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特徴的なフィンラグにピンときた! 地方ショップ倉庫の掘り出し物をレストア

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フレームを鑑定する

独特なハンガー部のフィンラグを見て、このフレームの制作はシクロウネなのでは!?と思った。シクロウネといえば、ブランド名はかの有名な三連勝だ。
当時のシクロウネは、千葉県松戸にあった。地域的にみても、ショップがこの工房にオリジナルフレームを依頼することは大いに考えられる。
これはビルダーに見てもらってはっきりさせたい。鑑定の結果は、やはりシクロウネ製だった。シクロウネは、創業者の今野 義が経営を退き、事業はMマキノサイクルファクトリーに受け継がれている。三連勝はもう作られておらず、海外でも幻の日本フレームとして人気が高い。

親戚の今野さんに鑑定を依頼

今野 仁はケルビムで、今野 義が三連勝、2人は兄弟だ。2代めの今野真一にとって三連勝は叔父さんのブランドだ。なのでフレームの特徴はすぐわかる。ビルダー今野 義の好んだフレーム工作は、長く細くのばしたラグのひげと、エアロな集合ステーだ。どちらの特徴も備えている。後にロストワックスで生産することになる仕様が、まだ手作りされている時代のものだった。

ひとめ見て「あっこれは三連勝ですね」と今野さん。幼いころから親交があり、叔父さんの好きなフレーム工作を知りつくしている
フィンラグのほかに、細く長くのばしたラグのひげも特徴
フォーククラウンもシクロウネが石渡製作所(今のカイセイ)に作らせたオリジナル

タッチアップでキズを隠す

三連勝とわかってフレーム補修作業にも、より熱が入る。タッチアップは、完璧な補修ではないが、目をごまかすにはじゅうぶん。やるとやらないでは、キズの目立ちかたに大きな違いがある。いつもならカー補修用で似た色を探してくるが、オレンジ系は少ないのでプラモ用カラーで調色することにした。

プラモデル用の塗料を買ってきて調色。オレンジメタリックにレッドを追加して、独特な深みのあるフレームカラーを再現。細筆で塗装のはげに塗っていく

キズの部分に筆で塗料をのせてやれば、遠目にはキズはほとんど目立たなくなる。タッチアップパワーはなかなか。よく見ると前オーナーのタッチアップ跡も数々あった。同じ作業を通して、時を越え持主と再会したかのような感慨をおぼえる。

三連勝が鮮やかによみがえった!

 

※この記事はBiCYCLECLUB別冊[クロモリバイク徹底レストアBOOK]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。

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PROFILE

ニシヤマ

Bicycle Club / 副編集長

ニシヤマ

自転車暦35年以上。中学時代からランドナーに乗る、ヴィンテージ(ジャンク)自転車大好き人間。バイシクルクラブのバイク&キャンプなアウトドア系記事、自転車レストア&カスタム記事など製作。またマニアックな自転車ムック職人。加えて最近は、付録職人でもある

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自転車暦35年以上。中学時代からランドナーに乗る、ヴィンテージ(ジャンク)自転車大好き人間。バイシクルクラブのバイク&キャンプなアウトドア系記事、自転車レストア&カスタム記事など製作。またマニアックな自転車ムック職人。加えて最近は、付録職人でもある

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