鎌田晃輝が津田、上野との接戦を制してU23日本チャンピオン｜ロードレース全日本選手権

6月23日から25日の3日間、静岡県伊豆市にある日本サイクルスポーツセンター（以下、日本CSC）で、男女エリートおよびU23、マスターズ、パラサイクリングカテゴリーのロードレース全日本選手権が開催されている。

大会2日目となる6月24日は男子U23および女子エリート+U23の個人ロードレースが開催され、男子U23では昨年のインターハイ・男子個人ロードレースで優勝を飾っているVC FUKUOKAの鎌田晃輝が3名の選手によるゴールスプリントを制し、U23カテゴリ1年目にして男子U23全日本チャンピオンのタイトルを獲得した。

牽制状態のなか、神村（早稲田大）が単独でアタック

大会2日目となる6月24日は午前には男子U23のレースが、午後には女子エリート+U23のレースが開催された。

前日以上の好天に恵まれた日本CSCでは男子U23のレーススタート時刻である8時00分を前に気温も上がりはじめ、前日以上に暑くなることが想定できるようなコンディションの中でのレースとなった。

男子U23カテゴリーのレースでは124名の選手がスタートラインにつき、8kmのコースを14周する112kmのレースが8時00分にスタートを切った。

レース序盤はある種の牽制状態のような展開が続き、アタックする選手はいるもののすぐに集団に吸収される形で4周回目を終えた段階でも大集団一つの展開に。

このまま行き詰まりの状態が続くかと思われた矢先、5周目に神村泰輝（早稲田大学）が単独でアタックし、集団と25秒程度のタイムギャップをつけて単独先行する。
6周目に入っても神村単独の状況は続き、レースがようやく動き始めた。

追走に次ぐ追走から14名の選手が先頭集団を形成

7周目には神村への追走の動きが出始め、犬伏輝斗（中央大学）が神村に追いつくと、さらに佐藤 光（さいたま那須サンブレイブ)や矢萩悠也（京都産業大学）らが追走の動きを見せる。

佐藤は神村、犬伏に追いつくと、そのままの勢いで単独先頭となり、メイン集団とのタイムを50秒にまで広げる。

佐藤以外はメイン集団に吸収され、このまま佐藤単独の展開が続くかと思われた矢先、9周目には20名弱の選手が先頭集団を形成し、メイン集団は崩壊。先頭集団以外は数名の選手がバラバラとパックを組むような形となり、事実上先頭集団がメイン集団という状況に。

さらに10周目には先頭は以下の14名となる。
・横矢 峻/阿部 源（アヴニールサイクリング山梨）
・梅澤幹太/津留 崚（鹿屋体育大学）
・津田悠義（キナンレーシングチーム）
・高梨万里王（レバンテフジ静岡）
・天野壮悠（シマノレーシング）
・佐藤 光（さいたま那須サンブレイブ）
・鎌田晃輝（VC FUKUOKA）
・上野颯斗（京都産業大学）
・五十嵐洸太（弱虫ペダルサイクリングチーム）
・初川弘浩（中京大学）
・比嘉祐貴（日本体育大学）
・林原聖真（明治大学）

レース終盤には先頭集団が5名に

14名の先頭集団から初川が単独で抜け出し、さらに7名の選手が追走に入る。
初川をキャッチするタイミングで津田がアタックを仕掛け、さらに人数を絞り込もうと動き始める。

津田や鎌田らが積極的にアタックを仕掛ける中、上野が落車し先頭集団から少し遅れてしまう。
12周目時点で先頭集団は5名にまで絞り込まれ、さらに佐藤がドロップするなか上野が先頭に復帰し、以下の5名のまま最終周回へ。
・津田悠義（キナンレーシングチーム）
・天野壮悠（シマノレーシング）
・鎌田晃輝（VC FUKUOKA）
・上野颯斗（京都産業大学）
・五十嵐洸太（弱虫ペダルサイクリングチーム）

U23カテゴリー1年目の鎌田晃輝がタイトルを獲得

最終周回に入ってもアタックは続き、天野と五十嵐がドロップする形でフィニッシュ地点となるホームストレートには津田、鎌田、上野の3名が集団で姿を見せる。

鎌田を先頭に残り150m地点を通過すると、鎌田がそのままの勢いでもがき始める。津田が鎌田のすぐ後ろにつく一方で、上野は若干遅れてしまい、優勝争いは津田と鎌田に絞られる。

津田が鎌田に並びかけようと横に出るものの、鎌田の横に並びかけることができず、フィニッシュライン手前で津田も遅れてしまう。

勝利を確信した鎌田はフィニッシュライン上で力強いガッツポーズを見せ、U23カテゴリー1年目でU23全日本チャンピオンのタイトルを獲得。昨年のインターハイ・男子個人ロードレース覇者で、日本大学に在学しながらVC FUKUOKAの選手としてJCLやUCIレースにも参戦する若き実力者が、全日本選手権という大舞台でも力を発揮する形となった。

全日本選手権 個人ロードレース
男子U23 リザルト

男子U23

1位：鎌田晃輝（VC FUKUOKA） 3時間22分12秒
2位：津田悠義（キナンレーシングチーム） +0秒
3位：上野颯斗 （京都産業大学） +3秒
4位：天野壮悠（シマノレーシング） +22秒
5位：五十嵐洸太（弱虫ペダルサイクリングチーム） +31秒
6位：初川弘浩（中京大学） +1分36秒
7位：佐藤 光（さいたま那須サンブレイブ） +3分47秒
8位：比嘉祐貴（日本体育大学） +3分55秒
9位：阿部 源（アヴニールサイクリング山梨） +4分33秒
10位：篠﨑蒼平（東京大学） +4分33秒

全日本選手権公式サイト