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U23全日本チャンピオンのタイトルは仮屋和駿(キナンレーシングチーム)の手に!

6月23日から26日にかけて広島県三原市にある広島県中央森林公園のサイクリングコースでロードレースの全日本選手権が開催。競技2日目となる25日は「第90回全日本自転車競技選手権大会ロード・レース」の男子U23カテゴリのレースが開催された。

レースは残り2周で形成された7名の先頭集団から、最終周回の展望所への上りでアタックを仕掛けた仮屋和駿(キナンレーシングチーム)が2kmを独走で走り抜け、男子U23の全日本チャンピオンに輝いた。

また、この日は女子のレースも開催が予定されていたが、既報のとおり日本自転車競技連盟が開催を見送ったため、この日は男子U23のレースのみ開催という形となった。

開催の可能性を信じて現地入りした選手もおり、「このために準備をしてきたので、延期になったからといってもう一度コンディションを整えられるかは分からない」「これが最後の全日本になる選手もいたので、今回中止となったことは非常に残念です」といった声も現地ではあった。

全日本選手権という日本一を決めるレースで日本一を狙う女子選手の夢は今回残念ながらかなわなかった。

序盤に形成された4名の逃げ集団

6月23日から広島県三原市にある広島県中央森林公園のサイクリングコースで開催されているロードレースの全日本選手権は、25日に競技2日目を迎え、「第90回全日本自転車競技選手権大会ロード・レース」(以下、全日本ロード)として男子U23のレースが開催された。

雨模様の予報もある中、曇り空から晴天というコンディションの中でレースは開催。
都心では38℃を記録し記録的な猛暑となったようだが、現地でも30℃を超える気温となり、非常に暑い中でのレースとなった。

スタートラインには119名の選手が並び、前日の個人タイムトライアルを制した留目夕陽(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)を先頭に、10周回123.0kmのレースが8時にスタートが切られた。

1周目から集団内では散発的なアタックがかかるがなかなかタイム差が開かず、レースが落ち着いたのは2周目に入ってから。2周目に以下の4名が抜け出すと、集団とのタイム差は30秒まで開く。

  • 長川達哉(エカーズ)
  • 馬場慎也(鹿屋体育大学)
  • 松原颯祐 (日本体育大学)
  • 中島 渉(弱虫ペダルサイクリングチーム)

さらに渡邊諒馬(VC福岡)や篠﨑蒼平(東京大学)らがブリッジを仕掛けるも、この動きは容認されず、4名以外はメイン集団に吸収される。

中盤での寺田・山田という2名の優勝候補による逃げ

4周目には4名とメイン集団のタイム差が1分15秒まで広がり、このまま後半までレースが落ち着くかと思われたが、5周目には45秒まで縮まり、6周目には吸収される。一方メイン集団内でもタイム差が縮まり始めたタイミングでアタックを仕掛ける選手が出始める。

4名が吸収されると今度は寺田吉騎(アジアサイクリングアカデミー)らがアタックを仕掛け、6名の逃げ集団を形成。さらに7周目には6名から寺田と山田拓海(早稲田大学)が抜け出し、2名で先行。

寺田は昨年の同大会で3位に入っており、山田もJCF(日本自転車競技連盟)の強化指定選手に選ばれている、まさに本命の2名が抜け出す形となった。

残り2周でメンバーがシャッフルされた先頭集団

仮屋も自らブリッジを仕掛ける

寺田、山田とメイン集団のタイム差は8周目に入るタイミングで1分10秒まで広がる。

U23では組織的な追走という動きはあまり起きないため、このままレースが決まってしまうかと思われたが、8周目の展望所への上りで数名の選手がアタックを仕掛け、9周目で6名の選手が先頭に合流。

一方で寺田が先頭から脱落し、以下の7名が先頭に。

  • 岩田聖矢/香山飛龍(弱虫ペダルサイクリングチーム)
  • 仮屋和駿(キナンレーシングチーム)
  • 川崎三織(エカーズ)
  • 平井杏周(関西大学)
  • 吉田圭吾(京都産業大学)
  • 山田拓海(早稲田大学)

最終周回である10周目に入るタイミングでメイン集団とは約50秒にまで差は広がり、勝負はこの7名に絞られる形となった。

残り3kmでアタックした仮屋が全日本のタイトルを獲得

唯一2名の選手を先頭集団に送り込んだ弱虫ペダルサイクリングチームは、2名の選手が交互にアタックする形で先頭集団を揺さぶる。決定的な動きとはならない中、最後の仕掛けどころである展望所への上りで仮屋がアタックすると後続とのタイムギャップが生まれる。

下り区間に入っても弱虫ペダルサイクリングチームの岩田や香山が追い付くことができない。ホームストレートに仮屋が姿を見せると、後続とは差が開いているように見える。仮屋は後ろを振り返って追い付かれないことを確認すると両手を広げ、喜びを爆発させる。

約3kmを独走で走り抜けた仮屋がU23の全日本チャンピオンの座についた。

新チャンピオン・仮屋和駿(キナンレーシングチーム)のコメント

「まだ実感がわかなくて、本当に(チャンピオンジャージを)着てるのかという感じなんですが」と戸惑いを見せる仮屋だが、「展開も自分なりに冷静に考えて、(先頭集団には)強い選手がいましたが、自分の勝てるところを見極めて思い切っていきました」と冷静に判断して勝利をつかんだという。

仮屋は「力のある選手が多いので、後半勝負だと考えていました。途中逃げの2名とのタイム差が1分ぐらいになったタイミングで集団内ではけん制状態になってしまって、展望所の上りで追走しようと前に出たタイミングで5~6人の選手が一緒に来てくれたのでこのメンバーで思い切っていきました。先頭に追いついてからは最後まで逃げ切るつもりで周りに声をかけていました」と自らレースを動かしたと語り、「(逃げ切り確信のタイミングについては)最後まで(タイム差が)1分弱で安心はできなったですが、最後の上りに入ったタイミングで前での勝負になるかなと感じました。特にけん制も入らずローテーションも回っていたので、このメンバーの中で勝つプランを考えたという感じです」と最後まで安心はしていなかったと語る。

弱虫ペダルの2名が最終周回の展望所への上りで波状攻撃を繰り返していた点については、「2人で攻撃を仕掛けてくるのは分かっていたので、うまく見極めながら、ここぞというタイミングでアタックしました」と仮屋は語り、改めて冷静な判断ができていた模様。

「大学4年でまだインカレもあり、JCLやUCIレースもあるので、U23全日本チャンピオンとして積極的な走りができればと思います」と仮屋は今後の目標を語ってくれた。

先頭集団でレースを動かし続けた弱虫ペダルサイクリングチームの香山飛龍と岩田聖矢のコメント

3位の香山飛龍(弱虫ペダルサイクリングチーム)

前日の個人TTに続いて3位に入った香山飛龍(弱虫ペダルサイクリングチーム)は「去年の経験から全部のアタックに反応することができないのは分かっていたので、自分が動くときはこれで決めるという思いでアタックしていました。今回は前に寺田君たちがいる状況での追走で、後ろから自分のチームの選手が追走してくるとは思っていなかったんですが、結果として前で動ける岩田が来てくれました。お互いの足を引っ張るようなことだけはしないということだけを決めていて、それ以外は何も、エースすら決めていませんでした」と終盤での勝ち逃げに乗ったときの状況を語る。

前半は中島選手が、中盤でのアタックにも五十嵐選手が追走をかけるなど、レース全体を通して展開を作ったというチームの視点でレースを振り返ってもらうと、「チャンスをしっかりとつかむためにアタックする、各々がしっかりと考えて動いた結果、後手に回らないというか今回の展開になったと思います」と香山は語る。

ジュニア時代から世代トップクラスの実績を残してきた香山だが、U23ではケガなどもあり思うような活動ができなかった時期が続いていた。そんな中でようやくU23最終年に成績が出せたという点を香山に問うと、「ケガや病気などいろんなトラブルがあったので、簡単にはいかないU23での選手生活だったんですが、入部さんをはじめチームからいろいろなアドバイスをもらいながら切磋琢磨をし、今回の全日本選手権では100%以上で挑むと決めていました。今回勝つことはできず自分の力不足を感じましたが、目標から逆算してどうすれば目標が達成できるか真剣に考えて集中してやった結果表彰台に立つことができたので、自分がやってきたことは間違ってなかったと思います」と香山は振り返る。

来年以降エリートでも選手生活を継続する香山は「U23は難しい期間になってしまいましたが、エリートでは倍返しするつもりで焦らず、でも着実にステップアップして良い選手になれればと思います」と来年以降の抱負を語った。

2位となった岩田聖矢(弱虫ペダルサイクリングチーム)

一方、U23で1年目にも関わらず2位となった岩田聖矢(弱虫ペダルサイクリングチーム)は「うれしい気持ちもありますが、全日本選手権では1位と2位では本当に大きな差があり、1位を目指していたので悔しい気持ちもあります」と、悔しさをにじませる。

「昨年は(JBCFの)E1で表彰台に乗るかどうかというレベルで、コロナ禍ということもあってメンタルにもきてしまっていました。さらに(一昨年)高校3年生のときには(新型コロナウイルスの影響で)インターハイもなくなってしまい、月に100km乗るかどうかという時期もあった中で、今年から弱虫ペダルサイクリングチームに加入し、入部さんたちもいる中で活動することで良い状態に持ってこれたというのは少し自信につながりました」と岩田は今回の結果を振り返る。

5月末に開催されたツール・ド・熊野で落車し、翌週に開催された学連のチームタイムトライアルでは正選手から外されるという悔しさも味わった岩田は「TOJのチーム内選考でも外されてしまって、熊野を目標に練習をしていた中での熊野での落車で、フレームも割れてしまって心が折れかけていたところではあったんですが、GMの佐藤さんがすぐにフレームを交換してくださったりとさまざまな協力をいただいたので、やらなければならないという思いでこの全日本選手権を走りました」とこの約1カ月間を振り返る。

学連では中央大学で選手活動を送る岩田は「次の目標は9月頭のインカレなので、そこに向けてまた合宿などで調子を上げられればと思います。また、来年は大学を休学して海外で選手活動をすることも考えています。来年の全日本選手権で勝つことも目標ですが、海外でも走れるような選手に早くなりたいと思っています。そのためにもフィジカルを鍛えられればと思います」と今後の目標を語ってくれた。

大本命だった留目夕陽(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)のコメント

このレースで大本命と目された留目夕陽(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)は「前半は動かずに、後半勝負を狙っていたんですが、弱虫ペダルやエカーズがアタックすると誰も追走にいかないという展開で、僕が自ら集団のペースを上げなければならない状況でした」とレースを振り返り、「追走をかけようとホームストレートや三段坂、下りでも踏んでみたんですが、集団を千切るまでには至りませんでした。自分の脚がなかったというか、ジュニアのときのように自分の展開に持ち込むことができませんでした。自分がアタックするとみんなついてくるけど、弱虫ペダルやエカーズの選手がアタックするとついていかないような展開で、マークされているようには感じました」と大本命ならではのレースの難しさを語る。

集団がついてきてもそのままペースを上げ続けるような戦略はなかったのか問うと、留目は「力のある少人数のグループで行きたかったので、集団のまま行くという選択肢は考えていませんでした。ただ、このコースは流れるようなコースで、ペースを上げても集団が縦に伸びるだけになってしまいました」と、あくまで少人数での逃げを狙っており、集団のままいくような展開は考えていなかったとのこと。

留目は仮屋らのブリッジに合わせることができなかった

「自分が集団を引いているタイミングで仮屋さんたちがアタックするような展開になってしまい、勝ち逃げをいかせてしまうような形になってしまいました」と判断ミスを悔やむ。

個人TTでは力の差を見せつける形となったが、ロードレースではそこまでの差はなかったように見受けられ、その点を質問すると留目は「個人TTほど差はなかったです、このコースは流れてしまうので。先週のJBCF東日本ロードクラシックが行われた修善寺(CSC)のようなコースであればもっと違った展開にできたのかなと思います」と回答。

それでもこれからの目標を改めて伺うと、「(7月以降は海外のレースを走る予定で)まずは同世代(U23)が走るレースを走る予定なので、世代トップの選手たちがどれくらい強いのか確認して、その選手たちと同じように走れるようになれればと思っています。最初はただただキツいと思いますが、頑張りたいと思います」と、国内だけでなく海外含めてトップ選手となる目標を留目は語ってくれた。

女子レース開催見送りについて

当初の予定では男子U23のレースに続いて女子エリート+U23のレースが開催されることとなっていた。
しかし既報のとおりJSAA(公益財団法人日本スポーツ仲裁機構)によるチームカー運用に関する仲裁結果を受け、JCFは個人ロードレースにおける女子エリート+U23の開催は見送ることを決定。開催に向けたさらなる申し立ても行われていたが、JSAAは棄却し、当該レースの開催は見送られ、全日本選手権という日本一を決めるレースで日本一を狙う女子選手の夢は今回残念ながらかなわなかった。

▼JSAAによる仲裁に関する詳細はこちら
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2022年06月24日

明日は全日本ロード最終日として男女マスターズ、そして男子エリートの個人ロードレースが開催される。
注目の男子エリートは11時にスタート予定で、117名の選手により12.3kmのコースを15周する184.5kmのレースで全日本チャンピオンのタイトルが争われる。

リザルト

男子U23(123.0km)

1位:仮屋和駿(キナンレーシングチーム) 3時間6分12秒
2位:岩田聖矢(弱虫ペダルサイクリングチーム) +11秒
3位:香山飛龍(弱虫ペダルサイクリングチーム) +14秒
4位:平井杏周(関西大学) +15秒
5位:山田拓海(早稲田大学) +21秒
6位:川崎三織(エカーズ) +30秒

▼現在開催中の全日本選手権ロードの詳細はこちらから

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2022年06月23日

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