ツアー・オブ・ジャパンが開幕、第１ステージはトリニティ旋風、クリテはバグラスが勝利

5月21日から28日の8日間にかけて、ツアー・オブ・ジャパン2023（以下、TOJ）が開催。
大会初日となる5月21日は大阪府堺市の大仙公園周辺コースで、第1ステージ・堺ステージに個人タイムトライアルが開催された。
2.6kmとタイムトライアルとしては短い距離ということもあり、上位勢は1秒以下の僅差と一つのミスも許されないパワーだけでなくテクニックも要求される難しいステージを制したのはトリニティ・レーシングのルーク・ランパーティ。20歳の若手選手が特別賞ジャージを総なめにした。

また、個人タイムトライアルを前に開催された堺国際クリテリウムでは、終盤に混戦となった展開からギリシャチャンピオンであるゲオルギオス・バグラス（マトリックスパワータグ）が集団スプリントを制した。

4年ぶりの開催となった堺ステージ

5月21日から28日の8日間にかけて、ツアー・オブ・ジャパン2023が開催。

大会初日となる5月21日は大阪府堺市の大仙公園周辺コースで、第1ステージ・堺ステージに個人タイムトライアルが開催された。

コースプレビュー等でお伝えしているとおり2023年のTOJは4年ぶりの「フルスペック開催」となり、堺ステージも4年ぶりの開催となった。1周2.6kmのコースを1周する形での個人タイムトライアルとして開催された日曜日の堺ステージには、アクセスの良さや天候の良さ、そして出場全選手を見ることができる等好条件が重なり、多くのファンがコースサイドで選手たちを応援する姿が見られた。

また、昨年まではファンとの交流が制限されていたが、今年は制限が緩和されたこともありブース等でサイン会が行われるなど、ウィズコロナ、アフターコロナを感じさせる堺ステージとなった。

堺国際クリテリウムはギリシャ王者ゲオルギオス・バグラス（マトリックスパワータグ）が制す

TOJとして個人タイムトライアルが開催される前に、前哨戦として堺国際クリテリウムが個人タイムトライアルと同じコースで開催。TOJの成績には反映されないものの、現時点での各チーム・選手の調子や、京都ステージや美濃ステージ、東京ステージに向けて各チームのスプリント力を確認できることもあり、スプリンターを抱えるチームを中心に注目が集まる。

TOJに出場するチーム・選手と同じ96名の選手たちがスタートラインに並ぶと、10周回、26.8kmのレースがスタート。

序盤からトリニティ・レーシングが先頭を固め、その他のチームは様子を見ながら少しずつ位置取りを始める。
残り5周あたりでスプリンターを抱えるチームが前方に集まり始め、各チームがトレインを組み始めると、残り2周あたりで宇都宮ブリッツェンやシマノレーシングの選手たちがトリニティ・レーシングに変わって集団先頭を固める。

残り1周に入るタイミングでギリシャ王者のゲオルギオス・バグラス（マトリックスパワータグ）のスプリントに向け、フランシスコ・マンセボを先頭にマトリックスパワータグが先頭に出ると、最後は少し混迷した形で20名ほどの集団スプリントに。

残り150mでルーク・ランパーティ（トリニティ・レーシング）が先頭に立つも、そのすぐ後ろからスプリントを開始したバグラスが残り100mあたりでランパーティより前に出て、そのままの勢いでバグラスが堺国際クリテリウムを制すこととなった。

ルーク・ランパーティ（トリニティ・レーシング）がトップタイム

堺国際クリテリウムやチームプレゼンテーションを終えた後、13時35分よりTOJ・第1ステージとして個人タイムトライアルのレースがスタート。

16チーム・16名の選手を1つのグループとし、選手間は30秒、グループ間でのインタバールは1分30秒という間隔で、スパークルおおいたの竹村拓を第一走者にレースがスタート。

第1グループを終えた段階ではファーガス・ブラウニング（トリニティ・レーシング）がトップタイムを出すと、第2グループで出走した橋本英也（チームブリヂストンサイクリング）がタイムを更新し、橋本がトップのまま前半となる第3グループの選手たちまでがフィニッシュを迎える。

その後、第4グループでスタートしたカーター・ベトルス（ヴィクトワール広島）やベンジャミ・プラデス（JCL TEAM UKYO)、 第5グループでスタートしたリアム・ジョンストン（トリニティ・レーシング）がトップタイムを更新する。

そして迎えた最終第6グループ。グループ最初にスタートした沢田桂太郎（スパークルおおいた）が暫定3位となる好タイムを出すと、最後から5番目の出走、クリテリウムでも2位に入ったルーク・ランパーティ（トリニティ・レーシング）がトップタイムを更新する。

昨年大会の総合優勝者であり、最終出走者であるネイサン・アール（JCL TEAM UKYO）がフィニッシュしてもランパーティのタイムを更新することができず、ランパーティの優勝、そしてリーダージャージであるグリーンジャージの獲得が決まった。

なお、日本人トップは、2019年に堺ステージを制し、今回は全体3位のタイムを出した岡 篤志（JCL TEAM UKYO）となった。

参加チーム

JCL TEAM UKYO（日本／CT）

トレンガヌ･ポリゴン･サイクリングチーム（マレーシア／CT）

アルマティ・アスタナ・モータース（カザフスタン／CT）

キナンレーシングチーム（日本／CT）

トリニティ･レーシング（イギリス／CT）

宇都宮ブリッツェン（日本／CT）

ソフェル・サヴィーニ・デュー・オムズ（ルーマニア／日本）

EFエデュケーション・NIPPOディベロップメントチーム（アメリカ／CT）

シマノレーシング（日本／CT）

マトリックス パワータグ（日本／CT）

愛三工業レーシングチーム（日本／CT）

チーム ブリヂストン サイクリング（日本／CT）

さいたま那須サンブレイブ（日本／CT）

グローバル6サイクリング（ニュージーランド／CT）

ヴィクトワール広島（日本／CT）

スパークルおおいた（日本／CT）

リザルト　第1ステージ・堺（2.6km/個人タイムトライアル）

1位：ルーク・ランパーティ（トリニティ・レーシング） 3分6秒34
2位：リアム・ジョンストン（トリニティ・レーシング） 3分7秒82
3位：岡 篤志（JCL TEAM UKYO） 3分8秒04
4位：ジャンバルジャムツ・セインベヤール（トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム） 3分8秒69
5位：沢田桂太郎（スパークルおおいた） 3分8秒86
6位：ベンジャミ・プラデス（JCL TEAM UKYO） 3分8秒94

リーダージャージ：ルーク・ランパーティ（トリニティ・レーシング）
スプリント賞ジャージ：ルーク・ランパーティ（トリニティ・レーシング）
山岳賞ジャージ：設定なし
新人賞ジャージ：ルーク・ランパーティ（トリニティ・レーシング）

大会公式サイトhttps://www.toj.co.jp