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ツール・ド・フランスがビルバオで開幕! チームプレゼンテーションに176選手が登壇

世界最大のサイクルロードレース、ツール・ド・フランスのチームプレゼンテーションが現地6月29日、今大会の開幕地であるスペイン・バスク自治州のビルバオで行われた。第110回大会の公式イベントとしては、これが全体の皮切り。出場22チーム・全176人がステージに登壇し、会場に詰め掛けた大勢のファンに顔見せ。これから始まる壮大な3週間への決意を固めるひとときになった。

現代建築の最高峰ビルバオ・グッゲンハイム美術館とツールの融合

昨年のデンマーク・コペンハーゲンに続き、フランス国外での開幕となる今回のツール。ビルバオでのグランデパール(開幕)は初めて、バスク自治州としては1992年のサン・セバスティアン以来となる。チームプレゼンテーションを控えたビルバオの市街地は、いたるところにバスク自治州旗とツール大会ロゴが一緒にたなびき、開幕が迫っていることを感じさせる。プレゼンが実施される現代建築の最高峰、ビルバオ・グッゲンハイム美術館には大勢のファンが集まり、選手たちの登場を今か今かと待ちわびる姿が印象的だった。

ビルバオの街中ではためくバスク自治州旗とツールの開幕を告げるフラッグ Photo: Syunsuke FUKUMITSU

現地18時30分から始まったチームプレゼンテーションでは、一番手としてバーレーン・ヴィクトリアスが登壇。バスク人ライダーの筆頭格であるミケル・ランダとペリョ・ビルバオが姿を現してファンを喜ばせるが、まずは6月15日のツール・ド・スイス第5ステージでクラッシュし、翌日に息を引き取ったジーノ・メーダー(スイス)をしのぶ時間が設けられた。1分間の黙とうで若きライダーの死を悼むと、涙雨のごとく会場には雨が降り始めた。

バーレーン・ヴィクトリアスの登壇時には6月のレースで亡くなったジーノ・メーダーの追悼も行われた Photo: Syunsuke FUKUMITSU

選手はひとりひとり、この地の民族衣装のひとつであるバスク・ベレーをかぶって登場。とりわけ、地元バスク人ライダーが登場するたびにファンは熱狂。マイクを手に取り話を始めかけたビルバオは熱い声援に声を詰まらせ、ヨン・イサギレ(コフィディス)も全身を使ってファンの盛り上がりをあおる。その点はさすがに自転車どころバスク。観衆もそのリアクションに乗って、レースを控えた選手たちを後押しする。

熱狂的なバスクファンの声援に言葉を詰まらせるペリョ・ビルバオ Photo: Syunsuke FUKUMITSU

マーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザクスタン チーム、イギリス)やティボー・ピノ(グルパマ・エフデジ、フランス)といった、これがキャリア最後のツールとなる選手たちへの声援はとりわけ大きなものに。選手たちも笑顔で応えて、会場を盛り上げた。

ファンの声援に笑顔を見せるマーク・カヴェンディッシュ Photo: Syunsuke FUKUMITSU

最後から2番目・全体21番目に登場したUAEチームエミレーツは、タデイ・ポガチャル(スロベニア)が元気な姿を見せて、リエージュ~バストーニュ~リエージュでの落車負傷の影響はほぼなさそう。

大歓声を受けてステージに上がったタデイ・ポガチャル Photo: Syunsuke FUKUMITSU

そして、大トリを務めたのが、前回覇者ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)擁するユンボ・ヴィスマ。盛大な歓迎ムードの中でステージに上がって、ここから始まる3週間での活躍を誓った。また、昨年に続くマイヨ・ヴェール獲得を目指すワウト・ファンアールト(ベルギー)も選手を代表してマイクを手に取ると、「寒くならないことを祈るよ」とレースに向けてひと言。

前回覇者ヨナス・ヴィンゲゴーも笑顔で登場。大会2連覇なるか Photo: Syunsuke FUKUMITSU

ツール開幕地ビルバオの気温は、ここのところ22~23度といったところで、過ごしやすい日々が続いている。チームプレゼンテーションは雨にたたられたものの、第1ステージ開催日の7月1日は好天の予報。良いコンディションのもと、レースが進められていきそうだ。

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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