Jプロツアー開幕戦、鹿屋・肝付ロードレースは岡本 隼が優勝。愛三勢が1位と3位に

国内ロードレースの開幕戦となる、JBCF鹿屋・肝付ロードレースが2月25日に大隅広域公園を発着点として開催された。メインレースであるPカテゴリー（Jプロツアー）は130kmで争われ、上りスプリントを岡本 隼（愛三工業レーシングチーム）が制した。愛三工業レーシングチーム勢は3位にも草場啓吾が入り、表彰台の2枠を占めた。

レース終盤以降愛三工業レーシングチームの独壇場

2023年のJプロツアーは、このレースを皮切りに全20戦を予定。15チームが登録し、国内トップチームの座を争う。

開幕シリーズとして行われる鹿児島での2連戦。どちらも初開催のレースで、25日に鹿屋・肝付ロードレース、26日に志布志クリテリウムが実施される。シリーズ初日のロードは、1周6.5kmのコースを20周回。合計130kmで競う。周回前半はアップダウンが続くが、中盤以降は平坦基調。最後に再び上りが待ち構え、最終局面はフィニッシュまで300mの登坂となる。なお、この2連戦では、昨年強さを見せつけたマトリックスパワータグほか4チームが欠場する。

午後0時40分に号砲が鳴りスタートが切られると、しばらくは一団のまま進行。たびたびアタックがかかるものの、どれも集団から抜け出すまでには至らない。5周目では5選手が、7周目には7選手が集団から数秒のリードを得たものの、いずれも容認されず、集団が吸収している。

変化が見られたのは中間地点を過ぎた11周目。河野翔輝（チームブリヂストンサイクリング）が単独で抜け出すと、集団は急いで追うことはせずに数十秒差で様子見。次の周回では才田直人（ベルマーレサイクリングチーム）が1人で追走を試みる。

この状態が2周ほど続いたが、14周目で集団から5人がアタック。早い段階で才田に追いつくと、ほどなくして河野にも合流。7人の先頭グループが形成される。メンバーは河野、才田のほか、天野壮悠（シマノレーシング）、渡邉和貴（アヴニールサイクリング山梨）、細川健太（弱虫ペダルサイクリングチーム）、新城雄大（キナンレーシングチーム）、永山貴浩（備後しまなみeNShare）。

一時的に集団がペースを緩めたことで、先頭7人との差は1分30秒近くまで拡大。ただ、残り5周を切ってから愛三工業レーシングチームやシエルブルー鹿屋がペーシングを本格化。しばらくは1分前後の差で推移したが、残り3周を切ったあたりから急激にその差が小さくなり、完全にメイン集団が優位な状況へ。

逃げ切りにかけて先を急いだ先頭グループでは、少しずつ人数が減っていき、19周目を終えるところで残ったのは河野、天野、新城、永山の4人。最終周回の鐘を聞く頃には11秒差まで縮まり、集団が捉えるのは時間の問題となった。

そして周回前半で4人を捕まえて、集団は上りスプリントに向けた態勢へ。愛三工業レーシングチームやシマノレーシングなどが主導権を争い、迎えた最終局面。組織的に動いたのはやはり愛三工業レーシングチーム。最終の右コーナーを抜けると岡本がスプリントを開始し、他の追随を許さない。十分なリードをもって一番にフィニッシュラインを駆け抜けた。

鮮やかに勝った岡本はレース後、「チーム力を見せつけて勝てることほどうれしいことはない」と喜びを語った。レースプランとして、スプリントになれば自らで勝負することは決まっていたといい、まさに狙いどおりの勝利に。翌日のクリテリウムでもスピードを生かすチャンスとなるが、「気を抜かずしっかりと走りたい」と改めて気を引き締めた。

愛三工業レーシングチームは草場も3位入賞。2位には山本哲央（チームブリヂストンサイクリング）が入っている。

これを受けて、岡本はシリーズリーダーのルビーレッドジャージを獲得。翌日の志布志クリテリウムで着用する。また、23歳未満が対象のネクストリーダージャージは、6位に入った津田悠義（キナンレーシングチーム）が袖を通す。

26日に行われる志布志クリテリウムは、志布志港に面した志布志しおかぜ公園が舞台となる2.9kmのコースで開催。Jプロツアーは17周回・49.3kmで争われる。

鹿屋・肝付ロードレース　結果

1 岡本 隼（愛三工業レーシングチーム）3:05’37”
2 山本哲央（チームブリヂストンサイクリング）+0’00”
3 草場啓吾（愛三工業レーシングチーム）+0’01”
4 石原悠希（シマノレーシング）
5 北野普識（イナーメ信濃山形）
6 津田悠義（キナンレーシングチーム）
7 大河内将泰（シエルブルー鹿屋）+0’02”
8 道見優太（シエルブルー鹿屋）
9 岩田聖矢（弱虫ペダルサイクリングチーム）+0’03”
10 高杉知彰（イナーメ信濃山形）