
Personal & Cycle STUDIO i
伊藤 透さん
自転車を専門にするパーソナルトレーナー。名古屋市内でトレーニングジムを運営するパーソナルサイクルスタジオアイ代表。最先端の知識をもとにした科学的アプローチには定評がある。自身も20代のころに海外ロードレース活動の経験をもつ。2020シーズンから、実業団ロードレースチーム「TEAM ORCA」を立ち上げJBCFに参戦。安全走行スキルを学べる星が丘サイクリングスクールも主催。
https://cyclestudioi.com
※この記事はBiCYCLE CLUB[2021年1月号 No.431]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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