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相次ぐ落車で大混乱。フィリプセンがステージ2連勝でマイヨ・ヴェール|ツール・ド・フランス

ツール・ド・フランスの第4ステージが現地7月4日に行われ、優勝争いは前日に続いてのスプリント。落車が多発した中、混戦を抜け出したヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク、ベルギー)がステージ2連勝。この日は中間スプリントポイントでも1位通過しており、ポイント賞のマイヨ・ヴェール争いで首位に立っている。個人総合ではアダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ、イギリス)がトップで変わらず。引き続きマイヨ・ジョーヌを着用する。

残り200mでマチューがフィリプセンを引き上げて勝利に導く

前日にフランスに入国し、少しずつ内陸部へと進んでいるプロトン。ダックスからノガロまでの181.8kmのコースは、おおむねフラットで、プロトンを崩すような局面はないといえる。最後はフランス最古の常設サーキットである「シルキュイ・ポール・アルマニャック」に到達。サーキット内を約2.5km走ってフィニッシュする。

©️ A.S.O./Pauline Ballet

レースはここまでの3日間と違って、逃げが出ないまま前半部を進行。リラックスムードで、随行のバイクカメラに応える選手の姿も。平均時速40kmを切る程度のスピードで進んでいく。

©️ A.S.O./Charly Lopez

動きが出たのは93.6km地点に設定された中間スプリントポイントの直前。スプリンターを擁するチームが主導権を争い、エースの上位通過を狙う。ここはフィリプセンが先着し、1位通過を果たす。20点を加算するとともに、マイヨ・ヴェールでスタートしたヴィクトル・ラフェ(コフィディス、フランス)がポイント争いに関与しなかったこともあり、バーチャルでフィリプセンが同賞のトップに立った。

©️ A.S.O./Charly Lopez

この直後にようやく逃げが生まれる。アントニー・ドゥラプラス(チーム アルケア・サムシック、フランス)とブノワ・コスヌフロワ(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)が飛び出し、集団から1分程度の差を得る。2人は先頭交代中に会話をするなど、逃げながらも余裕の走り。進行とともに集団が差を縮めたことで、長く逃げ続けることは難しい状況に。

スーダル・クイックステップやアルペシン・ドゥクーニンク、チーム ジェイコ・アルウラーなどがペーシングを担った集団は、フィニッシュまで25kmを残した先頭の2人を労せずキャッチ。そこからはスプリントに向けて、各チームが態勢を整えていった。

©️ A.S.O./Charly Lopez

勝負はセオリーどおり、スプリントにゆだねられる。残り4kmでユンボ・ヴィスマトレインが上がってきて集団を率いるが、残り2.5kmを切ってシルキュイ・ポール・アルマニャックに入ると、バーレーン・ヴィクトリアスも前線へ。道が広いこともあり、多くのチームが入り乱れてポジションアップを図るが、残り2kmを切ったところでクラッシュが発生。ステージ優勝候補のファビオ・ヤコブセン(スーダル・クイックステップ)ら数人が巻き込まれた。

残り1kmでロット・デスティニーが先頭に出るが、最後のコーナーを抜けてフィニッシュまで500mとなったところで、ウノエックス・プロサイクリングチームも前線へ。この間も集団の各所でクラッシュが発生し、状勢は混迷の一方。そんな中、残り200mで上がってきたのはアルペシン・ドゥクーニンク。マチュー・ファンデルプール(オランダ)がヤコブセンを引き上げて、絶好の位置へと送り出した。

©️ A.S.O./Pauline Ballet

そしてステージ優勝をかけた勝負へ。最後の150mでフィリプセンが飛び出すと、これをカレブ・ユアン(ロット・デスティニー)が迫る。しかし、フィリプセンのスピードが勝り、前日に続くステージ優勝を決めた。

再びマチューとのホットラインが機能したアルペシン・ドゥクーニンク。フィリプセンはステージを終えた段階で、文句なしのマイヨ・ヴェール。2位に下げたラフェとは70点差としており、ポイント賞争いで優位な状況を作り出している。

©️ A.S.O./Pauline Ballet

フィニッシュ直前までクラッシュが相次ぎカオスになった最終盤だが、フィニッシュ前3km以内でのトラブルによる救済も含め、大多数がフィリプセンと同タイム扱いに。個人総合順位の大幅なシャッフルはなく、アダムの首位も変わらず。次のステージもマイヨ・ジョーヌを着用する。

また、この日はスタート前に「ツール・ド・フランス さいたまクリテリウム」アンバサダーのマルセル・キッテル氏がステージに上がり、日本から届けられた千羽鶴を大会に贈呈。同イベントは11月4日から5日にかけて各種プログラムが行われる予定となっており、初開催から10周年の節目でもある。

©A.S.O. / Hervé Tarrieu

翌5日に行われる第5ステージでピレネー山脈へ。ツールではおなじみのポーの街を出発し、中盤で超級山岳コル・ド・スデ(登坂距離15.2km、平均勾配7.2%)を登坂。レース後半では3級の上りを挟んで、この日の最後は1級山岳コル・ド・マリー・ブランク(7.7km、8.6%、最大勾配13.6%)を上る。最後の18.5kmはテクニカルな下りと平坦路で構成。なお、ほぼ同ルートを走った3年前は、タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)が勝っている。

ステージ優勝、マイヨ・ヴェール ヤスペル・フィリプセン コメント

©️ A.S.O./Charly Lopez

「カレブが隣に迫ってきていて、正直自信はなかった。フィニッシュに向けては超高速で、レースカーになった気分だった。幅の広いコーナーがあり、タイトなレイアウトでもあったが、タイヤがしっかりグリップしてくれたのは助かった。落車が多かったことについては残念で、みんなが大丈夫であることを願っている。

チームとしては、今日のコースを綿密にブリーフィングして備えていた。チームとしてはスプリントステージが最優先。マチューのような人物が近くにいるだけで本当に救いになるし、前へと引き上げてくれる。今大会の目標はステージ優勝だったが、すでに昨日その目標が達成され、それをさらに積み重ねようとしている。個人的にはポイントを積み重ねて、マイヨ・ヴェールを獲得したいと思っている」

個人総合時間賞 アダム・イェーツ コメント

©️ A.S.O./Charly Lopez

「イージーな1日で良かった。誰も逃げを試みなかったし、スプリンターにぴったりのステージだったと思う。最終局面はクラッシュが多くてトリッキーだったけどね。

明日についてはやってみて分かることだろう。最後の上りでボーナスタイムが設定されているので、私がマイヨ・ジョーヌをキープするのは少し難しいかもしれない。ただ、チームにはタデイ(ポガチャル)がいるので心強い。明日が楽しみだ」

ツール・ド・フランス2023 第4ステージ結果

ステージ結果

1 ヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク、ベルギー) 4:25’28”
2 カレブ・ユアン(ロット・デスティニー、オーストラリア)ST
3 フィル・バウハウス(バーレーン・ヴィクトリアス、ドイツ)
4 ブライアン・コカール(コフィディス、フランス)
5 マーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザクスタン チーム、イギリス)
6 ダニー・ファンポッペル(ボーラ・ハンスグローエ、オランダ)
7 アレクサンダー・クリストフ(ウノエックス・プロサイクリングチーム、ノルウェー)
8 ルカ・メズゲッツ(チーム ジェイコ・アルウラー、スロベニア)
9 ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)
10 マッズ・ピーダスン(リドル・トレック、デンマーク)

個人総合時間賞(マイヨ・ジョーヌ)

1 アダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ、イギリス) 18:18’01”
2 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)+0’06”
3 サイモン・イェーツ(チーム ジェイコ・アルウラー、イギリス)ST
4 ヴィクトル・ラフェ(コフィディス、フランス)+0’12”
5 ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)+0’16”
6 ヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ、デンマーク)+0’17”
7 ジャイ・ヒンドレー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストラリア)+0’22”
8 マイケル・ウッズ(イスラエル・プレミアテック、カナダ)ST
9 マティアス・スケルモース(リドル・トレック、デンマーク)
10 カルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアーズ、スペイン)

ポイント賞(マイヨ・ヴェール)

ヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク、ベルギー)

山岳賞(マイヨ・アポワ)

ニールソン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト、アメリカ)

ヤングライダー賞(マイヨ・ブラン)

タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)

チーム総合時間賞

ユンボ・ヴィスマ 54:55’09”

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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