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日本を代表するZwiftチームが集まったファイナルレース|福島復興サイクルロードレース

福島復興サイクルロードレース2024シリーズ戦の前哨戦として、サイクリング・ランニングトレーニングプログラムZwift(ズイフト)によるバーチャルレースシリーズのRound9が4月2日(火)の夜におこなわれた。今回は「JAPANクラブ対抗レース」として、日本を代表する7つのZwiftチーム、そして特別枠チーム福島の全8チームが戦うクローズドレースの模様を、MCをつとめる牛むつみさんがレポート。

緊張感漂うJAPANクラブ対抗レース

2月から毎週、開催を続けてきた「福島復興サイクルロードレースシリーズ2024・バーチャルレース」は、参戦ライダーの熱い走りによるスリリングなレース展開と、そのYouTube配信をご覧いただく観戦者さまのチャットやメッセージで回を重ねるごとに盛り上がり、配信視聴数の伸びやSNSを通じた反応も手応えを感じてきた。そんな非常にありがたい好感触な雰囲気のなか、今回のレースは開催前から良い意味で緊張感が漂っていたように思う。

それもそのはず。ここまでの今バーチャルレースにおけるすさまじい展開は、レース配信を見た観戦者たちに衝撃を与えた。そしてゴールまでに至るドラマチックで情熱溢れる走りを、たたき出すデータ数値を目の当たりにしながら「異次元の超絶ライダーの存在」をわかりやすく広く認識されたこともあるかもしれない。

また、リアルレースに通じるクレバーな作戦を実行する巧妙な走りにも驚愕したことだろう。そんな厳しい戦いやトレーニングで普段からZwiftを舞台に切磋琢磨する、しかも日本を代表する7つのチームから「6人のみ選抜」という選ばれし者しか立てない舞台で繰り広げられる「JAPANクラブ対抗レース」。このレースのルールなどが正式にアナウンスされ、開催が近づいてくると「誰が参戦するのか?」「どのチームが勝つのか?」「どんな作戦で走るのか?」「スタート時間に間に合うように、いかに会社から退社できるか?」等々、レース前からの攻防がすでに繰り広げられていたようだ。

まるで東京、ネオ京・クリット・コースの夜景を舞台にしたクリテリウム

そんなレースの舞台に、プロデュースを担当するEMU SPEED CLUB(エミュー・スピード・クラブ:以下EMU)は、福島復興サイクルロードレースの最終戦に設定されている「いわきナイトクリテリウム」をイメージした、夜のクリテリウムコースであるマクリ島の「Neokyo Crit Course(ネオ京・クリット・コース)」に決定した。

このマクリ島自体が日本や東南アジアをイメージしたZwiftワールドとなっており、特にネオ京といわれるコースは日本の夜の街をイメージしたネオン瞬く風景が広がる。スタートしてまず目に入るのが、浅草の仲見世をイメージした目抜き通り。さらに下町の狭い裏通りやコンビニの脇、そして首都高速道路を通って、けばけばしいネオンサインを目にしながら走ると映画「ブレードランナー」の世界観に没入する。酸性雨は降らないし、わかもとの看板もうどん屋のオヤジも無いが、デッカードがレプリカントを追いかけているような疾走感の中を走ると、やんごとない方がお住まいになっているようなキャッスル・パレスという名のセクションへ。ここはコース内ほぼ平坦の中で、わずかではあるが緩やかな上りがあり、集団が大きい場合は中切れのキッカケに、逃げがあった場合は逃がしてしまいやすい注意箇所でもある。

この1周回が3.9kmのコースを、今回は8周回して総距離31.8kmとなるクリテリウムレースのスタートを前に、今回も解説を担当するKENTA氏は開口一番「荒れます!」とキッパリとコメント。「(コース全般が)平坦なので危ないです! スタートして、初めから集団が割れると思いますので、ハシケンさんは、どんどん前に行ってください!」と、今回はコメンターでなく「チームFUKUSHIMA」の一員として参戦するハシケン氏にエールと檄を飛ばす。それに応えるハシケン氏はウォーミングアップをしながらも「最後まで(メイン集団に)付いて走れるか不安ですが、チーム6名で頑張ってきます!」とコメント。クラブチーム日本一が決まる、というコピー入ったチームメンバー表についても「いやあ、国内のトップ中のトップを集めたようなメンバーリストですよね。こんな貴重な機会は無いですよ! ぜひこのメンバー表をチェックして、レースで気になった応援したいライダーがいれば、チャットに名前を書き込んで応援してください!」とKENTA氏からも呼び掛けられた。

レースはEMUえーぞう氏が誘導するパレードから

続けてプロデュース担当のEMUを代表してえーぞう氏が配信コメントに登場し、この後のレースについて説明。1周目はEMUのえーぞう氏が先導し1周目を走り、その後えーぞう氏の合図でリアルスタートとなる手順とともに、安全かつスムーズに2周回目からリアルスタートを切れるようにアドバイスがあった。

YouTube配信のチャットでは「ビールオープン!(プシュッ)」「JETTチャットだけは負けるな!」「レース見ながら山盛りカレーしか勝たん!」「NICO押忍、NICO押忍」「GOGO! EMU!!」など多くの応援が書き込まれる中、オンタイムの夜8時ちょうど、EMUえーぞう氏の先導で上手くコントロールされている状態を保ちながら、大きな集団はリード区間を経て周回コースへと入っていく。

その模様を配信で伝えていると、KENTA氏が代表を務めるZWCのS.HASHIMOTO選手が、アクシデントなのか大幅に出遅れているのを発見。スイープして戻してほしい、という呼びかけに対応して早速、JETTのTakashi Inamine選手と、ZEALのV.VEGETA選手が集団の後ろに下がって、HASHIMOTO選手をキャッチしメイン集団まで引き上げに成功した。チーム対抗戦とはいえ、ここではチームの立場を超えて対等に戦える場を維持する姿には、リアルと同じ騎士道精神を垣間見た。ちなみにVEGETA選手は石川県能登町在住で、今年1月に起きた震災の影響を受けて居住地では未だに水が出ないという情報もチャットで流れた。そんな厳しい状況の能登半島地震、そして東日本大震災の影響が未だに続く福島県の復興を願って、いよいよリアルスタートが切られた。

スタートして4.6km地点、先導役のEMUえーぞう氏が抜けた途端、一気に集団が活性化し次々とライダーたちが10w/kg近い数字を叩き出しながらダッシュする中、TMR所属で勢いのある若手スプリンターD.shimi選手が単独で先頭に飛び出すも、1kmほどで追いかけてきたメイン集団に吸収される。チャットでは「しみくん、いい花火だった」という応援メッセージ、さらにはリアルスタートまでのスムーズな誘導を務めたえーぞう氏に「お疲れさま」のねぎらいメッセージも多く入った。6.6km地点では、再び集団からMARKENのマーケン社パンチドランカー部室長s.tatami選手、ZEAL所属で富士ヒルではゴールドを過去3回達成のRYO.UGAMOCHI選手、ZWCの世界のキタノことイナーメ信濃山形チームキャプテンYukinori Kitano選手、そしてNICO-OZの極限山岳パンチャーKenny選手と暗黒のルーラーDaki選手が飛び出し、さらに集団がペースアップする。

ZWC、マーケン、ZEALといったチームの激しい駆け引き

この後、3周回目に入る少し手前、8.2kmにあるキャッスルパークの門を抜けて、裏路地に入る地点から7w/kg以上にパワーを上げて単独で逃げたのがZWCで群馬グリフィン所属のJプロツアー選手でもあるDaichi Ito選手。どんどん速度を上げて集団から最大10秒までタイム差を開けていく。一方、今回チームFUKUSHIMAの一員として参戦しているハシケン氏は、この辺りでメイン集団のハイスピードに耐えられずドロップ。「いやあ、集団が本当に速い! ヤバイ!! いつもはBカテゴリーのレースで入賞に絡めるぐらいには走れるんですが……本当にすごいレースです!」とコメントしながらも、完走すればチームにポイントが付与されるので、頑張ってペダリングを続ける様子が配信で見られた。

「魔王のクラスの集まり」「人間を卒業した人たちのレース」というチャットが入るような、恐ろしいペースで進むメイン集団は、とうとう10km地点で逃げていたIto選手を捕らえてカウンターアタック! その中からMARKENのマーケン社スプリント部部長で、現在国内Zwift界では最強のエースJ. Honda選手が逃げの態勢に。その動きに、すかさずZEALのUGAMOCHI選手が反応し追いつく。この様子に「本格的なロードレース、そしてクリテリウム的な動きになってますね。(逃げを)集団が吸収したら、すぐにアタックかかるので。このようにリアルなレースのような展開になってますね」とKENTA氏がコメント。そして再び逃げを集団が吸収し、アタックの機会をうかがいながらキャッスルパーク内へと入っていった。

ここで再び、このバーチャルレースシリーズで多くの活躍を見せているZWCのHASHIMOTO選手が単独で飛び出し、この動きを追いかけるためさらに集団のスピードが上がっている状況に。「このようにアタックが出るたびに集団が加速しているので、何とか集団の中で持ちこたえていたとしてもすごいインターバルが常にかかっているのでツライはずです。さらに集団から落ちてしまったときに、戻るための加速を繰り返していると脚を使ってしまっていると思います。このままだと集団の人数は、この後どんどん減っていって絞られていきますね」とKENTA氏が解説。そのコメントのとおり、まもなく4周回目に入る頃には40名ほどの人数にまで集団は絞られていた。

この集団から、仲見世を通り過ぎた約13km地点でアタックがかかり、ZWCのHASHIMOTO選手とKitano選手の2名が抜け出す。ZWCのチーム代表でもあるKENTA氏からは「今日のZWCは、代わる代わるアタックをかけて集団を小さくして、スプリント争いに持ち込まないように集団を疲弊させる作戦なので、そのとおりの動きなんです」と作戦内容を披露。その指示どおりに集団を振り回すZWCメンバーたちに食らいついたのがJETTのD.Yamabu選手。

「彼は『付き位置名人』なんです。前に出ないんですけど粘着力がすごいんですよ! 今のように前の6倍(w/kg)ぐらいで走っている選手の後ろで休みながら付いていける、ある意味テクニシャンなんです」とKENTA氏が評価。

この後、ZWCからツール・ド・おきなわ2023の200kmクラス8位という成績を持つドスコイYusuke Kato選手が入れ替わりでアタックした際にも、素早く動いて後ろにピタッと付く。このような走り方とテクニックは、リアルのロードレースでも非常に重要な技でもあるし、そのためにも日頃から地道なベースアップ鍛錬を怠っていない証拠でもある。チャットでは「ハエ取り紙か?」と言われつつも、新たな2つ名を頂戴したようだ。

「観てるだけで心拍が上がる」という熱いレース展開のまま、ZWCのKitano選手による単独逃げの状態で5周回目へ。集団は長く縦に伸びて千切れかけていたように見えたが、耐えきってKitano選手を集団が吸収し少し動きが落ち着く。そして約18km地点で、特別選抜枠のチームFUKUSHIMAとして出場するsource.k選手が、このシリーズ戦Round5でBカテゴリー優勝という走りを見せながら集団の前方へ上がる。その動きにつられて、次々とライダーたちが集団の前方へ入れ代わり立ち代わり、どんどん上がっていき集団の人数は30名ほどまでに絞られていく。その集団もいったんは動きが鈍くなるが、6周回目のコントロールラインを越えたタイミングで、またZWCのIto選手とHASHIMOTO選手が逃げ、ZWCの作戦どおり逃げをうちまくる状況に。

しかし、そのまま他のチームも黙ってはいられない。今度はZWCのKitano選手とリアルレースではベルマーレ所属のTomoaki Takasugi選手が逃げを形成している「ずっとZWCのターン」のままでは行かせない!と、まずはMARKENのtatami選手とマーケン社ジャングル部部長で心優しきゴリラy.tawara選手の2名がZWCの逃げ2名を追走。さらにEMUのチーム内最強のスプリンターCycle.ninnin選手が追いかけ、7周回目=残り2周で逃げの吸収に成功した。

最後はエース級選手による激しいアタック合戦

全31.8kmのレースの後半戦となった約25km地点で、EMUのAkira manabe選手がアタック。7w/kgまで上げた、この走りと動きで集団が真っ二つに割れそうになるほどのスピードアップとなり、ここで耐えられなかったライダーが多く見受けられた。その後に少しだけ集団の動きが緩んで、最終周回へと入っていった。なお48名でレーススタートした集団は、この時点で28名まで絞られてしまったが、「このペースで半分以上残っているのはレベルが高すぎ」というチャットのメッセージのとおり、ある意味スーパーサイヤ人が集まっているような走りを目の当たりにして、配信観戦も盛り上がっているようだ。

最終周回の手前でZWCのHASHIMOTO選手が単独で逃げ、最大4秒差まで開くも、またしても集団が吸収。そのカウンターアタックでZWCから再び刺客のTakasugi選手が単独で逃げ、集団からKENTA氏が「今朝、連絡をもらって急きょJETTチームで走ってもらうことになった」というYuki.Kawai選手、そしてTMRチームのムードメイカーとっつぁんH.Takeda選手が追いかけて、この動きにつられ次々と逃げを追うアタックが連発し、集団は崩壊していく。

最後はMARKENのエースHonda選手が独走し優勝

そんななか、残り1kmを切ったタイミングで11w/kgという高いパワー値で一気に先頭へ駆け上がったのは、MARKENのエースHonda選手。「このタイミングで(スプリントを)かけるのは、ちょっと速いかもしれないです」というKENTA氏。しかし、これまでの激しい展開でライダーたちの脚が相当削られている模様で、約5秒差で追いかける選手たちが10w/kg近くまで踏み3秒差まで追い込むもあと一歩及ばず。最後は単独逃げのままMARKENのHonda選手がクラブ対抗レースの個人優勝を決めた。そして個人順位ではZWCが2位にIto選手、3位Kitano選手、4位Kubo選手と3名を上位に送り込むことに成功した。5位にはラストのアタックで伸びたNICOのSho ichi選手、6位には序盤から積極的に動いてレース展開を作ったZWCのHASHIMOTO選手が入った。

JAPANクラブ対抗レースではZWCが優勝

この個人成績によりレース後、事務局でポイント配点と集計がおこなわれ、チーム優勝は多くのメンバーを上位に送り込んだZWCが3120Pを獲得し、このJAPANクラブ対抗レースの初代チーム・チャンピオンに輝いた。2位にはネオ京コース内に自社ビルを持つMARKEN-Corp.(マーケン社)、3位に今レースのプロデュースと先導も担当したEMU SPEED CLUB、4位にNICO-OZ、5位JETT、6位ZEAL、7位TMR、そして8位がチームFUKUSHIMAという結果となった。

YouTube配信チャットには、多くの観戦者の皆さまからいただいたたくさんの応援メッセージで盛り上がり、「毎年恒例になると楽しそうですね」といううれしい提案までいただけた。もちろんZwiftに登録しているライダーが誰でも参加できるオープンレースやグループライドの充実は大切だが、年に一回の選手権大会のような位置づけで、次回は予選会もおこなうなど工夫を凝らしながら再びJAPANクラブ対抗レースを開催することで、バーチャルレースだからこそできる新たなコンテンツとして定番となることを願っている。

ぜひツール・ド・かつらお、ツールドふたばへ

福島復興サイクルロードレースでは、全10戦の公道を走るロードレースという位置づけもあるため、4月27日・28日には合宿形式の特別企画のスクール「サイクルスクールふたば」も開催。また、シリーズの第1戦となる4月20日・21日開催の「ツール・ド・かつらお」では先着10名さまのみ無料で利用できる「宿泊体験」も募集中。さまざまな楽しみが待っている福島復興サイクルロードレースにも、ぜひご参加いただきたい。

完走すると抽選で地元福島の名産品が当たる

最後に、前回に引き続き今回も完走したライダーの皆さまの中から5名さまに福島県の名産品・工芸品が当たる抽選会を紹介。前回は浪江町の大堀相馬焼(焼馬)、楢葉町のゆず塩ラーメン&マミーすいとん、いわき市の小名浜せんべい、広野町100%みかんジュースを贈呈。今回は浪江町の大堀相馬焼(焼馬)、南相馬市のタオル・ハンカチ・バック、富岡町のとみっぴーオリジナルグッズ(トートバック、ブルーベリージャム)と、バラエティー豊かな品々をご用意いただいた。今回レース分の当選者は次回のレーススタート前に配信で発表するので、ぜひお楽しみに。

バイシクルクラブYouTubeチャンネルではアーカイブ放送

次回は4月7日(日) Round10 EMU SPEED CLUB プロデュース オープンレース

 

そして次回は、いよいよファイナルレースとなるRound10オープンレース。プロデュースは今回に引き続きEMU SPEED CLUBが担当。コースは今回と同じく、マクリ島のNeokyo Crit Courseを8周回する全長31.8kmを競う平坦基調のクリテリウムレースとなる。AからDの各カテゴリーはもちろん、女子Eカテゴリーはここまでのシリーズ戦を華やかに彩っていただいた女子ライダーたちに感謝を込めて「女子スペシャルレース」として特別開催。公式リザルトは通常のトップ3からトップ10まで公表し、配信でも通常より女子の走りにフォーカスして実況するので、グランドファイナルに向けて多くの方々のご参加をお待ちしております。

4月7日(日) Round10 EMU SPEED CLUB プロデュース オープンレース

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