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3年ぶりに乗鞍ヒルクライムが開催、男子は金子宗平、女子は佐野 歩が優勝

8月28日(日)、アマチュアヒルクライマーたちの真夏の祭典として人気の「乗鞍ヒルクライム2022」(長野県松本市安曇)が開催された。2019年以来、3年ぶりとなった今大会には約3700人がエントリー。早朝6時25分のチャンピオンクラスのスタートを皮切りに女子、年代別クラスなど全13カテゴリーが標高2720mの岐阜県境の畳平をめざしてペダルを漕いだ。

全日本TT王者の金子宗平が乗鞍のタイトル奪取!

先頭を行く田中裕士と金子宗平

アマチュアヒルクライマーの称号としてステータスが高いチャンピオンクラスには、全国各地の猛者たちが集結。その中で、今年6月に開催された全日本選手権の個人タイムトライアルで優勝した金子宗平(COW GUMMA)が初の栄冠をつかんだ。また、女子カテゴリーは今年のMt.富士ヒルクライムを制した佐野 歩(Infinity Style)が同年に「富士ヒル&乗鞍」のダブルタイトルの偉業を達成した。

今年の大会は、前日のみの荷物預け、前日ステージイベントや表彰式やなどを行なわず、感染症予防対策を施す中で例年とは異なる形で開催。またスタート方式も、チャンピオンクラスを除き、指定時間内の出走方式がとられ密を避けて実施された。

女子優勝の佐野 歩

大逃げ、2人逃げ、全日本TT王者渾身のアタック!

注目のチャンピオンクラスは、小雨が降るなかで熱く火蓋が切られた。ファーストアタックの名手である大野拓也を追う形で、チームメイトの玉村 喬が逃げに乗る。若干23歳の乗鞍初挑戦の玉村は、その後中間点付近までひとりで大逃げのアグレッシブな走りを見せる。強豪集う50人ほどの大集団はスローな展開で進むが、5kmすぎから今年のMt.富士ヒルクライム王者の真鍋 晃が集団を牽引すると集団は伸びた。次第に絞られる集団前方には、ディフェンディングチャンピオンの中村俊介や森本 誠、池田隆人、金子宗平らが続く。

レースが大きく動いたのは中盤の急坂区間。乗鞍で過去最高2位の田中裕士がアタックし抜け出しに成功。唯一追走をかけた金子宗平とともに2人逃げの展開を作り、勝負の行方は早くも二人に絞られる。勝負が決まったのは大雪渓をすぎてラスト1kmを切ってから。田中のアタックにカウンターを仕掛けた金子が持ち前のパワーを発揮して乗鞍初勝利を飾った。タイムは55分18秒(速報)。歴代7位のタイムで、全長20.5km、標高差1260mを駆け上がった。

15秒差の2位には田中、3位以下は2人から2分近く遅れ、3位にベテランの板子佑士、4位に序盤逃げた玉村、5位には強豪クライマーの池田、6位に真鍋が入った。中村、森本らベテラン勢は苦戦し、入賞6位以内に20代が4人と若手の勢いを感じる今年のヒルクライム頂上決戦になった。

女子は佐野 歩が富士ヒルクライムとのダブルタイトルの偉業!

全国のヒルクライム女子が集った女子カテゴリーは、今年のMt.富士ヒルクライムをスプリントで制した佐野 歩(Infinity Style)が、富士に続いて乗鞍のタイトルも奪取。2019年大会で2位に敗れた悔しさを晴らして、富士山と乗鞍のダブルタイトルの偉業を成し遂げた。近年2大会を制している牧瀬 翼(WINGS PLUS)はじめ、程瑶楓らのグループから、中盤の急坂区間で牧瀬に続いてアタックした佐野が単独で抜け出しに成功。残り8kmあまりを力強く独走し、乗鞍新女王に駆け上がった。

オリンピアン金子広美がチャンピオンクラスに出走、1時間5分2秒

なお、チャンピオンクラスには、乗鞍6連覇、東京2020オリンピックのロード女子代表の金子広美(イナーメ信濃山形/バイクサンド・R×L)が初挑戦。自身の記録に挑戦し、男子の猛者たちに混じって1時間5分2秒(チャンピオンクラス51位)の自己ベストタイムを叩き出した。

約3700人が乗鞍を上り切った

今年で37回目の大会になった歴史ある乗鞍ヒルクライム。3000人あまりのヒルクライマーたちは3年ぶりの乗鞍を苦しく楽しみながら、ヒルクライマーの聖地乗鞍を思い思いのペースで駆け上がった。

乗鞍ヒルクライムの詳報は、9月20日発売のバイシクルクラブ本誌をお楽しみに! チャンピオンクラスに出走し、1時間4分で完走した自転車ジャーナリストのハシケンがレポートする。

リザルト

チャンピオンクラス

1位 金子宗平(COW GUMMA) 55分18秒
2位 田中裕士 55分34秒
3位 板子佑士 57分21秒

女子

1位 佐野 歩(Infinity Style)1時間9分16秒
2位 三島雅世(Cycling-gym) 1時間9分46秒
3位 牧瀬 翼(WINGS PLUS) 1時間12分3秒

 

大会WEBサイトはこちら
https://norikura-hc.com/

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PROFILE

ハシケン

Bicycle Club / スポーツジャーナリスト

ハシケン

ロードバイクに造詣が深いスポーツジャーナリスト。国内外のレースやロングライドイベントを数多く経験。Mt.富士ヒルクライムの一般クラス優勝、ツールド宮古島優勝。UCIグランフォンド世界大会への出場経験あり。

ハシケンの記事一覧

ロードバイクに造詣が深いスポーツジャーナリスト。国内外のレースやロングライドイベントを数多く経験。Mt.富士ヒルクライムの一般クラス優勝、ツールド宮古島優勝。UCIグランフォンド世界大会への出場経験あり。

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