エドワード・トゥーンスが前人未到の3連覇!|ジャパンカップクリテリウム
Bicycle Club編集部
- 2023年10月14日
10月13日から各種プログラムが始まっているジャパンカップサイクルロードレースは、実質大会2日目となる14日に宇都宮市中心部でのクリテリウムを実施。平均時速49.4kmとハイスピード下でのレースは、セオリーどおりのスプリント勝負に。最後はエドワード・トゥーンス(リドル・トレック)が伸びて、このレース3連覇を達成した。
平均時速は驚異の49.4km!
前日のチームプレゼンテーションで一層温まった宇都宮の自転車熱は、クリテリウムでボルテージが上がる。12回目となる今回も、宇都宮市大通りを用いて2.25kmの周回コースを設定。これを15周回・33.75kmで競う。宇都宮市の根幹ともいえる大通りを使ってレースするとあり、途切れることなくファンが沿道を埋め尽くした。
コースでは他カテゴリーのクリテリウムも行われ、そのメインとなったのがジャパンカップクリテリウム。選手たちは2周回のパレード走行ののち、正式スタートに臨んだ。
畑中勇介(キナンレーシングチーム)のファーストアタックをきっかけに、1周目からプロトンは活性化。UCIワールドチーム勢が次々と攻撃に出て、一瞬にして集団は縦長に。
その流れから、3周目にジュリアン・アラフィリップ(スーダル・クイックステップ、フランス)がアタック。これをパスカル・エインコールン(ロット・ディステニー)とアンドレア・ピッコロ(EFエデュケーション・イージーポスト、イタリア)が追随。ワールドチーム勢が逃げグループを形成し、しばしレースをリードした。
この間、4周目に設定された1回目のスプリントポイントをアラフィリップが、8周目に設定された2回目のスプリントポイントをエインコールンが1位通過。メイン集団ではリドル・トレックがペースアップを図り、徐々にタイム差は縮小。一時はトゥーンスらを含んだパックが形成されるが、流れを大きく変えるものとはならない。ただ、ペースは集団の方が速く、やがてアラフィリップらをキャッチした。
行き詰まりの状態が続いたが、最後のスプリント周回である12周目で日本勢が仕掛けた。まず新城雄大(キナンレーシングチーム)がアタック。これはワールドチーム勢にチェックされるが、今度はチームメートである津田悠義がカウンターで飛び出す。少しの間リードする場面もあったが、これも決定打とまではならず、集団へ引き戻されている。
結局、勝負はスプリントへ。最終周回の鐘が鳴ると同時にエインコールンが再びアタックしたが、さすがに各チームがトレインを組んでスピードを上げる中を逃げ続けるのは無謀。愛三工業レーシングチームやスーダル・クイックステップが速いペースを維持して突き進む。最終コーナーを抜け、スプリント態勢に入ると前回2位のアクセル・ザングル(コフィディス、フランス)が仕掛けた。
混戦のスプリント。フィニッシュ前の上り基調で加速したのはトゥーンス。2回走って2回とも勝っている勝手知ったる宇都宮のスプリント。トップに立ってからも勢いは衰えず、最後は両腕を広げてのウイニングセレブレーション。3本指を立てて3連覇をアピールした。
新型コロナ前の2019年、復活開催だった2022年に続く、3回目のクリテリウム制覇。大会中止となった2020年と2021年をはさみながらも、3連覇を達成。これまで2連覇した選手はいたものの、3連覇となると史上初。誰も手の届いていなかった領域に到達した。
2位には10月8日のパリ~トゥールで優勝しているライリー・シーハン(イスラエル・プレミアテック、アメリカ)が、3位にはザングルが入賞。日本人選手最高位は岡 篤志の6位。なお、10位に入ったマキシム・ファンヒルス(ロット・デスティニー、ベルギー)は、フィニッシュ直後にギオルギオス・バグラス(マトリックスパワータグ、ギリシャ)の頭に手を伸ばし、これが「不適切な行為」との裁定。50スイスフランの罰金と、UCIポイント10点の剥奪となっている。
優勝 エドワード・トゥーンス コメント
「日本に来るのが楽しみだった。簡単なレースではなかったけど、ファンの応援やチームのサポートがあって素晴らしいレースができた。これまでの経験からどこで力を使うべきかを分かっていた。明日も良いレースができると思う。チームには良いクライマーが控えているので、彼らを中心に走りたい」
2023ジャパンカップクリテリウム結果
1 エドワード・トゥーンス(リドル・トレック、ベルギー)40分 59秒
2 ライリー・シーハン(イスラエル・プレミアテック、アメリカ)+0秒
3 アクセル・ザングル(コフィディス、フランス)
4 ハミッシュ・ビードル(チーム ノボ ノルディスク、ニュージーランド)
5 ニコロー・ブラッティ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)
6 岡 篤志(JCL TEAM UKYO)
7 スタン・ファントリヒト(スーダル・クイックステップ、ベルギー)
8 ギオルギオス・バグラス(マトリックスパワータグ、ギリシャ)
9 ミラン・パウルス(ロット・デスティニー、ベルギー)
10 マキシム・ファンヒルス(ロット・デスティニー、ベルギー)
スプリント賞
4周目 ジュリアン・アラフィリップ(スーダル・クイックステップ、フランス)
8周目 パスカル・エインコールン(ロット・デスティニー、オランダ)
12周目 ギヨーム・マルタン(コフィディス、フランス)
2023ジャパンカップサイクルロードレース 公式ウェブサイト
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