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元世界チャンプ・コスタが3人の勝負を制しジャパンカップサイクルロードレース初優勝

アジア最高位のワンデーレース、ジャパンカップサイクルロードレース(UCIプロシリーズ)はイベント最終日の10月15日、メインイベントのロードレースを実施。前夜から降り続いた雨の影響で3周回減の13周で争われた戦いは、これまでと比較にならないほどのサバイバル戦。最後は3人の優勝争いとなり、元世界王者のルイ・コスタ(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ、ポルトガル)が勝利。ジャパンカップ初優勝を飾った。

アラフィリップのアタックでレース全体が活性化

13日に本格的に始まったジャパンカップの各種プログラム。14日はクリテリウムが行われ、エドワード・トゥーンスの3連覇(中止期間を挟む)に宇都宮市中心部が沸いた。

そして迎えたロードレース。夜半からの雨が止むことなく、むしろ強まる一方。宇都宮市森林公園を基点とする10.3kmの周回コースを16周回・164.8kmで行われる予定だったレースは、すべての関係者の安全面を考慮し、3周回減らすことを決定。13周回・133.9kmで争われることになった。

午前10時の号砲でレースはスタート。周回前半の名物にして勝負どころでもある古賀志林道を早々に上る選手たち。しかも1周目からトップカテゴリーのUCIワールドチームが動き出し、プロトンを崩しにかかる。コンディションがコンディションゆえ、この流れに乗れない選手・チームが大多数。あっという間に集団はいくつにも割れ、2周目に入るとジュリアン・アラフィリップ(スーダル・クイックステップ、フランス)が飛び出した。

アラフィリップの動きには、パスカル・エインコールン(オランダ)とマキシム・ファンヒルス(ベルギー)のロット・デスティニー勢、アクセル・ザングル(コフィディス、フランス)がチェックし、そのまま4人が先行。数十秒差で続く集団もUCIワールドチーム勢が中心となってペースを作った。

3周目に用意された1回目の山岳賞に向かって、再度アラフィリップがアタック。これで独走態勢を築くとともに、後続はペースを落ち着かせ、後方に取り残された選手たちを意識的に戻す。アラフィリップは一時1分以上のリードを得て、そのまま6周目に設定された2回目の山岳賞もゲット。実質のメイン集団は引き続きUCIワールドチーム勢が中心に立つが、日本勢で唯一岡本 隼(愛三工業レーシングチーム)が食らいつく。注目の新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)は、後ろに取り残されたチームメートを引き連れながら、メイン集団合流を目指していた。

レース半ばで新城らが集団に追いついたものの、たびたびペースアップを図る選手が現れる状況で、やがて後れを取り始める。周回を経るたびにコース上を走る選手が減っていくような状況で、サバイバル化が進行。逃げ続けたアラフィリップは劇的にペースダウンしたわけではないものの、集団の勢いが勝って8周目に引き戻されている。

その後もアタックとキャッチの繰り返しが続き、9周目に置かれた3回目の山岳賞はジェームズ・ノックス(スーダル・クイックステップ、イギリス)が1位通過。10周目にはアラフィリップがまたもアタックを繰り出すなど、慌ただしい状況が続いた。

1周ほど逃げたアラフィリップを、11周目でファンヒルスが追いかけて合流。この動きは決定打にはならず、代わってカウンターアタックを仕掛けたコスタが飛び出すことに成功。そのままこの日最後となる4つ目の山岳賞(12周目)も取り、追いついてきたフェリックス・エンゲルハート(ジェイコ・アルウラー、ドイツ)とギヨーム・マルタン(コフィディス、フランス)とともに逃げの態勢を作り出した。

そのまま最終周回の鐘を聞き、優勝争いへ。後続とは1分以上の開きがあり、3人の中から優勝者が出ることは濃厚。周回の後半で再三マルタンがアタックしたものの、どれも決まらず。少人数でのスプリントに自信があるコスタが最終局面にかけて、エンゲルハートとマルタンの動きを見張った。

やはり勝負はフィニッシュ前のストレート。前に出たのはエンゲルハート。一番後ろに入ったマルタンが早めのスプリントを試みたが、加速しきれず。タイミングを計ったコスタが加速を開始すると、残りは150m。2人とは逆ラインからスプリントをして、追随を許さず。30回記念大会のジャパンカップのタイトルは、コスタにもたらされた。

2013年に世界選手権を制し、以来トップライダーとしての地位にあり続ける37歳のポルトガル人ライダー。今季はブエルタ・ア・エスパーニャ第15ステージで勝利を収めるなど、シーズンを通して好調を維持。チームとは1年契約で、動向が注目される中でのジャパンカップ参戦だったが、所属チームについては明かしていないものの「2024年のUCIワールドチームで走る」とのコメントを残しており、まだまだ一戦で走り続けることになりそうだ。

コスタとの激闘を演じたエンゲルハートが2位、マルタンは3位で、それぞれ表彰台の一角を確保。日本人ライダー最上位は岡本の15位だった。

出走107人で、完走は半数以下の48人。トップライダーにしても攻略が難しかった冷雨の宇都宮。大会史において長く語り継がれることだろう。

10月13日から各種プログラムが始まっているジャパンカップサイクルロードレースは、実質大会2日目となる14日に宇都宮市中心部でのクリテリウムを実施。平均時速49.4kmとハイスピード下でのレースは、セオリーどおりのスプリント勝負に。最後はエドワード・トゥーンス(リドル・トレック)が伸びて、このレース3連覇を達成した。

優勝 ルイ・コスタ コメント

「ジャパンカップではホテル到着時からファンの歓声や応援が本当に多くてうれしかった。日本でのレースは2013年世界チャンピオンになった時が初めてで、今回2回目になる。

レースは終始ペースが早く、雨で気温も低かったので、レースはよりハードになった。そういうレースでは後半までなるだけ体力を温存することと、常に集団の先頭に残ることが大切だ。終盤にチームから3人がメイン集団に残ったので、最低でも誰か1人が先頭に残れるように考え、有利に展開できたと思う。その上で私が1人優勝争いに残り、全力で戦って勝利を呼び込むことができた。今日の勝利はチームにとっても来シーズンに向けてモチベーションが高まるし、私個人としても良い締めくくりとなった。

今シーズンは2月スペインのステージレース(Volta a la Comunitat Valenciana )総合優勝から始まり、中盤に少し調子を落としたものの、9月ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ優勝、イル・ロンバルディアでは第2集団で完走できたので、ジャパンカップに向けて調子は良いと感じていた。ただ、強豪チームがそろうワンデーレースで勝つのは簡単ではない。今日は良いリザルトは出せるとは感じていたが、必ずしも勝てるとは思っていなかった。雨の中、応援してくれたファンの皆さんに感謝している。

今年で37歳になったが、自分自身のモチベーションの続く限り現役を続けたいと思う」

2位 フェリックス・エンゲルハート コメント

「冷たい雨の中でとてもハードなレースだったが、その中でも良いポジションをキープできた。パリ~ルーベで優勝経験があるマシュー・ヘイマン監督のもと、チームメートたちと前で展開し、最終局面から3人の優勝争いに加われたことに満足している」

3位 ギヨーム・マルタン コメント

「レースやはシンプルだったが、先頭グループに残るには複雑な展開でもあった。終盤で先頭3人になってからも速いペースが続き、他の選手2人と会話する余裕はなかった。最終ラップの古賀志山でアタックすることができず、残り2kmがラストチャンスで仕掛けようと思ったが、最後は脚が残っていなかった」

アジア最優秀選手賞 岡本 隼 コメント

「アラフィリップ選手がアタックして序盤からペースが速かった。レース前半は後ろの集団に取り残されたが、中盤で前の集団にジャンプできて20名のメイン集団に入れることができた。終盤の先頭争いのアタックに付いていくことはできなかったが、アジア最優秀ライダーを獲得できたので良かった」

2023ジャパンカップサイクルロードレース結果

1 ルイ・コスタ(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ、ポルトガル)3時間28分22秒
2 フェリックス・エンゲルハート(チーム ジェイコ・アルウラー、ドイツ)+0秒
3 ギヨーム・マルタン(コフィディス、フランス)+2秒
4 マキシム・ファンヒルス(ロット・デスティニー、ベルギー)+27秒
5 ゲオルク・ツィンマーマン(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ、ドイツ)+1分34秒
6 ライリー・シーハン(イスラエル・プレミアテック、アメリカ)
7 アクセル・ザングル(コフィディス、フランス)
8 ロレンツォ・ロータ(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ、イタリア)
9 ミケル・ヴァルグレン(EFエデュケーション・イージーポスト、デンマーク)
10 ジュリアン・ベルナール(リドル・トレック、フランス)+1分39秒

2023ジャパンカップサイクルロードレース 公式ウェブサイト

https://www.japancup.gr.jp/

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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