リム高40mm以下の軽量ホイールレビュー「Lún・MEGA D33 DISC BRAKE、HYPER D33 DISC BRAKE」編｜Lún

Bicycle Club編集部

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厳しい山岳やハードなアップダウンコースでサイクリストをサポートする軽量ホイール。そのなかからリムハイト40mm以下に絞ってオススメモデルを紹介。

今回はLún・「MEGA D33 DISC BRAKE」＆「HYPER D33 DISC BRAKE」編。バイシクルクラブ誌でおなじみのインプレッションライダー、管洋介とハシケンのレビューとともにお伝えする。

Lún・MEGA D33 DISC BRAKE

超高性能フルカーボンホイールながらパーツ調整や交換が可能！

2008年に大阪府で誕生したブランド「WINSPACE（ウィンスペース）」は、OEMで培ってきた技術を基に優れたカーボンフレームやパーツを生み出し、近年急速に実力を伸ばしてきたブランドだ。そんなウィンスペース内におけるホイールブランド「Lún（ルン）」は、2023年現在、多くのサイクリストの新しい脚になりつつある。

剛性向上やパワー伝達を目的にカーボンスポーク同士を結線。高級カーボンホイールのスポークで採用される方式だが、メンテナンスが可能なのは非常に稀だ

ルンの最新作にして最高傑作となるメガ D33は、カーボンハブフランジとカーボンスポークが一体構造になった超軽量・高剛性レーシングホイール。カーボンスポークを結線方式にすることで剛性向上やパワー伝達のよさに貢献。1200g台の軽さを武器に、ヒルクライムはもちろんアップダウンを含むレースで結果を出している。ハブフランジとスポークの一体構造でありながら、振れとり調整やスポーク交換が可能なのも特徴だ。

ハブフランジとカーボンスポークを一体化。セラミックベアリングの回転性能と合わせて最上級のパワー伝達やエアロ性能を実現。見た目も独創的だ

外幅27.6ｍｍ、内幅21mｍのワイドカーボンリム。チューブレスタイヤ規格に対応し、さらに対応タイヤ幅サイズは25～47mmと非常に範囲が広い

「革新的設計で走りが変わり、自己ベスト挑戦を後押してくれる」（ハシケン）

走りだした瞬間、ソリッドなフィーリングが体を駆け巡る。縦横剛性ともに高次元で、ペダルに伝えるパワーがタイムラグなくホイールを回転させる圧倒的な駆動剛性の高さ。バランスよく仕立てたハイパーの上をいく戦闘力を備えていると断言できる。ハイパー D33同様にカーボンスポーク採用ながら、よく見るとより扁平を強めたブレード形状で空力と剛性を高めている。

スポークはワイドなカーボンハブフランジに接着する一体構造としながら、ハブ本体にビス止めされ、破損時は左右一面ずつの交換が可能。しかもわずかな振れ調整も可能という斬新さ。その革新的設計だけでも存在価値がある。ヒルクライムなら自己記録への挑戦を必ず後押ししてくれるだろう。これまでの走りがガラッと変わることを約束する。

レビューライダーハシケン

自転車ジャーナリストとして全国で活躍するベテランライダー。完成車やパーツの短期的、長期的なレビューを得意とし、軽さや剛性に関しての感覚は特に鋭い。有名ヒルクライム大会の優勝者でもある

SPEC

Lún・MEGA D33 DISC BRAKE

39万円（前後セット）

●リム：カーボン　●ハブ：セラミックベアリング搭載オリジナル　●ディスクブレーキタイプ：センターロック　●リム高：35mm　●リム内幅：21mm　●リム外幅：27.6mm　●対応タイヤ：チューブレスレディー　●対応タイヤ幅：700×25 ～ 47mm　●重量：1287g（前後セット）　※６月発売予定

Lún・HYPER D33 DISC BRAKE

「ルン」の実力を知らしめる、ヒルクライム向けカーボンホイール

そうしてもうひとつ。ハイパー D33はルンのベストクライマーホイールであり、「2023年モデル」としてバージョンアップされているモデルでもある。高品質なカーボンスポーク、セラミックベアリング、バタフライエフェクトリムを採用していることを前提に、前モデルに対してユーザーから意見を広聴。

大きなハブフランジにカーボンスポークのヘッドを固定。17mmスルーアクスルはフレームやフォークとの相性もよく、スプリント時の反応性を高める

35mmハイトリムの誕生や約50gの重量削減も、そうしたユーザーからのリクエストにより形作られている。他に類をみない性能と価格の好バランスを実現する注目ブランド、それがルンだ。

ルンのアイコンともいえるカーボンスポーク。従来のスチールスポ－クより軽量で強度が高められる。ハイパーはメガとは異なり結線はされていない

ハブには高品質なセラミックベアリングを採用。ベアリング自体の寿命を延ばしつつ、走行時の転がり抵抗を低減している

「キャラ立ちする華やかさをもった実力派。あらゆる路面でアドバンテージが得られる」（管洋介）

その乗り味はまさに実力派。軽量高強度なカーボンスポークとドライブ側のスポーク角度の最適化から生み出される駆動反応力の機敏さが際立つ。セラミックベアリングのスムーズな回転とスポークとの高マッチングは、トルクをかけている際により高く感じられる。重量は前後で1330g、スピードの慣性と低速時の駆動の軽さがちょうどよく重なり、あらゆる路面でアドバンテージが得られる。