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グレーは絶対にやらない。MTBの歴史を創る南アルプスMTB愛好会とe-MTBツアー!

一般社団法人南アルプス山守人。代表理事の弭間 亮(はずまりょう)氏を中心としたこの組織は、本年5月に第5回「自転車活用推進功績者表彰」を国土交通大臣より受賞した。山梨県全域で活動している組織が、現在業界の中で一層注目度を高めている。今回、SPECIALIZEDよりE-MTBの「LEVO SL」をお借りし、そんな弭間さんとともに南アルプス市を走る機会を得た。E-MTBでの走りの楽しみを感じるとともに、南アルプス市とMTBの歩みをたどった。

グレーは絶対に行わない、そう誓って行動してきた

一般社団法人山守人(やまもりびと)。代表理事の弭間 亮(はずまりょう)さん。胸にMTBと山守人の文字が輝く

弭間さんがMTBの活動をはじめたきっかけの一つは、グレーゾーンでMTBを楽しみたくないということだ。MTBは本来的に山を走るものだ。道なき道を切り開くアドベンチャー感に虜になる人も多い。しかしまた、ロードバイクで「公道」を走ることとは違った点が問題なる。その道が公道であれば、道路交通法を順守すれば正式に走ることが許可されている。ただ、MTBで走る山については、その走行にしっかりとした法整備がなされておらず、曖昧な点も多い。そのような状況でMTBを山に持ち込み楽しむことは、少し後ろ髪をひかれる思いもあるだろう。そこで弭間さんは、許可を取れている場所以外は走らないと決め、今まで活動してきている。その上でしっかりとMTB利用者が胸を張って楽しめる環境を創れるよう、この山梨で活動している。

山守人で造ったというトラック。MTB初挑戦の私はぜいたくにも弭間さんより指導を受けた。「安全のためのスキルは必ず身に着け山に行ってもらう」とのこと。徹底した安全管理があるからこそ皆が安心して楽しめる

大きな目標は自治体によるMTB走行のルールを定めることという。条例や法律でMTBの走行に関する規定をしっかりと策定してもらえれば、それを順守することで気持ちよく胸を張ってMTBを楽しめるようになる。このようにMTBがしっかりと制度化したうえで、地域のコミュニティと共存していくフィールドを創ることを目指しているとのことだ。約9年前から活動開始し、今年は国土交通大臣からの表彰を受けるまできている。この歩みはきっと今後の日本のMTB界隈のみならず、地方創生という大きなくくりでの指針になり得る。これからの弭間さんら山守人の動きは別途追いたいテーマであり注目していきたい。

いざ、櫛形山へ! E-MTBのお陰でトレイルまで自走も楽々

トレイル入口まで舗装路を上る。シャトルバスがなくてもe-MTBなら余裕!

弭間さんのMTB活動について話しながら、実際に整備を進めているトレイルへ。トレイル入口までの標高差は1200mを超えるため勾配も結構急だが、そこはE-MTBの力で苦も無く通過。これなら山中のトレイルへも気楽に自走で向かえるようになり、よりMTBを楽しむ時間が増えていきそうだ。紅葉の時期を少し過ぎながらも粘っている樹木を横目にどんどんと上っていく。

日の当たる櫛形山を上る。まだ少し紅葉が残っている

トレイル手前の見晴らし平で昼食だ。地元の「あかりやベーカリー」というパン屋から提供されたカレーパンなどをいただいた。非常に美味。こういった地元企業からの応援を受けているところからも、山守人が地域から愛されている存在だと分かる。この段階に至るまで相当な苦労があったと思うのだが、それはまたの機会に聞いてみたい。ちなみにこの「あかりやベーカリー」だが、足湯カフェも同時に経営しているとのこと。純粋に気になるお店だ。

見晴らし平で食事。撮影のために参加者が全員奥側に並ぶ異様な光景だ。背景には富士山が顔を出している
「あかりやベーカリー」から提供された食事。地元との共存が象徴されている

トレイルに挑戦! 人の手が入ることで現代に蘇った古道を走っていく

食事を済ませた後はいよいよトレイルに挑戦だ。意気揚々と臨んだが、最初の率直な感想を述べると単純に「怖い」と感じた。グリップが効きづらく道幅の狭いオフロードにきつい斜面。ここが上級レベルのトレイルということもあるが、ロードバイクとは別スポーツといえる差に面喰った。

自然の中にお邪魔する感覚だ。MTBという乗り物はこんな道でも走れるのかと驚いた

とはいうものの、この大自然の中に分け入る感覚はMTBでしか味わえない。自然に没入し一体化する気分はロードバイクでは味わえず、これには非常に魅了させられた。弭間さんからポジションやライン取りなどを教わりながら、何とか無事に進んでいく。

途中にある立沼MTBパーク。こちらは山守人でトレイルを整備しオープンした場所で、無人で管理されており利用料がなんと無料だ。MTBがこの地には非常に身近な存在になりつつあった

「うちでは一番初心者の方のレベルに徹底的に合わせます。そうじゃないと楽しめないし、無理をしてケガをしてしまったらMTBが嫌いになってしまう。そうならないよう、南アルプスMTB愛好会では必ず技術的にまだ浅い人に合わせるよう全員で意識を共有しています」と弭間さん。その言葉どおり、私の一挙手一投足を見ながらペースや走り方、コースの特徴などを教えてくれたことで無事にケガ無く下山できた。

トレイルに挑戦する前にはしっかりとサポーターを両ヒザと両ヒジに装着した。これも山守人から借りたもの。細かなところまで配慮が行き届いている組織だった。
途中では弭間さんたちの活動の中の一つ、トレイルの整備を行った。一度整備した道でも山中の道だと石や倒木などがまたでてくる。日々MTBで走ることが同時にトレイルの管理・整備にもつながっている
暗くなり陰に包まれ始めた南アルプス市。古道を整備してつないでいくだけでなく、地域の人々の心をつないでいくスケールの非常に大きな仕事を山守人はやっているんだと再認識した

SPECIALIZED  LEVO SLに試乗。e-MTBは今後の時代にマッチする

前後とも150mmのトラベル量をもつTurbo Levo SL は、悪路でもしっかりとペダリングパワーを伝達する

道が悪くてもしっかりとグリップして進むTurbo Levo SL。バッテリーを延長するレンジエクステンダーを装着すればなんと航続時間は5時間という。そんなe-MTBだが、舗装路を走行したときもアシストの効果を力強く感じ、上りが特に楽になった。

山守人の活動でもわかるように、MTBはスキルパークのみでなく、実際にかつて使われていた古道を復活させた道を行くこともある。そしてその古道は無数にある。いつかこの多くが開通したとき、ライダーはどこのトレイルにいくかをより自由に選べるようになる。そんなときに必要になるのは、誰でも気楽にトレイルまでたどり着けるMTBだろう。そのときにまさに役立つのが、このe-MTBだ。より自由なMTB時代を迎えるための足掛かりを、e-MTBが創ってくれている。

電動アシストの航続時間を延長するレンジエクステンダー。ボトルケージにぴったりと収まる

※12月14日までにLevo SLを購入された方にはヘルメット&シューズ プレゼントを行っているとのこと。詳細はこちらのURLから! → https://www.specialized.com/jp/ja/campaign-levo-sl

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PROFILE

坂本 大希

坂本 大希

元海上自衛官の経験を持つライター。1年間のドイツ自転車旅行をきっかけに自転車が好きになる。2022年秋ごろよりグラベルイベントに多数参加。2023年のUnbound Gravelで100マイル完走。グラベルジャーナリストになるべく知見を深めるため取材に勤しんでいる。

坂本 大希の記事一覧

元海上自衛官の経験を持つライター。1年間のドイツ自転車旅行をきっかけに自転車が好きになる。2022年秋ごろよりグラベルイベントに多数参加。2023年のUnbound Gravelで100マイル完走。グラベルジャーナリストになるべく知見を深めるため取材に勤しんでいる。

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