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軽量小径eバイクCompact Neo(コンパクトネオ)が満を持して登場!|cannondale

数々のレースで実績を残している老舗自転車メーカーのキャノンデールより、日本の生活様式にフィットした軽量小径eバイクCompact Neo(コンパクトネオ)が2023年1月27日に発売された。今回、その試乗会が東京で開催され、新モデルの情報と試乗レビューをお届けする。

国内レギュレーションの最大値へ挑むスペック!

フレームのデルタV設計によりトップチューブの位置が下がり、適応身長が140~185cmと幅広い。ワンサイズ展開なのも納得だ

日本の電動アシストには厳しい規制がかけられており、速度域で約10km/hまでは200%のアシスト量で、そこから徐々にアシストは弱くなり25km/hになる手前で完全にアシストはなくなるような制限が設けられている。また、じつは通常の電動アシスト車だとこの規制の中でさらに6割程のアシスト量で抑えていることが多く、意外にもまだまだ余力はある。

独自のプログラムで設計。修正を繰り返したコンパクトネオ

電動アシストの国内レギュレーションにギリギリまで寄せた設定になっている

今回のコンパクトネオの制作にあたり、キャノンデールはドライブシステムを提供するハイエナ社と共同で独自でプログラムを再設計し、この規制の最大限のパフォーマンスを出せるよう調整することに成功した。実験施設を2日間利用しテストをしていたが、なんとその修正回数は2日間で30回にも及んだという。ギリギリを攻めたキャノンデールのコンパクトネオに期待が高まる。

また、アシストモードはHigh・Mid・Lowの3種類あり、それぞれフル充電時に32km、45km、60kmの走行が可能だ。充電時間は3時間30分でフル充電ができる。

日本の生活様式にジャストフィット! その名を裏切らないコンパクトさ

壁にぴったりと寄り添うかのように仕上がるコンパクトネオ。これなら廊下や部屋内においてもジャマになりにくい

筆者の自宅もそうだが、やはり日本の家は集合住宅が多い。そのため多くの人が感じる課題は、その保管場所だ。室内保管をするといっても、家の中心部まで持ち込むことはほぼ無く、基本的には玄関や入ってすぐの廊下に置いている人が多いのではないだろうか。筆者も廊下に置いていた。その際の問題はシンプルで、「通行の邪魔になる」ということだ。特にハンドルの出っ張りや、意外にペダルにもひっかかることは多くのストレスにつながる(同居人からの評判もすこぶる悪い……)

ハンドルやペダルのシステムでほぼ壁に密着状態

そんな場面でもこのコンパクトネオは、その「コンパクトさ」において活躍する。この2大出っ張りであるハンドルとペダルを畳むことが可能なのだ。それも非常に簡単に。ハンドルはステム部分のレバーを開放し緩め、90度回転させフレームと平行にして固定が可能。ペダルについては折り畳むことが可能で、上の写真のように壁に密着させることができる。細い廊下でもこれで安心だ。

ステムにあるレバーを開放することで、ハンドルの折り畳みが簡単にできる
もちろんペダルも折り畳んで収納が可能だ。意外に幅をとる要因も解決だ

バッテリーはダウンチューブに内蔵。ポートから充電

ダウンチューブ内にバッテリーが内蔵されているが、外側からはそうとは見えないのがすごい

また、バイク全体がスタイリッシュな作りとなっているため一目見ただけでは分からないが、図を見てわかるとおりじつはダウンチューブ内に250Whのバッテリーが内蔵されているのだ。充電する際はクランク付近にあるポートから直接充電する形式であるため車体を電源の付近まで運ぶ必要があるが、コンパクトネオの収納性を考えるとそれも問題にならないだろう。

クランク近くのこのポートにケーブルをつないで給電をする

もしバッテリー自体を交換する必要があった際はボトムブラケットの下からアクセスする機構がある。しかしメンテやトラブル時は自転車ショップで問題なく対応してくれるので、任せたほうが安心だ。

都市部での利用のほか、キャンプなどいろいろな用途で利用できる!

サイクリストであり、キャンパーでもある山下さん。実際にこのカスタマイズ仕様でライドしている

eバイクでありコンパクト。都市部での利用に非常に適しているコンパクネオだが、そのほかにどういった場面が利用できるだろうか? バイクキャンプ歴15年以上で、モデルとしても活躍されている山下晃和さんが自らカスタマイズした車体を見せてもらう。

「積載しても車体にたわみがない」(山下晃和さん)

キャンプ道具一式をこのように大量に積んでも、走りは安定しているとのこと

「通勤とか通学に使ってもらうのはもちろん、例えばキャンプ場まで車に積んでいって、キャンプ場内の移動で利用するようなモビリティーとして使えるかなと思っています。あと、この車体相当いいですよ(笑)。こんなに積載しているにも関わらず、車体にたわみがでないのがすごいと思います。この今の車体で総重量30kg以上の荷物は載せてるんですが、走行してて車体がブレることもないし、坂道も涼しい顔して上れますね。ぱっと見eバイクに見えないので、今日も道中でクロスバイクの方を一人抜いたときがあったのですが、さすがにけげんな表情をされてましたね(笑)」と山下さん。

普段使いに適した手軽さもさることながら、その積載機能や妥協のない走行の性能の高さに驚きだ。

実際に渋谷の街を走行レビュー! 激坂も上ってみた!

今回取材を行った坂本が実際に渋谷の街を走ってレビュー。電動アシストはもちろんその他の要素もチェック

試乗会場が渋谷ということもあり、街を走行する機会もあった。坂の多い街だけあり、このコンパクトネオの性能を存分に堪能。そのレビューをお届け!

走り出し、安全性、登坂、ブレーキ、すべてに不安なし!

まず初めてのeバイクで気を付けるのはその走り出しだろう。アシストの感覚をつかめてない状態だと、走り出しで一気にアシストの効果がかかりバランスを崩してしまいかねないため、初めて乗る車種の場合はここを注意している。その点でいうと、いい意味で「普通の自転車のような」漕ぎ出しだった。一気にグンと加速することなく普通に進み始めたかと思うと、スムーズかつ迅速にアシストが加わってくる印象だ。

「コンパクトネオはあえてそういった走り出しを意識し、安全性をまず一番に考えています」とキャノンデール・ジャパン代表取締役 樫村浩史さんは言う。先に行われたプレゼンテーションでも安全性については言及され、例えばバッテリーが少なくなった際、4%を切ったタイミングでアシスト機能は自動で停止される設定になっており。その残りの電力をどうするかといえば、車体前後のライトを点灯するための電力として利用するとのこと。

都内の急坂も息を切らすことなく楽に走行! アシスト付きの18kgはなかなか軽量な部類だ

そして念願の(?)坂道へ。やはりeバイクに乗ると坂を上りたくなる。とにかくよく進む。最終的には斜度がおよそ15%程あろうかという坂にも挑んだが、汗ひとつかかず、呼吸を乱すこともないくらい楽に進む。ドライブシステムプログラムの独自設計のお陰か、アシストの効力はすごい。また、この車体は公称重量が18kgで、アシスト自転車としては非常に軽い部類に入る。実際この試走時にも何度か停車して降りる機会があったが、その際に無意識に車体を寄せるためズラしたりしていた。その程度の重量に抑えられていて取り回しが容易なことは、普段使いする車体にとって大きなメリットだ。

17%もの勾配となると、ふつうのミニベロやクロスバイクなら押し歩きレベル。eバイクの強みが生きる

さらに、ブレーキに効きも非常に良好。近年主流のディスクブレーキが採用されているが、他社のアシスト車の場合この部品でコストを下げようとする動きもあるなか、キャノンデールでは抜かりなくスポーツバイクレベルの油圧ディスクブレーキを採用している。安全性に抜かりなし。実際にそれなりの下り坂も走ったが、ブレーキにおいて不安を覚えることは一切なかった。

さらにBluetoothでアプリと車体を連動すれば、速度計になったりバッテリーアラートを設定できたりと使い方の幅も広がる!

実際に試乗した結果、キャノンデールが新たに送り出したコンパクトネオは確かにこの日本での生活によくフィットしていると感じた。新たな挑戦を続ける同社のこれからのeバイクへの動向にも注目だ。

コンパクトネオ スペック

スモークブラック
チョーク

29万円(完成車)

■ フレーム:SmartForm C2 Alloy
■ クランク:Samox 48T
■ ドライブユニット:Hyena MRC-250, 250W
■ バッテリー:Hyena 250Wh
■ ブレーキ:Tektro HD-R280 hydraulic disc, 160/160mm rotors
■ リアディレーラー:microSHIFT M26S, 8-Speed
■ ハンドルバー:Cannondale Cruise Control riser, 15°back, 740mm
■ シートポスト:Cannondale 4, 6061 Alloy, 31.6 x 540mm
■ タイヤ:Kenda K-Rad, 20 x 2.35
■ サイズ:OS
■ カラー:Chalk(CHK)/ Smoke Black(SBK)
■ 付属品:Cannondale Wheel Sensor, Herrmans front and rear light, Rack, Fender
■ https://www.cannondale.com/ja-jp/bikes/electric/e-urban/compact-neo/compact-neo-c60152u

問:キャノンデール・ジャパン
https://www.cannondale.com/ja-jp/bikes/electric/e-urban/compact-neo/compact-neo-c60152u

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PROFILE

坂本 大希

坂本 大希

元海上自衛官の経験を持つライター。1年間のドイツ自転車旅行をきっかけに自転車が好きになる。2022年秋ごろよりグラベルイベントに多数参加。2023年のUnbound Gravelで100マイル完走。グラベルジャーナリストになるべく知見を深めるため取材に勤しんでいる。

坂本 大希の記事一覧

元海上自衛官の経験を持つライター。1年間のドイツ自転車旅行をきっかけに自転車が好きになる。2022年秋ごろよりグラベルイベントに多数参加。2023年のUnbound Gravelで100マイル完走。グラベルジャーナリストになるべく知見を深めるため取材に勤しんでいる。

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