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雨のコペンハーゲン 開幕の個人タイムトライアルはランパールトが涙の勝利|ツール・ド・フランス

世界最大の自転車ロードレース、ツール・ド・フランスの2022年大会が現地7月1日に幕を開けた。第1ステージは13.2kmの個人タイムトライアルで争われ、トップタイムをマークしたのはイヴ・ランパールト(クイックステップ・アルファヴィニル、ベルギー)。強い雨でウェットな路面下で、2位以下に5秒以上のタイム差をつける快勝だった。

雨のコーナーを攻めたランパールトがワウトに5秒差をつける

ツール・ド・フランスは6月29日のチームプレゼンテーションから1日おいて、レースがスタートを切った。初の北欧開催として、今年の開幕地となったデンマーク・コペンハーゲン。当初は2020年に行われる予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大によって開幕地としての実施を先送りにした経緯がある。昨年も東京五輪やサッカー・ヨーロッパ選手権(EURO)の開催が控えていたことから、ツールを迎えるのは2年越しである。

満を持してのツール開催。近年はデンマーク人選手の活躍が光っているほか、コペンハーゲンは「世界一の自転車都市」として世界的な評価を得ていることから、開幕前から街を挙げての盛り上がり。過去2年は新型コロナ対策が徹底された大会だが、今年はアフターコロナの動きが高まっており、ほぼコロナ前のシステムに戻った印象だ。その何よりの証拠が、沿道を埋め尽くしたファンの姿だ。

©︎ A.S.O./Pauline Ballet

今大会最初のレースは、13.2kmの個人タイムトライアル。自転車都市コペンハーゲンが誇るクイーンルーズ橋を走り、リトルマーメイド像やチボリ公園といった名所を巡るルート。街の中心部を走るコース設定は、コーナーこそ多いが、TT巧者が上位を占めることが予想されていた。

ただ、その見立てを大きく揺るがす要素が雨だった。前日の予報ではレース開始後の降雨と言われていたこともあり、各チームのエースクラスやTTスペシャリストはおおむね前半の時間帯にスタートすることを選択。なかでも、バウケ・モレマ(トレック・セガフレード、オランダ)やマチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク、オランダ)、個人総合優勝候補の1人であるプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)は、チーム一番手での出走。それも関係して、早い時間帯から高水準の戦いとなった。

©︎ A.S.O./Charly Lopez

ジェレミー・ルクロック(B&Bホテルズ・カテエム、フランス)が全体のトップでコースへと繰り出し、ツール2022がついにスタート。前述のとおり、有力選手が早々に登場したことから、好タイムが次々と生まれた。

まずモレマが6.7km地点の中間計測ポイントを7分31秒で走り、その勢いのままフィニッシュへ。15分34秒で走って、続く選手たちの基準タイムとなる。

同じくチームのトップバッターとしてスタートしたファンデルプールも好走。中間計測をモレマと同タイムでクリアすると、後半にペースを上げてフィニッシュタイムを4秒更新。暫定ながらもトップに立った。

レース1時間半前から降り始めた雨は、各チーム一番手の選手が走っている間に強さが増す。ユンボ・ヴィスマの先鋒、全体21番目で飛び出したログリッチはこの難しい条件下でも遅れを最小限にとどめ、ファンデルプールから3秒差で終えている。

地元デンマーク期待のマッズ・ピーダスン(トレック・セガフレード)はファンデルプールから2秒差。総合系ライダーでは、アレクサンドル・ウラソフ(ボーラ・ハンスグローエ)が18秒、ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)が12秒と、大きく遅れることなくまとめてみせた。

デンマーク国民の希望を一身に背負ってスタートを切ったのは、ヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ)。前回大会で個人総合2位、今年もその走りが期待される25歳は、中間計測では5秒差だったが、後半にペースを上げて遅れを2秒にとどめた。総合成績を見据えるうえでは上々のスタートだ。

暫定トップの選手が座るホットシートにしばし位置したファンデルプールだったが、やはり戦前から有力視されていた選手たちが流れを変えた。全体64~66番出走に今大会の注目どころが集結。64番目にコースへ繰り出したのはフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ、イタリア)。続いてワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)、そして大会3連覇がかかるタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)。

ガンナは中間計測を2秒差で通過すると、得意の後半で一気にペースアップ。途中のコーナーでタイヤを滑らせるシーンもあったが、トラブルを回避してフィニッシュへやってきた。結果は、ファンデルプールのタイムを2秒更新。ここで均衡が破られた。

©︎ A.S.O./Charly Lopez

それを上回る勢いを見せたのはファンアールト。中間計測からガンナを上回る数字を出すと、テクニカルなコーナーもうまくクリアしてハイスピードを維持。フィニッシュではガンナの記録を5秒更新して、あっという間のトップ交代。

©︎ A.S.O./Pauline Ballet

ポガチャルはファンアールトまでは届かずも、ガンナのタイムからは3秒早く、この時点で暫定2位。総合系ライダーでは実質一番時計とした。

その後はファンアールトらに迫る選手がしばらく現れず、クリストフ・ラポルト(ユンボ・ヴィスマ、フランス)が中間計測でトップタイムを出したものの、コース後半のコーナーで落車し、上位争いから脱落。

前半スタート組が上位を固めるかに思われた中、情勢を一変させたのは105番目にスタートしたランパールトだった。中間計測ではトップから5秒差だったが、多くの選手が慎重に走ったコース後半を攻めて、一気に上位争いへと加わる。その勢いは最後まで衰えることなくフィニッシュまで到達。そのタイム、15分17秒。降雨かつテクニカルなコース設定にあって、アベレージスピードは51.821km。直線の速度こそファンアールトに及ばなかったが、コーナースピードで他選手を圧倒した。

©Tim De Waele / Getty Images

それからは新たにタイムを更新する選手は現れず。31歳のランパールトが、ツール出場3回目にして初のステージ優勝。大会初日の勝利で、自身初となるマイヨジョーヌまで手に。レース後には人目をはばからず涙し、ポディウムではイエローのスペシャルジャージに袖を通した。

最終的に、ファンアールトがランパールトから5秒差の2位、ポガチャルが同じく7秒差の3位。総合系ライダーではポガチャルに続き、ヴィンゲゴーが15秒差の7位、ログリッチが16秒差の8位。大会初日から、ポガチャルが最終的なマイヨジョーヌ争いのポールポジションに立っている。

華やかに開幕したツール。デンマークでのステージが続き、第2ステージからはコペンハーゲンを離れて西へと針路をとる。翌2日はロスキレからニュボーまでの202.2kmに設定される。平坦にカテゴライズされるが、レース終盤に待ち受けるデンマーク最大の橋「グレートベルト・リンク」が何かを引き起こすとみられる。全長18kmで、海からの風によってプロトンを崩壊させる可能性が高く、各チームがどのように対応するのか見ものだ。

ステージ優勝、個人総合首位 イヴ・ランパールト コメント

©︎ A.S.O./Pauline Ballet

「本当に信じられない。こんな結果になるとは思いもしなかったし、どのようにして勝ちに結びついたのか理解すらできない。当初はトップ10入りできればよいと思っていたが、世界トップクラスのライダーたちに勝つことができた。私はベルギーの農家の息子でしかないし、こんなことが起きるなんて考えたこともなかった。心が爆発しそうだよ。

路面は濡れていたけど、コーナーで“イヴ、タイヤを信頼して攻めるんだ。そうしないとタイムを失うよ”と自分に言い聞かせた。その結果、2位に5秒差をつけることができた。ツールが終わったときに家族のもとに戻ったらこの勝利を実感できると思う。自分自身を誇りに思うし、ポディウムに立っている間はチームのこと、さらには(新型コロナ感染でメンバーから外れた)ティム・デクレルクについて考えていた。彼とは親友で、ここにいないことがとてもさみしい。この勝利に満足しているし、マイヨジョーヌに袖を通せたことを光栄に思っている」

ツール・ド・フランス2022 第1ステージ結果

ステージ結果

1 イヴ・ランパールト(クイックステップ・アルファヴィニル、ベルギー) 15’17″(Avg.51.821km)
2 ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)+0’05”
3 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)+0’07”
4 フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ、イタリア)+0’10”
5 マチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク、オランダ)+0’13”
6 マッズ・ピーダスン(トレック・セガフレード、デンマーク)+0’15”
7 ヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ、デンマーク)ST
8 プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)+0’16”
9 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード、オランダ)+0’17”
10 ディラン・トゥーンス(バーレーン・ヴィクトリアス、ベルギー)+0’20”

個人総合時間賞(マイヨジョーヌ)

1 イヴ・ランパールト(クイックステップ・アルファヴィニル、ベルギー) 15’17”
2 ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)+0’05”
3 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)+0’07”
4 フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ、イタリア)+0’10”
5 マチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク、オランダ)+0’13”
6 マッズ・ピーダスン(トレック・セガフレード、デンマーク)+0’15”
7 ヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ、デンマーク)ST
8 プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)+0’16”
9 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード、オランダ)+0’17”
10 ディラン・トゥーンス(バーレーン・ヴィクトリアス、ベルギー)+0’20”

ポイント賞(マイヨヴェール)

イヴ・ランパールト(クイックステップ・アルファヴィニル、ベルギー)

ヤングライダー賞(マイヨブラン)

タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)

チーム総合時間賞

ユンボ・ヴィスマ 46’27”

 

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ツール・ド・フランス2022の出場チーム・選手リストとコースプレビュー

ツール・ド・フランス2022の出場チーム・選手リストとコースプレビュー

2022年07月01日

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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