ヴィンテージフレームをグラベルバイク化|グラベルバイクの作り方
Bicycle Club編集部
- 2022年11月23日
自由なグラベルの世界は新旧織り交ぜたカスタムもアリ。編集部ニシヤマが最近はまっているヴィンテージグラベル作りを披露!
オールドフレームのダート化という活用法
巷ではオールドМTBがひそかなブームになっている。そんな流れを受けて、ちょっと古い自転車をダートバイクに仕上げて、グラベルライドやバイクパッキングに活用して楽しむ。これはなかなかにおもしろい。
登場したのは、70年代ランドナー時代の鉄フレームだが、こんなランドナー時代のものや、古い鉄ロードフレームなども、アレンジ次第でグラベルバイクになる。
ポイントは、時代考証とか無視して、手持ちのパーツをフル活用して自由に作ること。1×化やフレアハンドル、チューブレスのセミブロックタイヤなど、いまどきな仕様を盛り込んで、それっぽく仕上げる。
ジャンクな自転車をダート仕様にするという、原始的な自転車カスタムだ。ビーチクルーザーでクランカーを作った、MTBのフロンティア時代に戻ったような高揚感がある。
グラベルを走ってみると、たしかにブレーキがプアとか不便は多少あるにしろ、普通に走破できる。ふだん乗りにも常用しつつ、近所の河原グラベルを楽しむなら、油圧ディスクブレーキや12スピードでなくても十分。むしろこんなボロのほうが気分だ。
サルベージされた70年代の片倉シルク
70年代前半の片倉シルク製だ。ランドナーが隆盛だった時代の、どちらかというとロードマン的な位置づけの27インチのフレームだ。ボロサビだったものを塗り替えて再生。廉価なモデルながら日本製らしく作りはていねい。
before
27インチを650Bにインチダウン
700CのWOがメジャーじゃない時代のフレームで、27×1・1/4ホイール仕様。700Cでも32Cくらいの太めのタイヤが入る感じだ。さらに650Bにインチダウンして、より太い38Cのセミブロックタイヤを入れたい。
ラージアーチでブレーキシューが届くように
問題はブレーキだ。ラージアーチのブレーキを使ってシューがリム面に当たるようにする。リアはそれでも数㎜足らず小径車のカスタムなどで使われるオフセットしたシューを導入。許せるレベルの制動力を発揮できるように。
定番グラベルタイヤをチューブレスレディー運用
走破性ポイントとなるタイヤまわりは最新に。ベロシティー・A23リムはチューブレスレディ対応。グラベルタイヤの定番、マキシス・ランブラー 27.5×1.50(38C相当)をシーラントを使ってチューブレスで運用。
マキシス・ランブラー 27.5×1.50
グラベルに特化したモデル。中央部トレッドが密で舗装路でも転がりが軽い。シーラントは、ケブラー繊維入りのフィニッシュライン・ファイバーリンクチューブレスタイヤシーラントを使用。
問:マルイ https://maxxis.jp
ちょい古サルサのフレアハンドル
フレアハンドルをいち早く作っていたサルサのウッドチッパーズバーを導入。ラインアップのなかでも元祖で過激な超末広がりフレアだ。ダートでダウンチューブシフターは辛いので手元変速化できるレトロシフトを導入。ダウンチューブ用をこれにつけて手元シフターとする。
バイオペース38Tでフロントシングル化
フロントはシングル。黒いシマノ・デオーレLXを剥離してアルミ地化したPCD110クランクに、38Tのインナーリングをインストール。アウターにはチェーン落ちを防げればとチェーンガードを装着した。
最大リア40Tの1×仕様 延長ブラケットで実現
ダートの激坂も行けるリアスプロケット40Tを導入して激軽のギヤ比1以下へ。エンドのリアメカ装着ブラケットへ延長アダプターをかませて、もとは最大スプロケット34T対応のマイクロシフト製、サンエクシードリアメカを40Tでもシフトできるように。
完成したバイクがこちら
こんなグラベルアリですか? 私はアリと思います
サドルは、古いサンマルコ。バーテープは、昭和のシャイニーバーテープ。私の年と同じくらいの時間、自転車の半世紀がごちゃまぜになったグラベルバイクが生まれた。自己満足ながら、いい感じに仕上がった。ダートの走りも全然問題なし。河原の季節の移ろいを、これからこのバイクで感じることにする。
最新号ではグラベルバイクの注目モデルをピックアップ
最新の2023年モデルを一気に公開する大特集。各社の注目モデルが出そろったいま、ロードバイクではビアンキのハイパーバイク「Oltre RC」などエアロ全盛時代の最新モデルをインプレッション。グラベルバイクの注目モデルほか、eバイクの新作も紹介。毎年開催される今年の一台を選ぶ「バイクオブザイヤー」情報も掲載。
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※この記事はBiCYCLE CLUB[2022年1月号 No.441]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
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