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コルトが大激戦を制して勝利! ポガチャルは首位を維持|ツール・ド・フランス

ツール・ド・フランスは第2週の戦いへ。アルプス山脈へと足を踏み入れる第10ステージは、最大で25人まで膨らんだ先頭グループがそのまま逃げ切り。最後は10選手がなだれ込む格好となり、マグナス・コルト(EFエデュケーション・イージーポスト、デンマーク)とニック・シュルツ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、オーストラリア)が並ぶようにしてフィニッシュ。写真判定の末、コルトの勝利となった。個人総合首位に立つタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)を含んだメイン集団は逃げを容認し、854秒差でフィニッシュ。マイヨジョーヌはきっちりキープしている。

最後の急坂で加速。開幕からの活躍が実るステージ勝利

初の北欧開催となったデンマークでの3ステージ、パヴェ、グラベル……と、話題に満ちた第1週を経て、大会は中盤戦へと入っていく。711日は今大会1回目の休息日(74日は移動日という扱い)に充てられ、選手たちは軽めのライドや取材対応などに1日を使った。

©A.S.O. / Pauline Ballet

12日に行われた第10ステージは、モルジヌ・レ・ポルテ・デュ・ソレイユからメジェーヴまでの148.1km。アルプス山脈での3連戦の初日にあたるが、このステージには上級山岳は登場しない。強いて挙げるなら、最後がメジェーヴ空港を目指しての19.2kmと長めの上りであることか。フィニッシュ前が7.1%と最も急勾配。結果的に、最後の最後にやってくるこの区間で運命が分かれることになる。

レースを前に、ケガや故障を抱えていたベン・オコーナー(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、オーストラリア)とアレクシス・ヴィエルモ(トタルエナジーズ、フランス)、新型コロナウイルス陽性が確認されたジョージ・ベネット(UAEチームエミレーツ、ニュージーランド)とルーク・ダーブリッジ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、オーストラリア)が出走を取りやめ。UAEチームエミレーツとしては、ポガチャルを支える参謀がまた1人減り、6選手で先のステージを戦うことになった。

リアルスタートからしばらくは下り基調で、プロトン全体がハイペース。逃げ狙いのアタックはどれも決まらないまま、最初の1時間が過ぎる。

©A.S.O. / Pauline Ballet

均衡が破られたのは残り100kmを切った直後。ディラン・ファンバーレ(イネオス・グレナディアーズ、オランダ)のアタックに追随した選手たちがそのままパックを形成し、やがて先頭グループに。全体が落ち着いた段階で、先頭は25人のグループとなる。このうち個人総合の最上位は、ポガチャルから843秒差の21位につけるレナード・ケムナ(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)。

©A.S.O. / Pauline Ballet

それからはメイン集団のコントロールをリーダーチームのUAEチームエミレーツが担い、淡々とレースを進行。先を急ぐ先頭グループとは対照的で、徐々にタイム差は拡大。残り50km633秒差。少しずつ逃げメンバーからのステージ優勝の可能性が色濃くなってくる。

逃げ切りにかけてハイペースで進む先頭グループでは、4級の上りで動いたピエール・ロラン(B&Bホテルズ・カテエム、フランス)とフレッド・ライト(バーレーン・ヴィクトリアス、イギリス)が一時的に抜け出す。これはすぐにキャッチされたが、代わってアルベルト・ベッティオル(EFエデュケーション・イージーポスト、イタリア)が単独でアタック。そのまま30秒程度の差をキープして独走態勢に入った。

©A.S.O. / Pauline Ballet

その矢先、コース上でトラブルが発生。レース実施を阻止しようとするデモ隊が進路を封鎖。発煙筒がたかれる中をベッティオルは間一髪かわすが、これによりやむなくレース全体がブレイク。ニュートラル扱いとなり、コース上の安全が確保されるまで数十分ストップした。

仕切り直し後も20km以上ひとりで走り続けるベッティオルに対し、フィニッシュ地メジェーヴへの上りでは追走メンバーからライト、バンジャマン・トマ(コフィディス、フランス)、ゲオルク・ツィマーマン(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、ドイツ)が抜け出し、前を追う。残り11km3人がベッティオルに追いつき、さらに4人が合流。再びベッティオルがアタックし、これをツィマーマンがチェックするが、すぐに他選手も追いつく。残り10kmを切った時点で先頭に残ったのは11選手だった。

©A.S.O. / Pauline Ballet

さらにレースが動いたのは残り6km、ルイスレオン・サンチェス(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)が単独で飛び出すと、グループは牽制状態に。バーチャルマイヨジョーヌになっていたケムナがたびたび追走の意思を見せるが、他選手はそれに任せる構え。サンチェスとの差は30秒まで開いたが、残り2.2kmに置かれた2級山岳ポイントを目前にシュルツとマッテオ・ヨルゲンセン(モビスター チーム、アメリカ)が猛追。ポイント通過後に2人はサンチェスに追いついた。

3人の逃げ切りが見えかけるが、ファンバーレが残り1kmで追いつくと、その勢いのままアタック。これが決まらないまま、最後の直線へ。4人が牽制状態になったところで、追ってきていた5人が合流し、残り450m

一番に仕掛けたのはトマだったが、やがて失速。フィニッシュ前200mでサンチェスがスプリントを始めると、これに続いたのはシュルツとコルト。残り100mでシュルツがサンチェスをかわすが、フィニッシュ目前の急坂で猛攻に出たのがコルト。

©A.S.O. / Pauline Ballet

コルトとシュルツ、2人並んで通過したフィニッシュライン。両者とも勝利を確信できず結果発表を待ったが、写真判定によってコルトのステージ優勝が決定。精魂尽きて地面に倒れこんでいたが、勝ったことを知り大喜びで立ち上がった。

今大会は開幕のデンマークステージで連日のアタック。山岳ポイントを積み重ねてマイヨアポワを着たばかりか、走行中のパフォーマンスや明るい表情で自国デンマークのファンを魅了した。それからはマークが厳しくなったこともあり前線をうかがうチャンスを逸していたが、数日ぶりの逃げで大仕事。UCIレース通算で23勝目(コンチネンタルチーム所属時代も含む)、ツールでは2018年の第15ステージ以来の2勝目とした。

©A.S.O. / Pauline Ballet

EFエデュケーション・イージーポストはこの日の朝、スタート会場入りする際にチームバスが軽い事故を起こしてしまったが、逃げで魅せたコルトとベッティオルの存在感が光って、話題満載の1日になった。なお、ベッティオルはステージ敢闘賞に輝いている。

“別のレース”になったメイン集団は、UAEチームエミレーツのコントロールを軸に、終盤にはユンボ・ヴィスマも前を固めた。最後の直線でマイヨジョーヌのポガチャルがスプリントに出たが、前々日のステージ同様に個人総合2位のヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ、デンマーク)が真っ先に反応。他の総合系ライダーもしっかりと続いて、同タイムフィニッシュ。ステージ10位だったケムナにマイヨジョーヌがわたる可能性が一時は高まったが、結果的にポガチャルがキープをしている。

©A.S.O. / Pauline Ballet

これらの結果から、ポガチャルに続いてケムナが総合タイム差11秒で2位に急浮上。19ランクアップさせている。その他上位陣はヴィンゲゴー以下、順位は1つ落としたもののポガチャルとの総合タイム差は変わっていない。

13日に行う第11ステージから、アルプスでの山岳決戦は本格化。アルベールビルからコル・ドゥ・グラノン・セッレ=シェヴァリエまでの151.7kmでは、中盤にツールおなじみのテレグラフ峠(登坂距離11.9km、平均勾配7.1%)を越えて、これまた名峰の超級山岳ガリビエ峠(17.7km6.9%)、そして最後に待つの超級山岳コル・ドゥ・グラノン(11.3km9.2%)と上っていく。レース中盤以降にやってくる上級山岳から、マイヨジョーヌ争いの形成がはっきりとしそうだ。

ステージ優勝 マグナス・コルト コメント

©A.S.O. / Pauline Ballet

「今日起きたことは本当に信じられない。最後の上りで限界に達していたので勝てるとは思わなかった。一緒に逃げたベッティオルがとても強く、長い時間独走してくれたおかげでエネルギーを消費せずに済んだ。最後の1kmは何度か後ろに下がりそうになったが、何とか前に残ることができた。

私のようなタイプのライダーにとっては、この勝利ほど大きなものはない。世界最大のレースで、これまでも勝利を求めてきた。それもキャリアで2勝目なので、自分でもすごいことだと思っている。

スプリントではしっかり前が見えていて、ツール・ド・フランスのアーチが目に入った時に“これは勝った!”と思った。」

マイヨジョーヌ、マイヨブラン タデイ・ポガチャル コメント

©A.S.O. / Pauline Ballet

「今日はまったくストレスがなかった。レース全体をコントロールでき、脚の状態も良かった。これから待つアルプスのタフなステージへ、マイヨジョーヌで挑めることをうれしく思っている。

レナード・ケムナは尊敬すべきライダーで、実力も当然ながら山岳逃げに関しては世界最高のスペシャリストだと思う。今日は彼にマイヨジョーヌのチャンスがあることは分かっていた。ただ、最後の上りですべてのチームが位置取りを始めて、自然とペースが上がった。それが結果として私のマイヨジョーヌ保持につながったのだと思う。

チームメートを失うことはとても残念。ジョージ(ベネット)が帰宅すると知りとても悲しかった。みんなここに残れることを望んでいるし、モチベーションが高いので勝利に向けて戦い続けたい」

ツール・ド・フランス2022 第10ステージ結果

ステージ結果

1 マグナス・コルト(EFエデュケーション・イージーポスト、デンマーク) 3:18’50”
2 ニック・シュルツ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、オーストラリア)ST
3 ルイスレオン・サンチェス(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)+0’07”
4 マッテオ・ヨルゲンセン(モビスター チーム、アメリカ)+0’08”
5 ディラン・ファンバーレ(イネオス・グレナディアーズ、オランダ)+0’10”
6 ゲオルク・ツィマーマン(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、ドイツ)+0’15”
7 バンジャマン・トマ(コフィディス、フランス)+0’18”
8 アンドレアス・レックネスン(チーム ディーエスエム、ノルウェー)+0’20”
9 フレッド・ライト(バーレーン・ヴィクトリアス、イギリス)+0’22”
10 レナード・ケムナ(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)ST

個人総合時間賞(マイヨジョーヌ)

1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア) 37:11’28”
2 レナード・ケムナ(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)+0’11”
3 ヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ、デンマーク)+0’39”
4 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+1’17”
5 アダム・イェーツ(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+1’25”
6 ダヴィド・ゴデュ(グルパマ・エフデジ、フランス)+1’38”
7 ロマン・バルデ(チーム ディーエスエム、フランス)+1’39”
8 トーマス・ピドコック(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+1’46”
9 エンリク・マス(モビスター チーム、スペイン)+1’50”
10 ルイスレオン・サンチェス(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)ST

ポイント賞(マイヨヴェール)

ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)

山岳賞(マイヨアポワ)

シモン・ゲシュケ(コフィディス、ドイツ)

ヤングライダー賞(マイヨブラン)

タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)

チーム総合時間賞

イネオス・グレナディアーズ 111:29’14”

 

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ツール・ド・フランス2022の出場チーム・選手リストとコースプレビュー

ツール・ド・フランス2022の出場チーム・選手リストとコースプレビュー

2022年07月01日

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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