自転車のサドルによる痛みを軽減する方法3つ! 乗車姿勢から見直してみよう
FUNQスタッフ
- 2022年07月20日
自転車の上で過ごす時間が長くなっていくと必ず誰もが経験するサドルによるお尻の痛み。スポーツサイクルに乗り慣れてくると走る距離や時間はどんどんと延びていきますが、サドルが当たるお尻にはそれまでに経験のなかった痛みを感じるようになります。
そこで今回は、サイクリング時のサドル付近の痛みを軽減する方法を3つ、痛みの原因と共にご紹介します。ヒントをつかんでお尻の痛みから解放されましょう。
自転車のサドルでお尻が痛くなるのはなぜ?
自転車のサドルでお尻が痛くなるのはなぜでしょうか。スポーツサイクルのサドルはシティサイクルのそれとは違い、小さくて硬く、衝撃をあまり吸収しません。
自転車上にある体は、サドル・ペダル・ハンドルの3点で接し荷重を分散して支えていますが、上体が起き過ぎた状態でどっしりとサドルに座ると、荷重が坐骨に集中してしまいます。この坐骨付近にある筋肉への圧迫が原因で痛みや痺れが起こったり、逆に無理な前傾姿勢が尿道を圧迫して同様の症状につながることもあります。
またサドル形状そのものや幅が、そもそも骨盤にフィットしていない場合も痛みにつながりやすくなります。さらにカジュアルウエアのままの長時間サイクリングだと、地面→バイク(サドル)→お尻への衝撃が緩和されずに伝わり、痛みが出やすい状態になりやすいと言えます。
サドルまわりのお尻の痛みを改善する方法3つ
サドルまわりのお尻の痛みの原因は、乗車姿勢・服装・サドルとのフィッティングでした。ここからは自転車のサドルによる痛み解決法3選をご紹介します。
まずは乗車姿勢で痛みを解決!
お尻が痛いからといって即サドルを交換する前に、まずは乗車姿勢の変更で痛みを解決できないか試してみましょう。
サドルに荷重が一極集中すると当然お尻は痛くなります。前述したようにサドル(お尻)・ハンドル(手)・ペダル(足)の3点に荷重が分散するような乗車姿勢が理想です。
一般的に出力の高い効率的な乗り方になるにつれ、サドルにかかる荷重は小さくなり、減った分はハンドルとペダルに掛かるようになります。乗り慣れたサイクリストがお尻の痛みを訴えないのはこのような理由によるものです。
乗車姿勢は体幹や腹筋などの筋力によって個人差があります。まずは自分にとって違和感のない腰の角度で座りハンドルに手を置きます。無理に骨盤を立てたり、前に倒し過ぎたりしないことが重要です。自分の骨盤がどう倒れるのがニュートラルなのか日頃から意識しておくことも大切です。
スポーツバイクに乗り始めの頃は、ハンドルが高過ぎたりサドルが低過ぎる傾向にあり、結果として骨盤が極端に立ってしまいお尻に荷重が集中します。ある程度しっかりと前傾姿勢をとり、ハンドルとペダルにも荷重を乗せることが重要です。
また、サドルに座る位置も重要。サドル前方に座り過ぎると細い先端部分にのみお尻が当たることになり、圧迫されてしいます。またサドルの角度によっても適切な位置に座れない場合があります。極端な前下がり・前上がりなどは避け、なるべく平坦に近くしましょう。こうしたサドルのセッティングが乗車姿勢をつくるうえで非常に重要になります。
服装=サイクルパンツで痛みを解決!
もしまだカジュアルウエア=ふつうのズボン&パンツでライドしているのなら、一度専用のサイクルパンツを試してみてはいかがでしょうか。これで痛みを解決できる可能性は充分にあります。
自転車ライドに特化したサイクルパンツは、股間からその後部にかけてクッション性のあるパッドが取り付けられ、お尻への衝撃を軽減、痛みを緩和してくれます。繊維と皮膚の擦れや不快なムレも少なく、フィット感と伸縮性に優れているので、長距離ライドだけではなくちょっとしたサイクリングでも快適さが得られます。
サイクルパンツはレーサーパンツ、通称レーパンとも呼ばれ、肩ひもがあるビブタイプや、肩ひもがないショートタイプがあります。重ね着前提のカジュアルなインナータイプもブランドによっては展開しています。
- ビブタイプ
肩ひも付きのタイプで、ウエスト部分の締め付けがないため腰回りの負担が少ない。一般的にはよりハードなスポーツライド向き。ただし着脱がやや面倒で、トイレなどで手間が掛かることも(肩ひもがあるため上に着ているジャージも脱ぐ必要あり)。価格はやや高価。 - ショートタイプ
サッカーやバスケットボールの選手が履くスパッツに近いイメージで、サイクルパンツが初めてでも手軽に履ける。万人向けで価格は並。 - インナータイプ
それ一枚で完結する上記2つと異なり、普段着のズボンの下に重ねて履くパッド付きパンツ。体のラインが気になる方やピタッとしたサイクルパンツの見た目が恥ずかしいという人向け。上記2つに比べるとややパッド効果は薄まるが、柔らかさはしっかり体感可能。価格はお手ごろ。
ゆるいサイズだとパッドが密着せずライド中にズレてしまう可能性があるので、体にぴったりとフィットして生地に余りやヨレが出ないサイズを選びましょう。基本的に普段着と同じサイズで問題ありませんが、ブランドにより微妙にサイズは異なるので、購入前にはショップスタッフさんと相談してみましょう。
Pearl Izumi(パールイズミ)/コールド シェイド ビブ パンツ T220-3DR
お腹を締め付けないビブタイプのサイクルパンツ。パッドには3層構造のクッション圧でオールラウンドに活躍する「3D-アール」を装備しています。UVカットと太陽光を遮断してパンツ内の温度上昇を抑える「コールドシェイド」という素材が採用されています。 Amazonで見る
Pearl Izumi(パールイズミ)/メガメッシュインナーパンツ 156MEGA
クッション性に優れ、お尻が痛くなりにくい極厚パッド「3D-メガ」を搭載したインナーパンツです。
Santic(サンティック)/レディース サイクルパンツ
女性のための専用設計の抗菌スポンジパッド、4Dサイクルパッドを搭載したサイクルパンツ。肩ひものないショートタイプなのでスムーズに着脱でき蒸れも少なめです。
サドルの交換で痛みを解決!
乗車姿勢やポジションを見直し、服装もサイクルパンツに変えてみたもののそれでもまだお尻が痛いという場合は、サドルの交換で痛みを解決できるかもしれません。
サドルにはさまざま形状やサイズがあり、各部位の要素が組み合わさって構成されます。下記にサドルの要素をいくつか分けてみました。
- 反りの有無
サドルの先端から後端まで平ら(フラット)か、後方に向かい反り上がる(ウェーブ)かの違い。フラットは走行中痛みを感じる場合などに着座位置を変えやすいことが特徴。ウェーブは着座位置がほぼ一定になるが、お尻と接する面積が大きいため荷重が分散しやすい。 - 座面の形状
サドルの左右において、お尻に接する部分が丸み(ラウンド)を帯びているか、平ら(フラット)か、またはその中間的なのかの違い。フラットは着座位置を変えやすく自由度は高いですが坐骨を点で支えるため痛みを感じやすい傾向にある。ラウンドは着座位置の自由度は制限されるが、乗車姿勢は安定。ただし骨盤のやや内側が接するので尿道や股間部分への圧迫がある場合もある。 - 横幅の広狭
荷重の安定と分散に大きく影響。広ければ当然接して荷重が分散する面積は増えるが、ムダに広いとペダリングのしにくさにつながることも。サドル幅は坐骨幅に対して+20mm以上が目安とされる。自分の座骨幅はショップで測ってもらうか、あるいは自分で簡易的に測る方法もある。 - センター部分の穴の有無
尿道や股間部分への圧迫を避けるためにサドルセンターに穴や溝があるモデル。ただし、その分の荷重は他の接触部位に分散されることになる。 - パッドの厚み
クッション性に大きく影響する。内部は主にウレタンフォームやEVAフォームなどの素材でできているが、よりソフトでお尻に優しいゲル入りタイプもある。
セライタリア(SELLA ITALIA)/SPORT Gel FeC BLK FLOW
穴あきでゲルの入ったイタリアンコンフォートサドル。パッドも厚めで快適性に特化したモデルです。
フィジーク(Fizik)/TEMPO ARGO R5 S-Alloyレール
高い安定性と優れた重量配分を提供するように設計されたショートノーズ(先端が短めにカットされている)サドルで、同社のレーシングサドルより柔らかいフォームを使用していて快適性に優れています。
セラSMP(SELLE SMP)/HYBRID
特徴的なウエーブ形状が目を引くイタリアンメーカーのSMP。その形状のままパッドを厚くしてクッション性を向上したコンフォートモデルです。
ゴリックス(GORIX)/コンフォートサドル GX-C19
厚手の低反発クッション素材でふっくら柔らかいサドルです。穴あきタイプなので股間部分への圧迫感を和らげ、お尻の痛みも軽減してくれます。
サドルによる痛みを解決して楽しい自転車生活を!
楽しいはずのサイクリングですが、お尻が痛いと本当につらくてバイク乗ることが嫌になってしまいます。まずは正しい乗車姿勢を知り、ひとつひとつその要因を消去していけば必ずお尻の痛みからは解放されるはずです。
特に荷重の分散と骨盤の角度・サドルの選び方はぜひ取り入れてみてください。原因と対策を知り痛みを解決して楽しい自転車生活を送りましょう。
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