【保存版】ツール・ド・フランス2023チームリスト&コースプレビュー
Bicycle Club編集部
- 2023年06月20日
INDEX
ツール・ド・フランス2023 チームリスト
※印はヤングライダー賞(25歳以下)対象選手
ユンボ・ヴィスマ
1 ヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ、デンマーク)
2 ティシュ・ベノート(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)
3 ウィルコ・ケルデルマン(ユンボ・ヴィスマ、オランダ)
4 セップ・クス(ユンボ・ヴィスマ、アメリカ)
5 クリストフ・ラポルト(ユンボ・ヴィスマ、フランス)
6 ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)
7 ディラン・ファンバーレ(ユンボ・ヴィスマ、オランダ)
8 ネイサン・ファンホーイドンク(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)
UAEチームエミレーツ
11 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)※
12 ミッケル・ビョーグ(UAEチームエミレーツ、デンマーク)※
14 フェリックス・グロスチャートナー(UAEチームエミレーツ、オーストリア)
15 ヴェガールスターケ・ラエンゲン(UAEチームエミレーツ、ノルウェー)
16 ラファウ・マイカ(UAEチームエミレーツ、ポーランド)
17 マルク・ソレル(UAEチームエミレーツ、スペイン)
18 マッテオ・トレンティン(UAEチームエミレーツ、イタリア)
19 アダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ、イギリス)
イネオス・グレナディアーズ
21 エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)
22 ジョナタン・カストロビエホ(イネオス・グレナディアーズ、スペイン)
23 オマール・フライレ(イネオス・グレナディアーズ、スペイン)
24 ミハウ・クフィアトコフスキ(イネオス・グレナディアーズ、ポーランド)
25 ダニエル・マルティネス(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)
26 トーマス・ピドコック(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)※
27 カルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアーズ、スペイン)※
28 ベン・ターナー(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)※
グルパマ・エフデジ
31 ダヴィド・ゴデュ(グルパマ・エフデジ、フランス)
32 ケヴィン・ゲニエッツ(グルパマ・エフデジ、ルクセンブルク)
33 シュテファン・キュング(グルパマ・エフデジ、スイス)
34 オリヴィエ・ルガック(グルパマ・エフデジ、フランス)
35 ヴァランタン・マデュアス(グルパマ・エフデジ、フランス)
36 カンタン・パシェ(グルパマ・エフデジ、フランス)
37 ティボー・ピノ(グルパマ・エフデジ、フランス)
38 ラルス・ファンデンベルフ(グルパマ・エフデジ、オランダ)※
EFエデュケーション・イージーポスト
41 リチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト、エクアドル)
42 アンドレイ・アマドール(EFエデュケーション・イージーポスト、コスタリカ)
43 アルベルト・ベッティオル(EFエデュケーション・イージーポスト、イタリア)
44 エステバン・チャベス(EFエデュケーション・イージーポスト、コロンビア)
45 マグナス・コルト(EFエデュケーション・イージーポスト、デンマーク)
46 ニールソン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト、アメリカ)
47 ジェームズ・ショー(EFエデュケーション・イージーポスト、イギリス)
48 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーション・イージーポスト、コロンビア)
スーダル・クイックステップ
51 ジュリアン・アラフィリップ(スーダル・クイックステップ、フランス)
52 カスパー・アスグリーン(スーダル・クイックステップ、デンマーク)
53 レミ・カヴァニャ(スーダル・クイックステップ、フランス)
54 ティム・デクレルク(スーダル・クイックステップ、ベルギー)
55 ドリース・デヴェナインス(スーダル・クイックステップ、ベルギー)
56 ファビオ・ヤコブセン(スーダル・クイックステップ、オランダ)
57 イヴ・ランパールト(スーダル・クイックステップ、ベルギー)
58 ミケル・モルコフ(スーダル・クイックステップ、デンマーク)
バーレーン・ヴィクトリアス
62 ミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)
63 ニキアス・アルント(バーレーン・ヴィクトリアス、ドイツ)
64 フィル・バウハウス(バーレーン・ヴィクトリアス、ドイツ)
65 ペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)
66 ジャック・ヘイグ(バーレーン・ヴィクトリアス、オーストラリア)
67 マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス、スロベニア)
68 ワウト・プールス(バーレーン・ヴィクトリアス、オランダ)
69 フレッド・ライト(バーレーン・ヴィクトリアス、イギリス)※
ボーラ・ハンスグローエ
71 ジャイ・ヒンドレー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストラリア)
72 エマヌエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)
73 マルコ・ハラー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)
74 ボブ・ユンゲルス(ボーラ・ハンスグローエ、ルクセンブルク)
75 パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)
76 ヨルディ・メーウス(ボーラ・ハンスグローエ、ベルギー)※
77 ニルス・ポリッツ(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)
78 ダニー・ファンポッペル(ボーラ・ハンスグローエ、オランダ)
リドル・トレック
81 ジュリオ・チッコーネ(リドル・トレック、イタリア)
82 トニー・ガロパン(リドル・トレック、フランス)
83 マティアス・スケルモース(リドル・トレック、デンマーク)※
84 アレックス・キルシュ(リドル・トレック、ルクセンブルク)
85 フアン・ロペス(リドル・トレック、スペイン)
86 マッズ・ピーダスン(リドル・トレック、デンマーク)
87 クイン・シモンズ(リドル・トレック、アメリカ)※
88 ヤスパー・ストゥイヴェン(リドル・トレック、ベルギー)
アージェードゥーゼール・シトロエン チーム
91 ベン・オコーナー(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、オーストラリア)
92 クレマン・ベルテ(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)
93 ブノワ・コスヌフロワ(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)
94 スタン・デウルフ(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、ベルギー)
95 フェリックス・ガル(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、オーストリア)※
96 オリヴェル・ナーセン(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、ベルギー)
97 オレリアン・パレパントル(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)
98 ナンス・ペテルス(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)
アルペシン・ドゥクーニンク
101 マチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク、オランダ)
102 シルヴァン・ディリエ(アルペシン・ドゥクーニンク、スイス)
103 ミヒャエル・ゴグル(アルペシン・ドゥクーニンク、オーストリア)
104 クインテン・ヘルマンス(アルペシン・ドゥクーニンク、ベルギー)
105 セーアンクラーウ・アナスン(アルペシン・ドゥクーニンク、デンマーク)
106 ヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク、ベルギー)※
107 ヨナス・リカールト(アルペシン・ドゥクーニンク、ベルギー)
108 ラモン・シンケルダム(アルペシン・ドゥクーニンク、オランダ)
アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ
111 ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ、エリトリア)※
112 リリアン・カルメジャーヌ(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ、フランス)
113 ルイ・コスタ(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ、ポルトガル)
114 ルイス・メインチェス(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ、南アフリカ)
115 アドリアン・プティ(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ、フランス)
116 ディオン・スミス(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ、ニュージーランド)
117 マイク・トゥーニッセン(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ、オランダ)
118 ゲオルク・ツィマーマン(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ、ドイツ)
コフィディス
121 ギヨーム・マルタン(コフィディス、フランス)
122 ブライアン・コカール(コフィディス、フランス)
123 シモン・ゲシュケ(コフィディス、ドイツ)
124 ヨン・イサギレ(コフィディス、スペイン)
125 ヴィクトル・ラフェ(コフィディス、フランス)
126 アントニー・ペレス(コフィディス、フランス)
127 アレクシー・ルナール(コフィディス、フランス)
128 アクセル・ジングレ(コフィディス、フランス)
モビスター チーム
131 エンリク・マス(モビスター チーム、スペイン)
132 ルーベン・ゲレイロ(モビスター チーム、ポルトガル)
133 アレックス・アランブル(モビスター チーム、スペイン)
134 ゴルカ・イサギレ(モビスター チーム、スペイン)
135 マッテオ・ヨルゲンソン(モビスター チーム、アメリカ)※
136 グレゴール・ミュールベルガー(モビスター チーム、オーストリア)
137 ネルソン・オリヴェイラ(モビスター チーム、ポルトガル)
138 アントニオ・ペドレロ(モビスター チーム、スペイン)
チーム ディーエスエム・フィルメニッヒ
141 ロマン・バルデ(チーム ディーエスエム・フェルメニッヒ、フランス)
142 ジョン・デゲンコルプ(チーム ディーエスエム・フェルメニッヒ、ドイツ)
143 マチュー・ディナム(チーム ディーエスエム・フェルメニッヒ、オーストラリア)※
144 アレクサンダー・エドモンソン(チーム ディーエスエム・フェルメニッヒ、オーストラリア)
145 ニルス・エーコフ(チーム ディーエスエム・フェルメニッヒ、オランダ)※
146 クリストファー・ハミルトン(チーム ディーエスエム・フェルメニッヒ、オーストラリア)
147 ケヴィン・ヴェルマーク(チーム ディーエスエム・フェルメニッヒ、アメリカ)※
148 サム・ウェルスフォード(チーム ディーエスエム・フェルメニッヒ、オーストラリア)
イスラエル・プレミアテック
151 マイケル・ウッズ(イスラエル・プレミアテック、カナダ)
152 ギヨーム・ボワヴァン(イスラエル・プレミアテック、カナダ)
153 サイモン・クラーク(イスラエル・プレミアテック、オーストラリア)
154 ユーゴ・ウル(イスラエル・プレミアテック、カナダ)
155 クリスツ・ニーランズ(イスラエル・プレミアテック、ラトビア)
156 ニコラス・シュルツ(イスラエル・プレミアテック、オーストラリア)
157 コービン・ストロング(イスラエル・プレミアテック、ニュージーランド)※
158 ディラン・トゥーンス(イスラエル・プレミアテック、ベルギー)
チーム ジェイコ・アルウラー
161 サイモン・イェーツ(チーム ジェイコ・アルウラー、イギリス)
162 ローソン・クラドック(チーム ジェイコ・アルウラー、アメリカ)
163 ルーク・ダーブリッジ(チーム ジェイコ・アルウラー、オーストラリア)
164 ディラン・フルーネウェーヘン(チーム ジェイコ・アルウラー、オランダ)
165 クリス・ハーパー(チーム ジェイコ・アルウラー、オーストラリア)
166 クリストファー・ユールイェンセン(チーム ジェイコ・アルウラー、デンマーク)
167 ルカ・メズゲッツ(チーム ジェイコ・アルウラー、スロベニア)
168 エルマール・ラインダルス(チーム ジェイコ・アルウラー、オランダ)
チーム アルケア・サムシック
171 ワレン・バルギル(チーム アルケア・サムシック、フランス)
172 イエンセ・ビールマンス(チーム アルケア・サムシック、ベルギー)
173 クレモン・シャンプッサン(チーム アルケア・サムシック、フランス)※
174 アントニー・ドゥラプラス(チーム アルケア・サムシック、フランス)
175 シモン・グリエルミ(チーム アルケア・サムシック、フランス)
176 マティス・ルベール(チーム アルケア・サムシック、フランス)※
177 ルーカ・モッツァート(チーム アルケア・サムシック、イタリア)※
178 ローラン・ピション(チーム アルケア・サムシック、フランス)
ロット・デスティニー
181 カレブ・ユアン(ロット・デスティニー、オーストラリア)
182 ヴィクトル・カンペナールツ(ロット・デスティニー、ベルギー)
183 ヤスペル・デブイスト(ロット・デスティニー、ベルギー)
184 パスカル・エインコールン(ロット・デスティニー、オランダ)
185 フレデリック・フリソン(ロット・デスティニー、ベルギー)
186 ジャコポ・グアルニエーリ(ロット・デスティニー、イタリア)
187 マキシム・ファンヒルス(ロット・デスティニー、ベルギー)※
188 フロリアン・フェルミールス(ロット・デスティニー、ベルギー)※
アスタナ・カザクスタン チーム
191 マーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザクスタン チーム、イギリス)
192 ケース・ボル(アスタナ・カザクスタン チーム、オランダ)
193 ダビ・デラクルス(アスタナ・カザクスタン チーム、スペイン)
194 エフゲニー・フェドロフ(アスタナ・カザクスタン チーム、カザフスタン)※
195 アレクセイ・ルツェンコ(アスタナ・カザクスタン チーム、カザフスタン)
196 ジャンニ・モスコン(アスタナ・カザクスタン チーム、イタリア)
197 ルイスレオン・サンチェス(アスタナ・カザクスタン チーム、スペイン)
198 アロルド・テハダ(アスタナ・カザクスタン チーム、コロンビア)
ウノエックス・プロサイクリングチーム
201 アレクサンダー・クリストフ(ウノエックス・プロサイクリングチーム、ノルウェー)
202 ヨナス・アブラハムセン(ウノエックス・プロサイクリングチーム、ノルウェー)
203 アントン・チャーム(ウノエックス・プロサイクリングチーム、デンマーク)※
204 トビアス・ヨハンネセン(ウノエックス・プロサイクリングチーム、ノルウェー)※
205 ラスムス・ティレル(ウノエックス・プロサイクリングチーム、ノルウェー)
206 トースタイン・トレーエン(ウノエックス・プロサイクリングチーム、ノルウェー)
207 ソーレン・ヴァーレンショルト(ウノエックス・プロサイクリングチーム、ノルウェー)※
208 ヨナス・グレゴー(ウノエックス・プロサイクリングチーム、デンマーク)
トタルエナジーズ
211 ペテル・サガン(トタルエナジーズ、スロバキア)
212 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(トタルエナジーズ、ノルウェー)
213 マチュー・ビュルゴドー(トタルエナジーズ、フランス)※
214 ステフ・クラス(トタルエナジーズ、ベルギー)
215 ヴァランタン・フェロン(トタルエナジーズ、フランス)※
216 ピエール・ラトゥール(トタルエナジーズ、フランス)
217 ダニエル・オス(トタルエナジーズ、イタリア)
218 アントニー・テュルジス(トタルエナジーズ、フランス)
ツール・ド・フランス2023 コースプレビュー
7月1日 第1ステージ ビルバオ~ビルバオ 182km 丘陵
2023年大会のグランデパール(開幕地)は、スペインはバスク自治州のビルバオ。フランス国外での開幕は2年連続25回目で、スペインでは1992年のサン・セバスティアン開幕以来となる31年ぶり2回目。6月29日にグッゲンハイム美術館で行われるチームプレゼンテーションで顔見せした選手たちが、いよいよ3週間の長旅へ一歩を踏み出す。サッカー・リーガエスパニョーラの名門、アスレティック・ビルバオのホームスタジアムである「エスタディオ・サン・マメス」をスタートし、ビスケー湾沿いやバスクの象徴であるゲルニカを通過。2級から4級まで5つのカテゴリー山岳が設けられるコースは、主催者いわく「史上最難関の第1ステージ」。フィニッシュ前約40kmからの4級コル・ド・モルガ(登坂距離4km、平均勾配4.1%)、2級コート・ド・ビベロ(4.2km、7.3%)、3級コート・ド・ピケ(2km、10%、最大勾配15.6%)が集団をふるいにかける。ピケの頂上には8秒・5秒・2秒のボーナスタイムがあり、そこからはビルバオ市街地へのダウンヒル。大会初日から獲得標高3300m、先々のマイヨ・ジョーヌ争いにも影響を与えかねない1日である。
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ツール・ド・フランス2023 第1ステージ
7月2日 第2ステージ ビトリア・ガスティス~サン・セバスティアン 208.9km 丘陵
バスク自治州の州都であるビトリア・ガスティスをスタートし、31年前のツール開幕地にして、夏のワンデークラシックや映画祭でもおなじみのサン・セバスティアンを目指す。今大会ステージ平均距離は169kmで、最長ステージがこの日の208.9km。近年のロードレースのトレンドに沿った格好だ。スタートから約40kmで中間スプリントポイントが置かれ、そこからは前日同様に丘陵地帯を進む。勝負どころは、フィニッシュ前16.5kmに待つ2級山岳ハイスキベル(登坂距離8.1km、平均勾配5.3%)。バスク開催のレースではもれなく上る伝統の坂(今回は普段とは逆走する)を越えたら、海を臨むサン・セバスティアンのフィニッシュラインへと急がねばならない。
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ツール・ド・フランス2023 第2ステージ
7月3日 第3ステージ アモレビエタ・エチャノ~バイヨンヌ 187.4km 平坦
チームプレゼンテーションも含めて数日間過ごしたスペイン・バスク自治州に別れを告げ、フランスに入国する。行程のおおよそ3分の2ほどをスペイン側でこなしてから、国境を越えてフランス側のバスク地域「フレンチバスク」へ。4カ所あるカテゴリー山岳はすべてスペイン側で、フランス入国後は細かい上りこそあれどスプリンターでも対応できそうだ。とりわけ、最後の約20kmは下り基調。今大会最初の平坦ステージは、スプリント狙いのチームによる激しい位置取り争いが見られそうだ。
7月4日 第4ステージ ダックス~ノガロ 181.8km 平坦
フィニッシュ前27kmでこの日唯一のカテゴリー山岳である4級の上りが控えるが、スプリント狙いのチームを悩ませるほどではなさそうだ。おおむね東に進行したのち、終盤に入ってぐるりと方向を西へ転換。むしろ、ポイントとなるのは風かもしれない。フィニッシュはフランス最古の常設サーキットである「シルキュイ・ポール・アルマニャック(ポール・アルマニャック・サーキット)」。ツールではこれが初登場のランドマークだ。
7月5日 第5ステージ ポー~ラランス 162.7km 山岳
今大会最初の本格山岳にして、ピレネー山脈入り。おなじみポーを出発すると、ちょうどルートの真ん中で超級山岳コル・ド・スデ(登坂距離15.2km、平均勾配7.2%)を上る。3級の上りを挟んで、この日の最後は1級山岳コル・ド・マリー・ブランク(7.7km、8.6%、最大勾配13.6%)へ。頂上に近づくにつれて勾配が急になっていく。残りの18.5kmはテクニカルな下りと平坦路。ほぼ同じルートを採用した3年前はタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)が勝利を収めている。
7月6日 第6ステージ タルブ~コトレ・カンバスク 144.9km 山岳
今大会1つ目となる山頂フィニッシュ。スタートして少しずつピレネーの山岳路に入っていくと、レース中盤から上級カテゴリーの上りが続々登場。1級コル・ド・アスパン(登坂距離12km、平均勾配6.5%)に始まり、超級山岳トゥールマレー(17.1km、7.3%)では標高2115mまで。ここには最高標高地点である「ジャック・ゴデ賞」が設けられる。31kmものダウンヒルをこなしたら、フィニッシュラインが敷かれる1級のコトレ・カンバスクへ。登坂距離16km、平均勾配5.4%は、緩斜面から突如10%の急斜面へ。最低限、ミスせずマイヨ・ジョーヌが視野に入るポジションで走り終えておくことが大切になる。
7月7日 第7ステージ モン・ド・マルサン~ボルドー 169.9km 平坦
ピレネーに別れを告げて、フランス中央部へと少しずつ移動を開始。大会ディレクターのクリスティアン・プリュドム氏をして「逃げのチャンスはないはず」と言わしめるほどのスプリンター向けステージ。風次第でプロトンの動きに何らかの変化があるかもしれないが、おおむねスプリンターチームが中心となって進んでいくことだろう。フィニッシュはボルドー市民の誇りであるカンコンス広場近く。
7月8日 第8ステージ リブルヌ~リモージュ 200.7km 丘陵
一見スプリンターでもこなせそうなコース設定だが、後半のアップダウンはなかなか厄介だとの見方が強い。特にフィニッシュ前15kmから連続して上り下りする4級山岳2カ所は平均勾配が約5%。どちらも1kmほどの登坂だが、各チームが隊列を組んで勢いよくこの区間に飛び込んでいくだろう。上り終えた時点で、前線に残るスプリンターはどの程度か。
7月9日 第9ステージ サンレオナール・ド・ノブラ~ピュイ・ド・ドーム 182.4km 山岳
フランス中央部の火山ピュイ・ド・ドームに、ツール・ド・フランスが35年ぶりに帰還する。このステージだけで獲得標高は約3600m。スタートして30kmほどで中間スプリントポイントが設けられており、そこまではスプリンターたちが主役。その後は各チームが戦術に基づいてレースを進めていくことだろう。勝負はピュイ・ド・ドーム一択。登坂距離13.3km、平均勾配7.7%、最後の約4kmは12%前後の急勾配が続き、選手たちの脚を削っていく。この頂上を制した選手がマイヨ・ジョーヌ争いで優位に立つのか、有力どころが様子を見ながら第1週の最終日を終えるのか。それ次第で、大会中盤以降の展開が変わってくる。
7月10日 休息日
7月11日 第10ステージ ヴュルカニア~イソワール 167.2km 丘陵
1回目の休息日を終えて、第2週も引き続き中央山塊を走る。2級から3級の上りが5つ置かれるルートは、全体的に見れば逃げ屋にピッタリと思えるが、どこで逃げが容認されるのかが見もの。スタートして早々に3級の上りが始まり、60km近く進んだところで中間スプリントポイントがあるなど、各チーム・選手の思惑もあれこれと働きそうだ。この日最後のカテゴリー山岳からフィニッシュまでは約40km。イソワールの街へ向かって駆け下っていく。
7月12日 第11ステージ クレルモン・フェラン~ムーラン 179.8km 平坦
ツール史上初登場となるムーランにフィニッシュ。同地が属するアリエ県としても大会の初誘致がかない、これで96あるフランス本土・島嶼(海外県をのぞく)すべてをツールが網羅することになる。そんな歴史的な1日だが、主催者によれは同県は「脚を痛める」上りがいくつかあるという。全体的には平坦基調で、最終局面はムーランの中心部に向かって1300mの直線だ。
7月13日 第12ステージ ロアンヌ~ベルヴィル・アン・ボージョレ 168.8km 丘陵
この日こそ逃げ向きのステージか。数日前にはワインどころボルドーを走ったが、今度はボージョレ・ヌーヴォーの産地を行く。ブドウ畑を縫って走り、フィニッシュ前約43kmの2級山岳コル・ド・ラ・クロワ・モンタン(登坂距離5.5km、平均勾配6.1%)と、同じく28km手前のコル・ド・ラ・クロワ・ロジエ(5.3km、7.6%)が勝負どころ。この2つを越えた時点で、逃げメンバーがメイン集団に対してどれだけのリードを持っているかでステージ優勝争いの行方が分かることだろう。上り基調の最終局面も見もの。
7月14日 第13ステージ シャティヨン・シュル・シャラロンヌ~グラン・コロンビエ 137.8km 山岳
フランス革命記念日に、今年も主催者は疑う余地のないコースを用意した。スタートから平坦区間を長く走り、無印の上りをこなしたら、目の前には名峰グラン・コロンビエがそびえる。登坂距離17.4km、平均勾配7.1%の上りは、もちろん今回もキュロズの街から上り始める。断続的の緩急の変化があり、中腹前後で最大勾配12%の区間が待つ。一瞬平らになって、最後の3.4kmで再度急坂アタック。10%超の最終局面をこなしてフィニッシュへ。大観衆が沿道を埋め尽くし、それを縫うように選手たちはクライミングをする。このステージで、マイヨ・ジョーヌ争いの動向がくっきりとするだろうか。
7月15日 第14ステージ アヌマス~モルズィヌ・レ・ポルト・デュ・ソレイユ 151.8km 山岳
前日に大会第2週のヤマ場をクリアしたと思いきや、この日も獲得標高4200mを数える山岳ステージ。アルプスの山々へ本格的に挑んでいく1日は、スイス国境近くを走る。3級山岳コル・ド・サエル(登坂距離4.2km、平均勾配4.6%)、1級山岳コル・ド・ク(7km、7.4%)、1級山岳コル・ド・フ(5.8km、7.8%)と立て続けに上って、後半ではコル・ド・ラ・ラマズ(13.9km、7.1%)、そして最難関の超級山岳コル・ド・ジュ・プラーヌ(11.6km、8.5%)へ飛び込む。タフな上りもさることながら、どの山も下りがテクニカル。とりわけ、ジュ・プラーヌからモルジヌへはフィニッシュめがけてのハイスピードダウンヒルになることが必至。個人総合上位陣が追いかけっこになると、それはより一層スリリングな状況となっていく。
7月16日 第15ステージ レ・ジェ・レ・ポルト・デュ・ソレイユ~サン・ジェルヴェ・モン・ブラン 179km 山岳
マイヨ・ジョーヌ争いの人数が確実に絞り込まれるであろう1日。前半のうちに中間スプリントポイントでの収集合戦が終わったら、主役は個人総合上位陣へと移る。1級山岳コル・ド・ラ・フォルクラ・ド・モンマン(登坂距離7.2km、平均勾配7.3%)、同じく1級山岳コル・ド・ラ・クロワ・フリー(11.3km、7%)は、覇権争いの有資格者を決める重要な上り。3級、2級とカテゴリー山岳を越えると、いよいよ勝負の1級山岳サン・ジェルヴェ・モン・ブラン(7km、7.7%)へ。直前の2級の上りで17%の急坂をこなしている選手たちにとって、フィニッシュまでの10%前後の斜面はどう感じるだろうか。誰がどこでアタックを成功させるか。走り終えた時点でのタイム差次第で、一気に流れを引き寄せることだってあり得る。
7月17日 休息日
7月18日 第16ステージ パシー~コンブルー 22.4km 個人タイムトライアル
今大会唯一の個人タイムトライアルステージ。この3週間を象徴するかのように、コースは山岳TTの趣。特に、終盤に控える2級山岳コート・ド・ドマンシー(登坂距離2.5km、平均勾配9.4%)をいかに攻略するかがカギ。マイヨ・ジョーヌを着る選手がここで一歩抜け出すか、はたまた混戦の色合いがさらに濃くなるか。先々を占ううえでも大事な一戦になる。
7月19日 第17ステージ サン・ジェルヴェ・モン・ブラン~クールシュヴェル 165.7km 山岳
前日の個人TTでのタイム差を受けて迎える、獲得標高5000m超えのステージ。1級山岳コル・デ・セジー(登坂距離13.4km、平均勾配5.1%)、同じく1級山岳コルメ・ド・ロズラン(19.9km、6%)と2つの長い上りをこなし、2級山岳を挟んでいよいよ今大会屈指の難所であるコル・ド・ラ・ローズへ。登坂距離は28.1kmを数え、平均勾配の6%は中腹の平坦と下りの区間を含めての数字。頂上に近づくにつれて勾配の厳しさは増し、最大勾配24%にまで達する。頂上には8秒・5秒・2秒のボーナスタイムも設けられ、マイヨ・ジョーヌ争いの重要ファクターとなり得る。標高2304mまで上ったら、一度下ってクールスヴェルのエアポートに敷かれるフィニッシュラインめがけて最後の登坂。オーラスにも18%の急坂が待ち受ける。
7月20日 第18ステージ ムチエ~ブール・カン・ブレス 184.9km 平坦
アルプスの山々を耐え抜いたスプリンターが、溜めに溜めてきたパワーを発揮する場。消耗度合いが気になるところだが、ここまでくればタフな選手が真価を見せることだろう。ポイント賞争いがもつれているようであれば、ここからの2ステージで勝負がかかる。
7月21日 第19ステージ モワラン・アン・モンターニュ~ポリニー 172.8km 平坦
前日に続く平坦ステージは、細かな高低の変化があるものの「スプリントトレインを妨げるものにはならない」と主催者。とはいえ、大会終盤の平坦路では波乱が起きがち。フィニッシュ前26kmの3級山岳では、何かをたくらむ選手たちの格好のポイントでもある。スプリンターチームがどれだけプロトンを統率できるかがレース展開を決めることになる。
7月22日 第20ステージ ベルフォール~ル・マルクシュタイン・フェルラン 133.5km 山岳
2023年大会の最終決戦地はヴォージュ山脈。133.5kmと短い中に6つのカテゴリー山岳を詰め込んだ「アルザス風メニュー」は、マイヨ・ジョーヌをかけた捨て身の攻撃を図るには十二分な舞台。山岳賞のマイヨ・ア・ポワ争いの状況によっても、何か動きが変わってきそうだ。重要局面は残り36kmから始まる1級山岳プティ・バロン(登坂距離9.3km、平均勾配8.1%)と、1級山岳コル・デュ・プラッツァーヴァーゼル(7.1km、8.4%)。実質今大会最後の本格登坂であるプラッツァーヴァーゼルは緩急の変化が交互にやってきて、登坂リズムにも影響がありそう。逆転をかける選手は何としても動かねばならないが、一方でマイヨ・ジョーヌをキープしたい側はディフェンシブな走りに終始できそうでもある。この頂上からフィニッシュまでは約8kmの平坦路。これを走り終えた時点で、今大会の覇者が事実上決定する。
7月23日 第21ステージ サンカンタン・アン・イヴリーヌ~パリ・シャンゼリゼ 115.1km 平坦
前日まで激しい争いを演じてきた選手たちが、ついにパリへと凱旋する。この日の出発地サンカンタン・アン・イヴリーヌは、2024年パリ五輪自転車競技の会場が設けられる。スタートからしばしパレード走行で、申し訳程度の4級山岳も「ケーキの上のチェリー」とでもいえようか。ルーヴル美術館の敷地内を進み、58.9km地点でシャンゼリゼの周回コースへ。そこでいよいよ“レース開始”となるわけだが、もしかするとこれが最後のツールとなるマーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザクスタン チーム、イギリス)やペテル・サガン(トタルエナジーズ、スロバキア)らのお別れ走行が少しばかり設けられるかもしれない。9周回したのち、スプリンターをして「世界スプリント選手権」と言わしめるほどの夢のあるスピード決戦がやってくる。そして、3週間の戦いに終止符が打たれ、2023年大会の王者、各賞が正式に決定する。
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- TEXT:福光俊介 Photo: A.S.O./Morgan Bove A.S.O./Jonathan Biche Syunsuke FUKUMITSU
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Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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