オールドダホンをレストア&軽量カスタム|レストア家族計画
ニシヤマ
- 2022年12月13日
編集部・西山が持ち前のレストア力を生かして家族の自転車をメイキング! ジャンクから、使い倒せる自転車を作る。今回はオールドダホンをレストアして、ブロンプトンを超える軽さと走行性能を目指す。はたして小径折りたたみ車の王者を超えられるか!?
鉄の塊のように重いジャンク品のダホンを軽量化
今回ベースとなるフレームは、渋谷の自転車屋で廃棄依頼で持ち込まれたものをもらってきたものだ。タイヤは破れ、欠品もあるが、幸いフレームの状態はいい。
折りたたみ自転車というカテゴリの礎を作ったダホン。現在でも多数のモデルが発売されている。
ダホンの登場は84年。もらってきたダホンは同年の生産だ。初期のモデルは、オールドダホンといって一部のマニアに支持されている。独特のフォルムが愛らしい。
ただし重い。15kg近くあり、たたんだ状態ものを持つと鉄塊という感じだ。持って移動する気になれない。これは軽量化して実用的にしたい。当時の雰囲気をなるべく崩さないように軽量化カスタムする。
鉄塊パーツを外しまくる
ダホンは、どちらかというと一般車寄りの作り。コストを追求しており鉄製のパーツが多い。ステムやピラーはもちろん、クランクなどもずっしりと鉄。これらを可能なかぎりアルミ化したい。まずは、キャリアや壊れたキャスターなどいらないものを外す。そして、なぜかアメリカンタイプのクランクも。これはBBまで一体化した鉄ムククランクで丈夫で生産性は高いが、当然重い。外してフレームを磨く。
アメリカンタイプのクランクの外し方
BMXなどに多いアメリカンタイプのクランクを外す。まず左側のナットを外す。このナットは逆ネジとなっている。
続いてその内側にある玉押しを外す。マイナスドライバーを溝に当てて、軽くハンマーなどでたたきながら回せば外れる。
なかからベアリングが出てきた。アメリカンBBは大径でベアリングもでかい。ベアリングをとると大きな筒状態になる。
クランクからペダルを外し、左クランクをBBに入れるようにして外す。抜ける角度を知恵の輪のような感じで探す。
残ったワンは、ハンガー部に圧入されている。貫通マイナスドライバーを、裏側からワンのふちにあてがい、強く叩いて外す。
アメリカンBBをコンバート
生産性が高く安くて丈夫なアメリカンタイプのBBシステム。合理的だが、構造上クランクもBB軸と同じ素材の鉄でクソ重いという難点がある。なんとしてもこれをアルミクランクにしたい。スポーツ車ではBMX規格としてメジャーなアメリカンBB。これを普通のJIS規格のスクエア式BBにしたい(BMXではヨーロピアンBBと呼ぶ)。要望も多く、コンバーターが手に入る。さっそくインストール!
BBをセットする
圧入されていたアメリカンBBのワンを抜いた状態。大きなパイプ状態で、このままではとうてい普通のBBは装着できない感じ。
アルミ製のBBアダプターをハンガー部のパイプに入れる。シートチューブの出っ張りがあるので、3本とめるネジのネジ穴の位置に注意する。
けっこう固く、ハンマーで叩き入れた。かなりキツかったので、少しハンガーの内側をさらったりしたほうがよかったかもしれない。
叩き入れただけでガッチリ圧入されている感じだが、3本のネジで固定する。やはりもう少し緩く入れられるように加工すればよかった。
無事、JIS規格のBBがセットできた。本当はカートリッジ式がよかったが、適当な長めの軸長のものが手に入らずカップ&コーンに。
ハンドル&シートポストをアルミ化
鉄パイプだったハンドルとシートポストをアルミ製にして軽量化。ハンドルは、倉庫に転がっていたものが、ダホンとシェイプがほとんど同じだった。シートポストは小径車のカスタムパーツとして、アマゾンで安くで売っていた、マイクロヒーローというブランド。60㎝で330gという軽さ、3000円ちょっとの出資でこのアドバンテージはでかい。ハンドルとシートポストで500gの軽量化。
なんとなくもとからついていたかのようなパーツをアッセンブル
いかにも最新パーツがついて軽量カスタムしましたという感じは避けたい。初期型ダホンのオールドな雰囲気を大切にしたいからだ。リアメカは、サンツアー・ラブ。小型なミニベロ用メカでブラケット式。エンド取付ボルトも特殊な小さいサイズ。なのでこの機会を逃すとまず出番がないメカ。これを使いたいというのが、じつはダホンのレストアを手がけることにした最大の理由だったりする。
軽く使えるダホンにリニューアル
オールドダホンの軽量カスタム。2.8㎏のダイエットに成功して12㎏となった。残念ながら手持ちの6速モデルのブロンプトンに200g及ばず……惜しい。
たたんだコンパクトさもなかなか、初代にしてかなり完成度が高かったダホン。エポックメイキングな名作だと、あらためて感心。
走りのほうは、予想していたよりも軽快だ。さすがに近年のパーツで固めたブロンプトンより重め。しかし、今回は足まわりにあまり手を入れていない。タイヤもオリジナルに近い中国製の安物16インチタイヤだ。
オリジナル状態のホイールでここまで走るとは、かなりのポテンシャルを持っている。これをアルミリム化&タイヤを高級&スリム化すれば、200g減は余裕だ。この辺は足まわり改善でリベンジだ!
※この記事はBiCYCLECLUB別冊[クロモリバイク徹底レストアBOOK]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
- BRAND :
- Bicycle Club
- CREDIT :
- TEXT:西山貴之 PHOTO:蟹由香/大星直輝
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