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西武鉄道がサイクルトレインの実証実験を実施、定期運用へ意欲!

いま自転車をそのまま鉄道に乗せられるサイクルトレインが注目されている。サイクリストたちはいままで自転車を分解して乗せる、いわゆる「輪行」で鉄道に自転車を持ち込み、遠くに移動してサイクリングを楽しんできた。しかし、サイクルトレインならばそのまま自転車を持ち込めることから、この輪行なしに気軽にでかけられるメリットがある。

なかでも東京、埼玉エリアを走る西武鉄道ではサイクルトレインを積極的に取り入れており、西武多摩川線ではすでに通常運用もしている。さらに西武鉄道は、この秋、将来的に本線でのサイクルトレインの定期運用を見据え、特急レッドアロー号(新宿線)、そしてS-TRAIN(池袋線・西武秩父線)での実証実験を行った。ここでは11月26日(土)にS-TRAINの車両を利用した西武池袋線秋津駅から西武秩父線西武秩父駅までのサイクルトレインの様子をお伝えする。

西武池袋線秋津駅にS-TRAINが臨時停車!

秋津駅でS-TRAINを待つ参加者の車体たち。普段はなかなか見ることのできない光景だが、これが日常になる日を目指している

S-TRAINは、土休日には西武秩父~元町・中華街で運行されている全席座席指定の電車だ。今回のサイクルトレインの実証実験を秋津~西武秩父間で行うにあたり、普段は停まらない秋津駅に臨時停車してサイクリストたちを迎え入れた。今回のサイクルトレインの参加料金は片道で1,500円(別途乗車券が必要)だったが、申し込み多数と人気だったため抽選となった。いかにサイクルトレインへの注目度が高いかが伺える。

ホームへと進む参加者たち。広くなっている改札口は普通に自転車を押して通れるから快適だ

1両を自転車専用とし10台を搭載して西武秩父へ

座席をロングシートとクロスシート、どちらにも組み替えることができる車両。今回はロングシートでの運用となった

今回のサイクルトレインは通勤電車などでよく見られる一般的なロングシートタイプで運用し、その両端の手すり部分に車体を置く。搭載台数は10台であり、新幹線などで見られるクロスシートタイプの席と比べると車体を置いた後も通路に余裕があり移動が簡単だ。また、オレンジのベルトが配布され、つり革と手すりを使って車体が動かないよう固定する。この辺りのノウハウは西武鉄道が西武多摩川線で培ってきた経験が生きている。

車体が動かないようオレンジのベルトでしっかりと固定していく

三峰神社まで走る人から秩父鉄道のサイクルトレインへ乗り継ぐ人も!

サイクルトレインは乗って終わりというものではない。現地についてから自転車を楽しめるということが大きなポイントだ。実際にこの日、現地に到着後どう過ごすか? 参加者の声を紹介する。

10年来の愛車であるTyrellと共に神奈川県横浜市から参加した花戸さん(Twitter:NADOKAZU)は、西武秩父駅からは秩父鉄道のサイクルトレインに乗り換えて三峰口へ行くとのことだ。「サイクルトレインが浸透していけば、このようにサイクルトレインを乗り継ぎ、より自由に色々な所へ自転車を運べるようになって便利ですね」

こだわりのグラベルバイクで参加の3名。左から順に清水さん、小倉さん、松本さん。中野区にあるショップ「ピアチェーレヤマ」のチームメンバーで、目的は秩父の林道を走り、良いグラベル路を見つけること。目的地まで電車が運んでくれるからこそ、現地で新たにアクティブに遊べるのはサイクルトレインの魅力だ。

東京都品川区から参加の山本さん(左)と東京都武蔵野市から参加の深谷さん(右)。なんとこのサイクルトレインに参加することがきっかけでWEBで知り合い、この日初めてお会いしたライド仲間だとか! 秩父到着後は三峰神社を目指すという。

年月を感じさせるビアンキのミニベロとご乗車された片野さん。なんと、中古フレームを買い取り自ら組んだ車体で、目的地の三峰神社まで走る予定だ

埼玉県所沢市から参加の中村さん(右)とソンさん(左)ご夫婦。奥さんが旦那さんを連れまわす形(?)で毎週ライドを楽しんでいる。今回は西武秩父駅から滝沢ダムのループ橋へ行き、時間があれば二瀬ダムまで行くとのことで、なかなかにアクティブなご夫婦だ!

西武秩父駅到着。時刻はまだ9時15分! いつもの目的地がスタート地点に!

西武秩父駅では駅員の案内でホームを進む

あっという間に西武秩父駅に到着。時刻はなんとまだ午前9時15分。関東のサイクリストでよく秩父まで走りに行く人もいるが、サイクルトレインに乗れば秩父からスタートすることが可能になる。普段の目的地をスタート地点にし、より遠くの場所へ走りに行ける。行動範囲や楽しみ方の幅を圧倒的に広げてくれるポテンシャルを、サイクルトレインは間違いなく秘めている。

西武秩父駅のホームには階段が無く、移動がスムーズだ
輪行ではないため自転車を組み立てる必要が無くノーストレス! 改札を出てすぐにさっそうと出発していく参加者たち。この気楽さがサイクルトレインの醍醐味だろう

西武鉄道担当者へのインタビュー。サイクルトレインの定期運用へ意欲!

今回のサイクルトレインの実証実験について、西武鉄道株式会社で旅客誘致企画担当を務める岡 徳康(おかのりやす)さんにお話を伺った。

「最終的には、通常の定期運行の電車の中でサイクルトレインを実施していきたい。普通にお客さまが電車を利用されるように自転車利用者も簡単に乗車できるような形が理想です」

西武鉄道のイメージするサイクルトレインの理想が、今の日本で増えているサイクルトレインの形からより前に進んだものであることに期待が高まる。コアなサイクリストだけではなく、誰もが自転車を持って気軽に遠くに出かけられるサイクルトレインの動向は、今後の日本においてますます注目すべきものになるだろう。

今回、編集部では実際に参加者としてこのサイクルトレインを楽しみ尽くしてきた。このインタビューのより深い部分も含め、その詳細は1月発売の本誌に掲載予定となっている。ぜひ本誌の発売をお待ちいただきたい。

▼全国サイクルトレイン一覧
サイクルトレイン全国MAP、自転車を分解せずに列車に乗せてらくらくサイクリング

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2023年04月01日

 

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PROFILE

坂本 大希

坂本 大希

元海上自衛官の経験を持つライター。1年間のドイツ自転車旅行をきっかけに自転車が好きになる。2022年秋ごろよりグラベルイベントに多数参加。2023年のUnbound Gravelで100マイル完走。グラベルジャーナリストになるべく知見を深めるため取材に勤しんでいる。

坂本 大希の記事一覧

元海上自衛官の経験を持つライター。1年間のドイツ自転車旅行をきっかけに自転車が好きになる。2022年秋ごろよりグラベルイベントに多数参加。2023年のUnbound Gravelで100マイル完走。グラベルジャーナリストになるべく知見を深めるため取材に勤しんでいる。

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