乗鞍ヒルクライム、加藤大貴が悲願のチャンピオン男子初優勝、女子は佐野 歩が連覇
ハシケン
- 2023年08月27日
2023年8月27日(日)、長野県松本市乗鞍高原で乗鞍ヒルクライムレースが開催された。スタート地点の観光センター前に集まった3000人を超すヒルクライマーを歓迎するかのように、雄大な乗鞍岳が姿をあらわす絶好のヒルクライム日和となった。チャンピオンクラスのレース詳報、コースレコードが誕生した女子クラスの結果を速報でお届けする。
加藤のアタックに田中が追走するも勝負あり
毎年ハイレベルな勝負が繰り広げられる注目のチャンピオンクラスは、新チャンピオンが誕生。乗鞍で上位常連の加藤大貴(COW GUMMA)が悲願の初優勝を果たした。2位には河田恭司郎(Infinity Style)、3位にはディフェンディングチャンピオン金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)が入った。
全国各地から集結した約170名のアマチュアトップクライマーたち。例年に増して緩斜面が続く7km地点の三本滝までは散発的な逃げが発生するが、40名以上の大集団のまま展開。その後、中盤の急坂区間などを経て、徐々に集団が絞られていく。昨年4位の玉村 喬の長い一人旅を吸収するとレースは振り出しに。乗鞍と並びステータスのあるMt.富士ヒルクライムを制している真鍋 晃、田中裕士、金子宗平。さらに実力者の加藤大貴、森本 誠ら、アマチュアトップクライマーたちが先頭を伺う。
展開が大きく動いたのは、森林限界へと抜けるラスト5kmを切った直後。「少し後ろとギャップが生まれたので、急坂区間で強めに踏んでアタックしました」と初優勝を目指す加藤がペースアップ。そこに追走できたのは絶好調で乗鞍に挑んできた田中だった。ともに初優勝を目指す両者は、3位以下を引き離し終盤へ。しかし、加藤を追った田中は脚に少なからずダメージを負っていた。ラスト1.5kmの乗鞍の象徴でもある大雪渓前で田中が「ワアッ!」と叫び、まさかの脚攣りストップ。その瞬間、勝敗は決した。ゴールまでは加藤の独走劇となり、悲願の乗鞍のタイトルを奪取。ゴールタイム55分16秒は歴代6位タイの好タイムだった。
乗鞍新王者、加藤大貴の喜びコメント
これまで数々のヒルクライムレースのタイトルを獲得した加藤だが、「乗鞍のタイトルは特別です。ゴールの瞬間はやっと取れた!という思いでした。無理な減量などはせずいつもどおりを心がけてトレーニングを重ねてきましたが、今年は乗鞍のために3回試走をして、低酸素に慣れるように準備してきました。結果が出て本当にうれしいです」と、34歳で乗鞍王者の座についた加藤は喜びを語った。
女子チャンピオン レコードタイムで連覇を達成した佐野 歩
近年レベルアップが著しい女子クラスも、期待どおりのハイレベルな勝負になった。昨年初優勝を果たした佐野 歩(Infinity Style)、昨年初参戦で2位に入った三島雅世(Cycling-gym)、コースレコードホルダーの牧瀬 翼(WINGS PLUS)、さらに6月のMt.富士ヒルクライムを好タイムで制した木下友梨菜(鈴なり妖怪 鈴/あたおかロングライダーズ)も乗鞍初参戦。
女子クラスは、マスドスタート形式のため、各選手はスタートから基本的に単独走でゴールを目指して標高差1260mを駆け上がった。結果は、1時間5分35秒の女子コースレコードを叩き出した佐野 歩が堂々の連覇。2022年Mt.富士ヒルクライムと乗鞍のダブルタイトルに続き、2年連続の2冠を成し遂げ、新時代女王の存在感を強く知らしめた。2位には、1時間7分台の好タイムで木下、3位に三島が入った。女子クラスは上位5人が1時間9分台を記録した。
リザルト
チャンピオンクラス
1位 加藤大貴 55分16秒
2位 河田恭司郎 55分54秒
3位 金子宗平 56分02秒
4位 井出雄太 56分04秒
5位 玉村 喬 56分08秒
6位 田中裕士 56分22秒
一般女子
1位 佐野 歩 1時間5分35秒
2位 木下友梨菜 1時間7分5秒
3位 三島雅世 1時間8分33秒
4位 石井嘉子 1時間9分9秒
5位 牧瀬 翼 1時間9分26秒
6位 宮下朋子 1時間11分9秒
男子A
1位 久我勇太 1時間1分46秒
男子B
1位 中島清志 1時間0分3秒
男子C
1位 土屋直樹 58分56秒
男子D
1位 清宮洋幸 1時間0分4秒
男子E
1位 佐久間 毅 1時間1分9秒
男子F
1位 久保田新一 1時間4分16秒
男子G
1位 布施浩三 1時間9分37秒
男子H
1位 伊藤 明 1時間20分3秒
大会WEBサイトはこちら
https://norikura-hc.com/
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