【母成峠】福島県|日向涼子のやっぱり坂が好き-ロードバイクヒルクライムナビ-
日向涼子
- 2023年12月12日
モデルでヒルクライマーの日向涼子さんが全国各地の坂道に挑戦。今回訪れたのは福島県「母成峠」に続く母成グリーンライン。ヒルクライマーだけでなく、歴史好きにも熱いコースです。
福島県・母成峠(ぼなりとうげ)
今回は福島県にある「母成峠」を目指す母成グリーンラインを紹介します。
母成峠と聞いてピンときた方はヒルクライム好きというより歴史好きではないでしょうか。そう、母成峠は戊辰戦争のひとつ、会津戦争の中で最大と言われる戦いとなった場所。新政府軍の約3000人と旧政府軍の約800人が激突し、今は古戦場であったことを記す石碑や慰霊碑があります。そんな歴史がある母成グリーンラインですが、コース自体はのどかな景観が楽しめます。
起点はJR東日本の磐越西線「磐梯熱海駅」に設定しました。ただ、郡山駅からも遠くはないので、乗り継ぎが悪ければ郡山から走りはじめてもいいかもしれませんね。クルマでのアクセスもいいので車載もオススメ。名前のとおり、駅の周辺には温泉施設があるので帰りに汗を流す、または、いっそのこと宿泊して温泉旅を兼ねるのも楽しそうです。
磐梯熱海駅からスタート
磐梯熱海駅からスタートして、福島県道8号本宮熱海線から福島県道24号中の沢熱海線へ。そのまま進むと母成グリーンラインに入るので、迷う心配はほとんどありません。
起点から5kmは平坦基調。緑が豊かでのどかな情景の中を走ります。しばらくはサイクリング気分を楽しめるでしょう。その先は10km地点まで5%程度の勾配が続きます。ヒルクライム好きには心地よい刺激を感じさせますし、苦手という方でものんびり牛が放牧される姿を楽しむ余裕はあると思います。右手にキャンプ場が見えたら、少し先には「母成グリーンライン」の看板。よく見ると「有料道路」の文字が消されています。
そう、この道路は2006年8月末まで、「高森熱海有料道路」という名称で福島県道路公社が管理していました。昔は有料道路として利用され、現在は無料開放されている道路の多くは交通量が多い場合があるのですが、この母成グリーンラインは穴場とでもいいましょうか。クルマの往来はあまりないのでサイクリストにとっては走りやすい良いコースです。
磐梯エリア周辺には、他にも「磐梯吾妻スカイライン」「磐梯山ゴールドライン」「磐梯吾妻レークライン」といった、以前は有料で現在は無料開放されている道路があるので、それらに分散されているのかもしれません。磐梯吾妻スカイラインはすでに紹介していますが、「磐梯山ゴールドライン」「磐梯吾妻レークライン」も素晴らしい景観が楽しめるコースなので、機会を作って紹介したいと思います。
※磐梯吾妻レークラインは2022年8月から雨量超過による道路流失で一部通行止め。最新情報をご確認ください。
これら3コースと比較すると、母成グリーンラインはヒルクライムをしながらのどかな風景を楽しめるものの、ハッと目が覚めるような絶景というインパクトには欠けるかもしれません。ただ、安達太良連峰の中を走り、かつ歴史に触れることができる点は他のコースにはない楽しさがあります。
右手に「ふれあい牧場」の看板が見えたらつづら折りが出現。それまで直進するだけだった道がワインディングになるだけで、気分も変わります。少し斜度はきつくなりますが、6%前後なので、よほどのことがなければ走り切ることができるでしょう。ピークには駐車場があり、古戦場だったことを示す石碑があります。刻まれた名前は、あまり歴史が得意ではなくとも知っているものばかり。
秋には紅葉も楽しめるそうなので、それを目当てに走りに行ってもいいですね。
福島県・母成峠のヒルクライムデータ
- ハードさ ★★☆☆☆
- 景色のレベル ★★☆☆☆
- アクセスのよさ ★★★☆☆
- 路面状況のよさ ★★★★☆
- 交通量の少なさ ★★★★★
距離
16.1km
登坂平均勾配
4.6%
スタート地点
314m
ゴール地点
977m
コース概要
Ryoko Hinata
モデル&サイクリスト。SHREWモデル事務所所属。10年以上スポーツバイクを楽しみ、国内イベントだけでなく、エタップ・デュ・ツールや本場イタリアのグランフォンドも完走。モデルでありながら、国内外のレースで優勝・入賞経験もある本格派サイクリスト。書籍に「日向涼子のヒルクライムナビ」など。公式ブログ「サイクルコンシェルジュ」で日々の活動レポート更新中。
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