近鉄サイクルトレインアンバサダー、中島康晴さんに聞く近鉄と沿線の魅力
Bicycle Club編集部
- 2023年08月15日
近鉄のサイクルトレインアンバサダーに元プロロードレーサーでサイクルトレイン研究ラボの中島康晴さんが8月1日付で就任し、このほど三重県四日市市の近畿日本鉄道名古屋統括部事務所で就任式が行われた。この会場で中島さんに近鉄サイクルトレインの魅力や沿線の魅力について、サイクリストと鉄道マニアの両面から語っていただいた。
近鉄サイクルトレインアンバサダー就任式
近鉄サイクルトレインアンバサダー就任は、中島さんが初。任期は2023年度いっぱいの予定だ。就任式では、近畿日本鉄道の大内敬弘名古屋統括部長から中島さんにアンバサダー任命書が手渡され、制帽をかぶせる載帽セレモニー、アンバサダーたすきの贈呈も行われた。
就任あいさつで中島さんは「観光地として名高い伊勢志摩へ近鉄電車で行き、サイクリングしながら五感で伊勢志摩を感じる旅は、伊勢志摩エリアの観光の最高に素晴らしいコンテンツになると確信している。日本の観光客だけでなく、海外からやってくるインバウンドの旅行者にも魅力的に感じてもらえるよう、これからさまざまな方法で近鉄サイクルトレインの魅力を広く伝えたい」とアンバサダー就任に向けての意気込みを語った。
就任式では、中島さんが近鉄サイクルトレインアンバサダーの最初の仕事として出演する近鉄サイクルトレインのプロモーションビデオの上映も行われた。また、これに合わせて観光列車「つどい」サイクルトレイン-KettA-のロゴマークもお披露目された。
近畿日本鉄道の広報担当者は、中島さんに近鉄サイクルトレインアンバサダーを依頼した理由と経緯について次のように説明する。
「三重県とのゆかりがあるキナンサイクリングチーム(現キナンレーシングチーム)で長く活動されたプロサイクリストで、サイクリストとしての実績が申し分ないこと、三重県の事情にも明るいこと、何よりサイクルトレインーKettAー試運転のときから見守り、お力添えをくださっていただいたように、鉄道が本当にお好きであることなどが決め手となりました」
近鉄サイクルトレインアンバサダー・中島さんインタビュー
アンバサダー就任式直後の中島さんに、近鉄サイクルトレインアンバサダーとしての活動について、近鉄サイクルトレインの魅力についてお話をうかがった。鉄道マニアでもサイクリストでもある中島さんならではのコメントにも注目だ。
近鉄サイクルトレインアンバサダーとして
どのようなお仕事をされるのでしょうか?
「近鉄のサイクルトレインは、この秋にも運行が決まった観光列車『つどい』サイクルトレイン-KettA-のほか、松阪―賢島間で通年運行される普通列車のサイクルトレイン、田原本線のサイクルトレインがあります。これらの近鉄サイクルトレインのPRを行います」
具体的な活動予定は?
「具体的にはこれから決まるところですが、各地のサイクルイベントなどに参加し、近鉄サイクルトレインのPRを行う予定です。また、近鉄サイクルトレイン運行に合わせた関連イベントに参加することもあるかもしれません」
8月19日、20日に開催されるシマノ鈴鹿ロードに近畿日本鉄道(近鉄)がブースを出展することが決定! 中島さんも来場し、近鉄サイクルトレインのPRを行う予定だ。
観光列車「つどい」サイクルトレイン-KettA-の
魅力や注目ポイントはどこですか?
「-KettA-に関しては、鉄道マニア目線では期間限定運行される観光列車『つどい』に乗れることだけでも熱いですね。つどいは2013年の伊勢神宮の式年遷宮に合わせて誕生した列車で、元々通勤客を運ぶ一般列車だった車両を改造して作られています。全席が窓向きになっていて、伊勢志摩の海や山など素晴らしい景色を眺めることができます。また『風のあそびば』と呼ばれるソファー席や、運転席背後に設定されている子供運転台などがあり、家族で楽しみやすい車両です。
サイクリスト目線で言うと、専用のラックが用意されているので、自転車を預けて車内では自由に過ごすことができるのがいいですね。特製のラックは自転車をしっかり固定できるので、車内では安心してくつろげます。また、複数の駅が乗車駅として設定されているので、別々の地域に住んでいる人がそれぞれの最寄駅から乗車でき、『集合場所が走ってやってきてくれる』と考えると便利ですね。降車駅も選択できるので、例えば行きは伊勢エリアで降りて、伊勢志摩のサイクリングを楽しみながら志摩方面に向かい、帰りは志摩エリアから乗車すればワンウェイライドを楽しむことができます」
通年運行される普通列車の
サイクルトレインについてはいかがでしょうか?
「普通列車のサイクルトレインには、運転台にサイクルトレインのマークが掲示されるんです。これは見ものですね。タイミングが合えば「とばしまメモリー」や「ミジュマルトレイン」といったレアなラッピング列車に出会えることもあります。
サイクリストにとっても通年運行されているので利用しやすくていいですね。坂道がある区間を電車で、市街地は車が多くて走りにくいから郊外まで電車で、仲間が速いので私は電車でワープ、など、うまく使うことでおいしいところだけ走ったりグループライドの脚力差を埋めたりすることもできます。何かトラブルがあったときや、天候の急変などでもサイクルトレインがあれば安心です」
「僕なら近鉄のサイクルトレインでこんなことしたい」
というプランがあれば教えてください。
「『つどい』サイクルトレイン-KettA-で鳥羽方面に向かい、自転車ならではのポイントを巡るサイクリングを楽しみたいですね。乗車後、徐々に集まってくる仲間と、車内でライドのルートを相談したり、自転車機材談義をしながら過ごし、鳥羽駅で下車。絶景ルートのパールロードを南下して、山の上の鳥羽展望台で絶景を堪能。志摩エリアに入ったら安乗神社で自転車お守りをGETして英虞湾へ。和具にある大田屋で昔ながらの一丁焼きで作られる“天然もの”鯛焼きを食べて、和具から定期線で賢島へ。賢島では電車に乗るまで食事や日帰り温泉を楽しみ、帰りの車内でお土産をシェアしながら一日を振り返る――。そんな旅をしてみたいです」
初心者や家族連れでも楽しめるプランはありますか?
「もちろんです! たとえば、五十鈴川駅で下車して伊勢神宮やおかげ横丁を楽しんで、夫婦岩で知られる二見浦へ足を延ばすのは定番中の定番ですね。他にも鳥羽駅下車で鳥羽水族館や離島を走るサイクリングとかは家族でも楽しみやすいですね。鵜方駅下車で英虞湾を一望できる横山展望台をめざし、さらに賢島駅まで足を延ばしてグルメや温泉を楽しむのもおすすめです。これらのコースは、通常運行されている普通列車のサイクルトレインでつないで走ることもでき、体力やペースに合わせてコースの長さを調整することもできます。手軽に楽しみたい方は、多くの駅に設定されているレンタサイクルを借りるのもオススメです!」
最後に全国のサイクリストや鉄道ファンに一言お願いします。
「伊勢志摩には魅力的なスポットがたくさんあり、家族連れでも楽しめるエリアです。近鉄電車での旅に加え、自転車で自分で風を切って走ることで、伊勢志摩というエリアを五感をフル活用して体感できますし、現地での移動がサイクリングという思い出になります。多くの方に伊勢志摩に来てサイクルトレインを活用していただき、近鉄電車と自転車を組み合わせた旅を楽しんでいただきたいです」
問い合わせ先:近畿日本鉄道
https://www.kintetsu.co.jp/cycle/cycletrain/
- BRAND :
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- CREDIT :
- 編集:Bicycleclub 写真&文:浅野真則
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