日向涼子が選ぶ! 絶景ヒルクライムベスト5|チルクライム
日向涼子
- 2023年03月22日
2016年からはじまったバイシクルクラブの人気連載では毎回日本各地のさまざまな坂道を紹介してきました。今回、その中からもっとも美しい坂道を日向さんが独断でセレクト! 連載のスペシャル企画「絶景BEST5」を一挙に紹介します。
この絶景を上回る場所!? ベスト峠はあそこです!
さて、こちらの青々とした緑と夏空が美しい場所はどこでしょうか!?
ここは、長野と群馬県境にある毛無峠です。今すぐにでも走りに行ってみたくなる絶景ですが、ワタシ日向が選んだ「絶景ベスト5」には惜しくも入選しませんでした。ここを上まわる絶景ヒルクライムルートとは? 過去の連載で走った峠(坂道)のなかから、独断で選んでみました。
みなさんも走ったことがある場所かもしれませんよ。それでは、絶景ベスト5を発表!
INDEX
5位 千葉山(和歌山県有田郡有田川町)
みかん畑が広がる千葉山を駆け上がる日本のラルプデュエズ
千葉山へのオスススメの最寄り駅は伊勢本線の「藤並」駅。県道480号から千葉山へ向かうT字路がスタート地点。特別な目印はないけれど、有田川ウインドファームや、鷲ヶ峰コスモスパークを目指せばたどり着ける。標高542mの千葉山山頂を目指しても良いし、初めてなら風車を目指して頑張ろう!
「小さな山に幾重にも坂道が連なっている」(日向)
「日本のラルプデュエズ」との噂を聞きつけ訪れた千葉山。最寄り駅まで行って地元の人に聞いてみるも、「知らないなあ」。当時は一部のサイクリストにしか知られていない山でした。それらしき勾配がきつめの坂を走りはじめると、道の両脇にはみかん畑。本当にここなのかしら? 少し不安になり振り返ると、眼下にはワインディングロード。小さな山にギュッと坂道が凝縮されたように幾重にも坂道が連なっている!「おお、ラルプデュエズ!」本家本元のラルプデュエズを走ったことはないけどね(笑)。
千葉山のヒルクライムデータ
距離:8.7km
START地点:15m
平均勾配:6.0%
標高差:527m
GOAL地点:542m
4位 阿蘇大観峰(熊本県阿蘇郡)
世界に誇る阿蘇カルデラに引かれたワインディングロード
スタート地点の国造神社は阿蘇駅から10km弱。絶景が広がるミルクロードまでは3kmで平均勾配8%ほどの急坂。ミルクロードに出てからはアップダウンの繰り返しで、心地よく風を感じながら楽しめる。阿蘇随一のビュースポット阿蘇大観峰で世界最大級とも言われるカルデラを楽しめ、大パノラマに圧倒されるはず。
「どこを走っても絶景ロードの阿蘇」(日向)
取材時の裏話をすると、本来の目的地はここではなかったのです。「熊本に平均勾配15%、最大勾配27%あるけどピークから眺めるワインディングロードは感動必至」という坂があると聞き訪れたのですが、そこは私有地でした。がっかりしていると、後から同様にウワサを聞きつけ走りに訪れた男性クライマーが。話してみると自転車旅の途中で、「昨日走った坂もよかったですよ」と。教えていただいたのが阿蘇大観峰をピークとするヒルクライムコース。360度見渡せる大パノラマの絶景で緑も美しい! けがの功名。むしろこっちでよかったじゃん、と大満足。
阿蘇大観峰のヒルクライムデータ
距離:8.7km
START地点:15m
平均勾配:6.0%
標高差:527m
GOAL地点:542m
3位 八幡平アスピーテライン(岩手県八幡平市)
八幡平の大自然を堪能できるマウンテンロード
盛岡駅から最寄駅である松尾八幡平駅までは、JR花輪線で50分。そこからアスピーテラインの上り口までは約10km。上り口にある松尾八幡平ビジターセンターからスタートしたら、山頂の見返り峠まで上り続ける。視界のひらけた景観が続く美しいルートだ。ピークは標高1541m。展望台やレストハウスで休憩できる。
「春先は雪の回廊。避暑にはピッタリ!」(日向)
岩手で大槌新山高原ヒルクライムというレースがあり、「せっかく来たから」と大会翌日に訪れたのが八幡平アスピーテラインでした。前半は勾配がきついのか単に脚がないのか、「しんどい」という思い出しかありません(笑) ロケは5月でしたが、標高が上がるにつれて涼しく勾配がゆるやかになり、涼しいというか寒い。えっ、路肩に雪!? 調べてみたら道路が開通する4月中旬は雪の回廊が楽しめるそうですね。またその頃に走ってみたいな。もちろん、雪がない季節でも岩手山や九十九折りが広がりスケールの大きな景観を楽しめますよ。
八幡平アスピーテラインのヒルクライムデータ
距離:19.1km
START地点:458m
平均勾配:5.7%
標高差:1083m
GOAL地点:1541m
2位 高ボッチスカイライン&鉢伏高原スカイライン(長野県塩尻市)
この夏に走りたい、絶景広がる諏訪の奥座敷
諏訪湖の北側、高ボッチ山と鉢伏山をつなぐ全長約15㎞。下諏訪町の高ボッチスカイラインの起点から走りごたえ十分の林道が続き、なかなかハード。終盤は眼下には諏訪湖を眺められる。高ボッチ牧場から1㎞ほど下ると鉢伏高原スカイラインへ。終盤、高原を縫う細い坂道が続き、ゴール1㎞手前からの絶景に驚く!
「上ったものだけが突然出会える絶景」(日向)
取材するヒルクライムスポットに困ると、「ここらへん行けば何かしらいい坂がありそう」という地域があります。そんなノリで見つけたのがこちら。なので、景色はさほど期待しておらず、どちらかというと名前のインパクトで決めたような記憶があります。ところがですよ。上るにつれて視界が開け、「スカイライン」の名にふさわしい絶景。天気がいい日は八ヶ岳や富士山、北アルプスの山並みを望めます。サイクリストにひとりも出会わなかったのは、マイナー峠だからか、ワンウェイだからか。絶景を独り占めでした!
高ボッチスカイライン&鉢伏高原スカイラインのヒルクライムデータ
距離:14.4km
START地点:982m
平均勾配:5.9%
標高差:854m
GOAL地点:1836m
1位 磐梯吾妻スカイライン(福島県福島市)
世界に誇れる荒涼とした異世界感
東北新幹線の福島駅東口から続く県道70号線を、まっすぐ走り続けて磐梯吾妻の絶景へ。途中、標高1200m地点の不動沢橋も圧巻。ここから頂上までは7㎞ほどだ。ハイライトは、吾妻山の噴火口に近い標高1600mの浄土平手前4㎞ほど。吾妻山の噴火口「吾妻小富士」を見渡す標高1600mの浄土平レストハウス。
「ここでヒルクライムレースを開催希望! 」(日向)
ここを訪れるたび、「わざわざ海外まで行かなくてもいいのでは」と思えるスケールの大きさで世界に誇れるコース。ピークの浄土平が近づくと青い空と広漠とした風景に圧倒されます。初めて訪れたのは2016年。そのときは、「ここでレースが開催されたらいいな」と思っていましたが、2021年に「磐梯吾妻スカイラインヒルクライム(2days)」がついに実現。しかも大会ゲストとして! 私が、「一番好きなヒルクライムコースは磐梯吾妻スカイライン」と言っていたのを担当者が知ったからだとか。坂と両想いなの!?
磐梯吾妻スカイラインのヒルクライムデータ
距離:30km
START地点:72m
平均勾配:6.3%
標高差:1506m
GOAL地点:1578m
SHARE