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Jプロツアー2024、注目チームの今シーズンの体制を紹介!

2024年になり、2月末のJプロツアーの開幕まであと2カ月を切った。今年Jプロツアーには全22チームが参戦し、最大176人の迫力ある集団が再び戻ってくることが期待されている。年末年始には参戦する多くのチームから、今シーズンの体制が発表された。今回は活躍が期待される注目チームの、今シーズンの体制を見ていきたい。

シマノレーシングに大仲、冨尾、山田が加入

PHOTO:シマノレーシング

昨年、チーム創立50周年を迎えたシマノレーシング。Jプロツアーにおいてシーズン序盤から安定したチーム力を発揮し、4月の東日本ロードクラシックDay2で入部正太朗がチーム1勝目を挙げた。その後にも、南魚沼クリテリウムで石原悠希が優勝し、9月の群馬CSCロードレースでは中井唯晶が2日連続で優勝するなど4勝を挙げ、2011年以来となるチーム総合優勝を果たした。個人総合でも中井が総合優勝、石原が2位に入りワンツーを達成。

Jプロツアーだけでなく寺田吉騎がU23全日本TTチャンピオンに輝いたほか、中井がツール・ド・熊野で総合4位、風間翔眞がツールドおきなわで2位に入るなど成功したシーズンとなった。

昨シーズンをもって、2017年にはU23ロード全日本チャンピオンになった横山航太と、2年間チームに所属し、石川ロードレースで9位に入った井上文成が引退。志布志クリテリウムで6位に入った佐藤宇志は、新チームのTeam Cyclers SNELに移籍した。

今シーズンには新しく、地元大阪出身のスピードマン大仲凛功と、タフなレースに強いパンチャーとしての活躍が期待される冨尾大地、22歳ながら海外でのレース経験が豊富な山田拓海の3名が加入。

ベテランの元全日本チャンピオンである入部を司令塔に、今シーズンも引き続き10名でJプロツアーの総合2連覇を目指し戦っていく。

  • 継続
    天野壮悠(22歳)
    入部正太朗(34歳)
    石原悠希(26歳)
    香山飛龍(23歳)
    風間翔真(27歳)
    中井唯晶(27歳)
    寺田吉騎(21歳)
  • 加入
    大仲凛功(20歳) ← JCL TEAM UKYO (UCI CT) / 早稲田大学
    冨尾大地(26歳) ← CIEL BLEU KANOYA (CLUB)
    山田拓海(22歳) ← EF Education – Nippo DT (UCI CT)
  • 離脱
    井上文成(26歳)
    佐藤宇志(24歳) → Team Cyclers SNEL
    横山航太(28歳)

キナンレーシングチームはクレダーと柚木が加入

PHOTO:キナンレーシングチーム

昨年、唯一JプロツアーとJCLの両方に参戦したキナンレーシングチーム。Jプロツアーにおいては東日本ロードクラシックDay1で孫崎大樹が集団スプリントを制し、石川ロードレースでは、津田悠義、新城雄大、トマ・ルバでワンツースリーフィニッシュを達成するなど2勝を挙げた。孫崎が個人総合2位に入り、終盤までU23リーダーを争った津田が6位に入りチーム総合2位を獲得した。

JCLにおいてはライアン・カバナが宿毛市ロードレースで優勝、ルバが秋吉台カルストロードレースで3位に入るなどの活躍もあり、ルバが個人総合優勝、山本元喜が4位、宮崎泰史が5位に入りチーム総合優勝を果たした。

シーズン前半には海外遠征も行い、オーストラリア選手権4位のドリュー・モレがエースとして活躍。ニュージーランド・サイクルクラシック(ニュージーランド、UCI2.2)で総合5位、ツアー・オブ・シャールジャ(UAE、UCI2.2)で総合4位、ツール・ド・台湾(台湾、UCI2.2)で総合6位、ツアー・オブ・ジャパンでも総合5位に入った。シーズン後半はカバナが活躍し、おおいたアーバンクラシックで優勝、ツール・ド・九州で総合7位に入った。

昨シーズンをもって、福井県の高校で事務員を務めながら競技生活を送ってきた荒井佑太が引退。3年間所属し、チャレンジサイクルロードレースで4位に入った花田聖誠が宇都宮ブリッツェンに移籍。石川ロードで優勝し、U23全日本選手権ではロードとTTで2位に入った津田がチームを離れた。津田は移籍先からの発表が現時点でないが、再び海外を中心に活動すると見られる。

今シーズンには新しく、経験豊富なベテランスプリンターのレイモンド・クレダーと、シクロクロスやマウンテンバイク・クロスカントリーでの活躍が目覚ましい19歳の柚木伸元の2名が加入。

創立10年目を迎える今年はJプロツアーでの活躍はもちろん、悲願のツール・ド・熊野総合優勝に向けて12名のメンバーで戦っていく。

  • 継続
    新城雄大(28歳)
    ライアン・カバナ(28歳)
    福田真平(36歳)
    畑中勇介(38歳)
    トマ・ルバ(38歳)
    孫崎大樹(27歳)
    宮崎泰史(24歳)
    ドリュー・モレ(27歳)
    白川幸希(26歳)
    山本元喜(32歳)
  • 加入
    レイモンド・クレダー(34歳) ← JCL TEAM UKYO (UCI CT)
    柚木伸元(19歳) ← 日本大学
  • 離脱
    荒井佑太(28歳)
    花田聖誠(25歳) → 宇都宮ブリッツェン
    津田悠義(21歳)
▼キナンレーシングチームの詳細はこちら
KINAN Racing Teamが2024年体制とロースターを発表。新規加入選手はレイモンド・クレダーと柚木伸元

KINAN Racing Teamが2024年体制とロースターを発表。新規加入選手はレイモンド・クレダーと柚木伸元

2023年12月16日

ヴィクトワール広島は小野寺、山口、サナブリアが加入

左から中山卓士監督、新加入の小野寺 玲、キャプテンの柴田雅之 PHOTO:ヴィクトワール広島

昨年、JCLでは真岡芳賀ロードレースでカーター・ベトルス、佐木島ロードレースではレオネル・キンテロが勝利を挙げ、ベンジャミン・ダイボールが個人総合2位に入り、チーム総合でも2位になったヴィクトワール広島。UCIレースでもツアー・オブ・ジャパンのいなべステージでベトルスが優勝し、ダイボールが総合2位に入った。後半はダイボールがおおいたアーバンクラシックで5位、ツール・ド・九州で総合5位、秋吉台カルストロードレースで2位に入るなど活躍した。チーム創立10年目を迎える今シーズンは4年ぶりにJプロツアーに参戦する。

3年間チームに所属し勝利も挙げた主力選手の阿曽圭佑がスパークルおおいたへ、昨シーズン大活躍だったベトルスはタイのコンチネンタルチームに、オランダのケルメスレースをメインに走っていた林 伶音がアヴニールサイクリング山梨へ移籍した。学連レースと並行して走っていた平井杏周は、学連に専念することとなった。

今シーズンは新たに、2022年のJCL年間総合王者の小野寺 玲、元マトリックスパワータグのオールイス・アウラールの従弟セサル・サナブリア、競技歴2年ながら昨年のU23全日本ロードを完走した山口健士郎の3名が新たに加わる。

チームの主力選手が2名去り、スピードマンが増えた今年は上りに強いダイボール以外にも集団スプリントでの活躍も注目だ。

  • 継続
    ベンジャミン・ダイボール(34歳)
    久保田悠介(26歳)
    宮﨑健太(23歳)
    中村圭佑(25歳)
    中⽥拓也(27歳)
    レオネル・キンテロ(26歳)
    柴田雅之(29歳)
    吉本哲郎(44歳)
  • 加入
    小野寺 玲(28歳) ← 宇都宮ブリッツェン (UCI CT)
    セサル・サナブリア(24歳) ← Venezuela Pais Futuro (CLUB)
    山口健士郎(20歳) ← Team hsj (CLUB) / 関西大学
  • 離脱
    阿曽圭佑(31歳) → Sparkle Oita Racing Team
    カーター・ベトルス(25歳) → Roojai Online Insurance
    林 伶音(20歳) → アヴニールサイクリング山梨
    平井杏周(21歳) → 関西大学

チーム ブリヂストンサイクリングのメンバーは継続

PHOTO:チーム ブリヂストンサイクリング

昨年、Jプロツアーにおいて袋井掛川ロードレースで今村駿介が2日連続優勝、岡本勝哉が西日本ロードクラシックと石川クリテリウムで優勝、山本哲央がかすみがうらロードレースで優勝し、トップとなる5勝を挙げたチーム ブリヂストンサイクリング。岡本が総合4位に入りU23年間総合優勝を果たし、チーム総合も3位に入った。

Jプロツアーに加えて、ツアー・オブ・ジャパンでは窪木一茂が東京ステージで優勝、兒島直樹がツール・ド・九州 小倉城クリテリウムとTHE ROAD RACE TOKYO TAMAで優勝するなど、平坦系レースで力を見せた。

今シーズンはロードレースメンバーの入れ替わりはなく、昨シーズンと同じメンバーで戦っていく。チームにおいての一番の目標は夏に行われるパリオリンピックでのメダル獲得で、スピードマンをそろえるチームは今年も勝利を量産しそうだ。

  • 継続
    橋本英也(30歳)
    今村駿介(25歳)
    河野翔輝(23歳)
    兒島直樹(23歳)
    窪木一茂(34歳)
    松田祥位(24歳)
    岡本勝哉(21歳)
    徳田 優(29歳)
    山本哲央(23歳)
    ⼭下⻁ノ亮(20歳)
▼チーム ブリヂストンサイクリングの詳細はこちら
「TEAM BRIDGESTONE Cycling」が2024年体制及び機材サポート選手を発表|BRIDGESTONE

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2023年12月25日

宇都宮ブリッツェンはベテランが退団し、コロンビア2選手が加入

昨年、JCLで秋吉台カルストロードレースで5位に入った谷 順成が総合3位に入り、チームランキングも3位となった宇都宮ブリッツェン。今シーズンは4年ぶりにJプロツアーに参戦する。

昨シーズンをもって、中村魁斗が引退。チームの主力選手として活動した小野寺 玲がヴィクトワール広島へ、阿部嵩之と堀 孝明、小坂 光の3名が新チームのヴェロリアン松山へ移籍した。

今シーズンは新しく、プロコンチネンタルチームでの経験もあるルーベン・アコスタとジェシット・シエッラの2人のコロンビア人選手に加え、西村監督の高校の後輩でもある花田聖誠、育成チーム出身の大学生である菅野蒼羅、学生時代主要タイトルを総なめにした武山晃輔、競輪選手デビューを控え2年ぶりにチームに復帰する貝原涼太の4名が加入した。

チームの半数以上のメンバーが入れ替わり、外国人選手も増えた今シーズンは、昨シーズン果たせなかった勝利と、海外レースでの結果も狙っていく。

  • 継続
    フォン・チュンカイ(35歳)
    本多晴飛(23歳)
    坂井 洋(29歳)
    沢⽥ 時(29歳)
    ⾕ 順成(29歳)
  • 加入
    ルーベン・アコスタ(27歳) ← Team Fundecom (CLUB)
    花田聖誠(25歳)← KINAN Racing Team (UCI CT)
    貝原涼太(26歳) ← 日本競輪選手養成所
    ジェシット・シエッラ(29歳) ← Tianyoude Hotel Cycling Team (UCI CT)
    菅野蒼羅(19歳) ← 日本大学
    武山晃輔(26歳) ← JCL TEAM UKYO (UCI CT)
  • 離脱
    阿部嵩之(37歳) → ヴェロリアン松山
    堀 孝明(31歳) → ヴェロリアン松山
    小坂 光(35歳) → ヴェロリアン松山
    中村魁斗(26歳)
    小野寺 玲(28歳) → ヴィクトワール広島
▼宇都宮ブリッツェンチームの詳細はこちら
宇都宮ブリッツェンが新体制、コロンビアの2選手を迎えアジアナンバー1を目指す

宇都宮ブリッツェンが新体制、コロンビアの2選手を迎えアジアナンバー1を目指す

2023年12月16日

愛三工業レーシングチームに初川、加藤、北嶋が加入

PHOTO:愛三工業レーシングチーム

昨年、岡本 隼が開幕戦の鹿屋肝属ロードレースと志布志クリテリウムで2連勝を決めスタートダッシュを決めた愛三工業レーシングチーム。その後のJプロツアーにおいては、前半戦の東日本ロードクラシックDay1で岡本が3位、西日本ロードクラシックで草場啓吾が2位に入る活躍があったものの、それ以降は表彰台がなく、岡本が個人総合7位、チーム総合は5位となった。

Jプロツアーに加えて、草場がチャレンジサイクルロードレースで優勝、ツールドおきなわで5位、岡本がおおいたいこいの道クリテリウムで優勝、山口ながとクリテリウムとTHE ROAD RACE TOKYOで2位、ジャパンカップで日本人最高位となる15位を獲得。チーム1年目の石上優大も全日本選手権で4位に入るなど活躍した。

今シーズンは、ベテランの鈴木 譲がヴェロリアン松山へ移籍した。シマノ鈴鹿ロードレースクラシックやTHE ROAD RACE TOKYO TAMAで3位に入った佐藤 健は、大学院生活と佐賀県代表として出場予定の佐賀国スポに専念することになった。

チームには新たに、昨年研修生として走った初川弘浩が正式加入。9月の群馬CSCロードレースDay2で4位に入った加藤辰之介と、インカレロードレースで4位に入った北嶋桂大の2人の大学生も加入する。

また監督を務めていた水谷壮宏がコフィディスに移ったことにより、これまで第2監督を務めていたメカニック出身の小松定俊が新たに監督に就任した。

チームの地元である中部地方の若い選手も加わり、今シーズンはさらなる活躍が楽しみだ。

  • 継続
    石上優大(26歳)
    草場啓吾(27歳)
    西尾憲人(28歳)
    岡本 隼(28歳)
    當原隼人(26歳)
    渡邊翔太郎(29歳)
  • 加入
    初川弘浩(22歳) ← ORCA Cycling Team / 中京大学
    加藤辰之介(21歳) ← イナーメ信濃山形 / 皇學館大学
    北嶋桂大(21歳) ← 日本大学
  • 離脱
    佐藤 健(24歳)
    鈴木 譲(38歳) → ヴェロリアン松山

スパークルおおいたレーシングチームは阿曽が加入

第38回シマノ鈴鹿ロードレース クラシック、鈴鹿クラシックで勝利した沢田 PHOTO:株式会社シマノ

昨年、シマノ鈴鹿ロードレースクラシックで沢田桂太郎と黒枝咲哉でワンツーフィニッシュを決めたスパークルおおいたレーシングチーム。しかしそれ以外のレースにおいては、地元のおおいたいこいの道クリテリウムで黒枝咲哉が2位に、黒枝士輝が佐木島ロードレースで2位に入るなどの活躍はあったものの、JCLランキングは7位と沈み、4勝を挙げた2022年と比べると厳しいシーズンとなった。

新規加入した阿曽圭佑 PHOTO:スパークルおおいたレーシングチーム

今シーズンは全メンバーが残留し、新たにヴィクトワール広島から阿曽圭佑が加入した。オールラウンダーの阿曽は、上れる選手が少ないというチームのウィークポイントを補う存在として期待される。

クリテリウムでの活躍はもちろん、ロードレースでの活躍も楽しみだ。

  • 残留
    阿部将大(27歳)
    半田子竜(25歳)
    石倉龍二(35歳)
    黒枝咲哉(28歳)
    黒枝士輝(31歳)
    ⻄原裕太郎(24歳)
    沢田桂太郎(25歳)
    住吉宏太(32歳)
    高橋綜一郎(27歳)
    髙橋優斗(26歳)
    竹村 拓(26歳)
  • 加入
    阿曽圭佑(31歳) ← ヴィクトワール広島 (UCI CT)

まだまだ注目したいチームは多数あるが、今回は特に個人的に注目している7チームに絞って見てきた。これらのチームを中心に今年も熱いレースが繰り広げられることだろう。

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稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている

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