武井壮さん独占インタビュー「地球上で移動をエンタメにできる最高のスポーツ」|GRAND CYCLE TOKYO
Bicycle Club編集部
- 2023年10月24日
「GRAND CYCLE TOKYO(グランドサイクルトーキョー)」プロジェクトとして、2大イベントが間もなく開催される。まず、サイクリングで臨海エリアを巡る、東京2020オリンピックのレガシーイベントである「レインボーライド」が、11月23日(木・祝)に、昨年に引き続き行われる。さらに12月3日(日)、東京2020オリンピックロードレースの舞台となった多摩エリアで「THE ROAD RACE TOKYO」が初開催を迎える。大会アンバサダーの武井壮さんに、自転車に感じる魅力と本大会への思いをお聞きした。
レインボーライドで移動手段から趣味の世界へ
昨年、東京2020オリンピックのレガシーとして誕生したサイクリングイベント「グランドサイクルトーキョー」。東京のシンボルであるレインボーブリッジを交通規制して開催した「レインボーライド」は、社会的にも一大ニュースになった。今年も、環境にやさしく健康にもよい自転車をより身近に感じてもらうイベントとして、まもなく開催される。大会アンバサダーで、マルチタレントとして活躍する武井壮さんにとって自転車とはどのような存在なのか。
「自転車は多くの人が最初に手にする乗り物で、日常生活でもっとも身近な存在だと思う。東京下町生まれだから、江戸川や荒川、中川の河川敷で友達と自転車に乗って遊んでいた子どもの頃の記憶がなつかしいよ。大人になっても都内の移動は電車やバスよりも自転車。今では完全に話のネタだけど、お金のなかった学生時代には、関西の合コンに参加するため東京から片道600kmの道のりを自転車で走ったこともあった。
自転車の魅力は、街の景色や自然の変化を楽しめること。最近はジムなどに通ってその場で体作りをすることがブームだけど、街中を移動しながら自然に健康と強い体も手に入れることができる自転車は魅力的。日常の単なる移動をエンタメにできる乗り物。それが自転車なんだと思う」
何気ない日々の移動時間をエンターテインメントに変えることができる自転車。一般の方には、まずは移動手段として自転車の魅力を知ってもらいたいと武井さんは感じている。
「身近なところから自転車の魅力に気づいてもらって、その先には趣味としてのサイクリングがある。そして、サイクリングをはじめるきっかけのイベントとして、グランドサイクルトーキョーの存在は大きいですね。一度参加したら、今度どこかへ旅行に行ったときなどにも旅先でサイクリングをしてみようとなって、楽しみの幅が広がっていく。結果、人生が豊かになっていくんだと思っています」
誰でも気軽に参加できて楽しめるレインボーライドのコースは、レインボーブリッジを走れる距離8kmのレインボーショートと19kmのレインボーミドルがある。今年は新たに、東京ゲートブリッジも舞台に加わり、レインボー&ゲートブリッジコースのレインボーロングも誕生。
お台場海浜公園をスタートし、レインボーブリッジを往復。その後、東京湾海の森トンネルをくぐって、東京ゲートブリッジへ。若洲海浜公園で折り返して、台場のシンボルプロムナード公園のセントラル広場へとゴールする。距離は32kmで、2つのシンボリックな橋をつなぎながら臨海エリアのサイクリングを楽しめる。「レインボーブリッジコース」と「レインボー&ゲートブリッジコース」を合わせて、およそ5000人が参加予定だ。今年の申し込みはすでに締め切られている。
「レインボーブリッジと東京ゲートブリッジはコースのハイライト。普段はクルマでドライブを楽しむこともある場所。東京を一望できるロケーションは抜群ですし、夜景もすばらしい。でも、そこを自転車で走ってみたらクルマでは感じられない感覚に出会えるはず。橋の上り坂は、自転車で走ってみれば見た目以上にタフに感じるかもしれません。そして、普段は自転車で走ることができない場所を走れる圧倒的な非日常感を満喫できるはず。イベント当日、走れることを楽しみにしています」
シンプルだけど速く、機材スポーツとしての奥深さに興味津々
『アスリートとして自分を追い込むロードレースへの挑戦はもう勘弁』と、苦笑いを浮かべるが、生涯スポーツとしてのサイクリングはいつか始めたいと考えている。じつは、従兄弟の競輪選手のロード練習を現場でサポートしたことがあるなど、すでにロードバイクが身近にある環境にもいる。
「自転車、とりわけ競技用のロードバイクには乗り物として魅力が詰まっているなと。バイクやクルマのようにエンジンが積んであるわけではなく、動力は自身の体のみ。乗り物としてこれ以上ないシンプルな構造なのに、ペダルに伝えるパワーだけで信じられないような速度で走ることができる。しかも、オープンエアな乗り物であることで、ダイレクトに地球を感じることができる。いつか世界中の街を自転車で走ってみたいと考えています」
かつては陸上競技の十種競技で日本一をつかんだトップアスリートでもある。今年はゴルフでティーチングプロの実技試験に合格。道具次第でパフォーマンスに差が出る同じ機材スポーツとして、ロードバイクにも奥深さを感じている。
「パーツひとつ変えるだけで操作性が変わり、タイヤの空気圧を変えるだけでグリップが変化したりするわけですよね。機材スポーツの面でも奥が深いなと。自転車競技に限らず道具を使う競技はいろいろと追求できるので楽しい。ゴルフだったらクラブの種類、シャフトひとつとっても特性が異なってくる。また、十種競技では種目ごとにシューズとウェアが必要になる。スパイクのピンの微妙な配列の違いで地面を捉える感覚が変わってきて、それがパフォーマンスに直結する。同じように、ロードバイクなどの自転車には機材を楽しむという魅力を強く感じています」
12月3日(日)には、自転車のプロ選手をはじめとするエリート選手たちが参加する「THE ROAD RACE TOKYO」(男子:距離72.6km/女子:距離49.8km)が東京2020オリンピックロードレースの舞台となった多摩エリアで開催される。プロロードレーサーたちが東京の街中を駆け抜ける姿を間近で観戦できる貴重な1日になる。
「東京2020オリンピックで自転車ロードレースの存在を知った国民も多いはず。そのレガシーを継ぐTHE ROAD RACE TOKYOが新たに誕生しますが、やはり東京で開催されることに意義があると思っています。世界でも知られる日本の大都市で実現する自転車ロードレースは、将来的に大会の認知が広がれば、世界で活躍する選手たちが大勢参加するような国際的な大会に成長する可能性も秘めているし、期待したい。12月3日は、その第一歩になると感じています」
GRAND CYCLE TOKYO(グランドサイクルトーキョー)
11月23日(木・祝)
・レインボーライド(申込締切済)
・マルチスポーツ
レインボーライドフィニッシュ会場とテレコムセンタービルにて開催。自転車試乗やアーバンスポーツ体験、トップライダーによるデモンストレーション、アスリート&人気芸能人によるステージなど、大人から子どもまで楽しめるコンテンツを用意しています。
12月2日(土)
・ チャレンジレースin味スタ(申し込みはこちら。10月31日締切)
味の素スタジアム構内特設コースで各種レース体験プログラムを開催。翌日のレースに出場する選手によるエキシビジョンレース(観戦無料)も実施します。
・ STADIUM FESTA
自転車関連コンテンツをはじめ、ステージイベントや多摩・島しょ地域のグルメなど多彩な魅力を体験できるイベントを味の素スタジアムで開催します。
12月3日(日)
・THE ROAD RACE TOKYO ロード(エリート男子・女子)/パラサイクリング タンデム タイムトライアル(男子・女子)
・STADIUM FESTA
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編集:Bicycleclub インタビュー&テキスト:ハシケン
写真:小野口健太、GRAND CYCLE TOKYO 実行委員会
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