サイクルトレインの普及など自転車活用を求め全国市区町村長の会が国交相らへ要望書提出

11月16日、市区町村の垣根を越えて、自転車を活用したまちづくり推進する全国市区町村長の会が、国土交通省、自転車活用推進議員連盟、国土交通省自転車活用推進本部などを訪問し自転車活用を求める要望書を提出した。要望書には安全で快適な自転車走行環境の充実はもとより、自転車を利用しやすい環境づくり、交通ルールの普及啓発、サイクルツーリズムなどが記載され、サイクルトレインなどの公共交通機関への自転車積み込みへの支援などが盛り込まれた。

「自転車を活用したまちづくりを推進するための提言と要望」を国へ提出

「自転車を活用したまちづくりを推進する全国市区町村長の会」は、平成30年11月に発足し、現在409市区町村が加盟する組織。今回、田中利明会長（佐伯市長）をはじめ各地区のブロック長が自転車活用推進本部⻑でもある斉藤鉄夫国土交通大臣はじめ、自転車活用推進議員連盟会長二階俊博会長、江島 潔事務局長、自転車活用推進本部金子恭之幹事長、国土交通省自転車活用推進本部事務局長丹羽克彦局長を訪問し、要望書を提出した。

自転車を活用したまちづくりを推進するための提言と要望の概要

今回提出した内容は移動手段の確保、健康づくり、地球温暖化対策、観光振興や地域活性化といった観点から、国・都道府県・市区町村及び民間事業者等が緊密に連携し、安全で快適な自転車走行環境の充実といった従来の内容から、さらに踏み込んだ自転車を利用しやすい環境づくり、交通ルールの普及啓発、サイクルツーリズムなどをハード・ソフト両面から総合的に推進するものとなっている。項目は以下7項目となる。

• 自転車利用環境の整備に関する提言
• 交通安全の推進に関する提言
• シェアサイクルの活用推進に関する提言
• 公共交通機関等への自転車積み込み等の支援に係る提言
• 自転車通勤促進に係る提言
  
• サイクルスポーツ振興支援に係る提言
• 自転車活用推進計画に基づく総合的な取組に対する財政支援に係る提言

今後は予算を明確にし、より具体的な提案へ

田中会長は⻫藤国土交通大臣と会話の中で、今後は具体的な予算額を明示した要望をすることで、より道路環境整備やサイクリングに関する情報発信などをさらに実現していきたいと意欲を示した。

このほか各地区から以下のような要望が挙げられた。

各ブロックからの要望

• 「公共交通機関へ自転車をそのまま載せることで、2次交通としての自転車の役割を生かせる。不採算の鉄道路線こそ鉄道利用者の拡大策と合わせた支援がほしい」高橋敏彦 東北ブロック長(副会長／北上市長)
• 「雪国ならではの道路の作り方の工夫、さらにスキー場のグリーンシーズンの活性化に向けてマウンテンバイクを活用できるよう索道協会と話を進めていきたい」林茂男 北信越ブロック長（副会長／南魚沼市長）
• 「サイクリングロードの整備を支援をしていただきたい」平谷祐宏 中国ブロック長（副会長／尾道市長）
• 「道路の安全対策、サイクリストの休憩時の接地などで自転車文化を発展させられるようにしていただきたい」豊岡武士 東海ブロック長(副会長／三島市長）
• 「ハードとしては道路の財源を確保、ソフトとしては日本を上げてヴィジットジャパンの魅力のひとつとしてサイクリングを海外への情報発信を積極的にしていただきたい」德永繁樹 四国ブロック長(副会長／今治市長）

要望者「自転車を活用したまちづくりを推進する全国市区町村長の会」

佐伯市市長　田中利明／九州ブロック長（会長）
美唄市経済部長　土屋貴久／北海道ブロック長（副会長）
北上市市長　髙橋敏彦／東北ブロック長（副会長）
さいたま市副市長　小川博之／関東ブロック長（副会長）
三島市市長　豊岡武士／東海ブロック長（副会長）
尾道市市長　平谷祐宏／中国ブロック長（副会長）
今治市市長　德永繁樹／四国ブロック長(副会長)

自転車を活用したまちづくりを推進する全国市区町村長の会HP
https://www.bicyclemayors.jp/