マグネシウムフレームの本格エアロロードバイク「ヴァースト・モデル R/1」|VAAST
山口
- 2023年09月08日
2019年設立のアメリカンブランド、ヴァースト。その特徴はフレームにマグネシウムパイプを使用する点だ。1250gのアライトスーパーマグネシウムフレームを採用し、ほかの非鉄金属では実現しえない性能と乗り味を提供するエアロロードバイクが、今回紹介する「モデル R/1」だ。
スチールより軽く、チタンよりも強靭
素材となるアライトスーパーマグネシウムはアルミやスチールより軽く、チタンよりも強靭。また100%リサイクル可能なため他の素材よりも環境負荷が少ないという点でも優れ、ヴァーストが定義するサイクリング・エコロジーを発展させている。そんなフレームをメインに据えたR/1はスピード、エアロダイナミクス、重量、敏捷性、剛性において一線を画す。またヘッドチューブとシートチューブの角度はライダーが最適なポジションを取れるように設計されているため、ニュートラルなステアリングコントロールと快適性向上を達成している。
単にフレームセット(カーボンフォーク&カーボンシートポスト込み)のみのエアロダイナミクス性能を追求したわけでなく、ホイールやコンポを搭載した「エアロロード」としての完成度を実現。そのためコンポーネント系の違い(フォースA XS、アルテグラ、105)で3グレードの展開があり、あらゆるユーザーが風を切って走れるだろう。
ヴァースト・モデル R/1
24万8000円(フレームセット)
SPEC
フレーム:アライトスーパーマグネシウム
フォーク:フルカーボン
サイズ:XS(49)S(52)、M(54)、L(56)、XL(58)、XXL(60)
カラー:ムーンストーンホワイト
フレーム重量:1250g
ヴァースト・モデル R/1をインプレッション
バネ感を生かした乗り心地が特徴で軽快に進んでいく
このR/1にはいい意味で予想を裏切られた。マグネシウムという素材のイメージからはある程度肉厚なパイプを使い、硬いバイクをイメージしていたが、快適な乗り心地で扱いやすい素直なバイクという印象だ。具体的には肉薄のスチールバイクのようなバネ感があり、ヒルクライムでは体重を乗せていくとスーッと進んでくれる感覚だ。以前ヴァーストのオールロードのA/1にも試乗しているが、しっかりしたフレームに太いタイヤでクッション性を持たせていたのに対し、このR/1はまた違った乗り味のバイクに仕上がっている。今回の試乗車はSサイズと小さめだったにもかかわらず、ハンドリングがスムーズでダンシングをしたときの挙動がわかりやすいのが好印象。さらにチェーンステー長も410mmと短く、フレームがよれることなくパワーをホイールに伝えてくれる。
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PROFILE
バイシクルクラブ編集長。かつてはマウンテンサイクリングin乗鞍で入賞。ロード、シクロクロスで日本選手権出場経験をもつ。47歳を迎えた現在ではレースだけではなく、サイクリングを楽しむためために必要な走行環境やサイクルツーリズムなどの環境整備などにも取り組んでいる。