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四国4県で県境を越えるトライアルライド、行政担当者がeバイクを体験|Setouchi Vélo

2024年4月10日から12日までの3日間、Setouchi Vélo(セトウチ ヴェロ)協議会が愛媛県、高知県、徳島県、香川県を巡るトライアルライドを実施した。行政担当者がeバイクに試乗し20~40kmのサイクリングを行い、観光や道路といった自転車にまつわる環境や「県またぎ」と呼ばれる行政の壁を体験、実地調査するツアーを行った。

四国4県の県またぎを体験するサイクルツーリズムの調査

Setouchi Vélo協議会が実施するトライアルライドの目的は環境に配慮しながら、安全で快適な世界クラスのサイクリング推進エリアを実現するもの。今回、四国4県を協議会の構成・参加団体の関係者、サイクリングガイド、自転車メディアの有識者がその周辺地域の自転車環境を再確認し、改善点を抽出すること。具体的な政策提案につなげることを目指した。

Setouchi Vélo協議会についてはこちら
瀬戸内エリアから世界へ、自転車文化の先進地として「Setouchi Vélo」が国内外へ発信

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2023年06月30日

サイクルバスとeバイクを使った先進的なツアーを体験

今回のトライアルライドはサイクルバスを使って移動、実地調査ではサイクリングにおける走行環境や見所、各県境を中心にそれぞれ20~40kmほどのコースを走った。ライドにはeバイクを使うことでサイクリストだけではなく、より幅広い層へ向けたツアーをイメージしており、従来のペダルバイクでは上りにくい坂を経験、高所からの景観を楽しめることも検証した。

参加者は「ライド&ニューインサイト」という新しいアプローチを用いて調査を実施、走行中に地域の景観や歴史、風土を感じ取り、自転車環境の現状と課題を把握した。さらに参加者にはツーリズム目線での新たなアイデアや解決策を考えることが求められ、バス移動中に調査から感じられた意見を共有し、参加者間での知見共有と具体的な取り組みへのフィードバックを行うことでよりリアルな声を政策提案へとまとめる作業を行った。

愛媛と高知の県境、松野町~ 四万十町

最初のトライアルライドは愛媛県北宇和郡松野町の道の駅虹の森公園まつりから、高知県四万十町道の駅四万十とおわまでの24km。愛媛県から高知県の県境を越える体験もした。

松野町は自然豊かで、四万十バイクレースでも知られるエリア、いっぽう高知県四万十町は「日本最後の清流」と称される四万十川に程近く、今回は国道381号の川沿いコースを検証した。

参加者のコメント

  • 高知県と愛媛県の両県エリアともに四万十川周辺では、道路の表示もあまり差がなかった。
  • 景色は美しく、特に川沿いのルートは非常に気持ちが良かった。ただし、一部の道では白線が波打っており、走行中に不快感を覚える箇所もあった。
  • 今回、トンネルではなく、旧道を走ったので県境の具体的な位置が分かりづらかった。わかりやすく明示する標識があると良かった。
  • 川沿いや景色の良いスポットでの記念撮影できるようにモニュメントやもっと目立つ案内板があればよかった。
  • サイクリングルートの案内がもっと分かりやすく表示されていると、初めて訪れる人でも安心して楽しめる環境が整うと思う。

仁淀ブルーで知られる清流 高知県いの町

いの町は山間部のサイクリングに適しており、高知市内から初心者から上級者まで楽しみにくるコースがあるエリア。いの町役場から仁淀川に沿って、水辺の駅 あいの里へ向かうルートを走った。仁淀町中心近くの国道194号では交通量が多く走りにくいと感じる場所もあったが、上流に行くに従い風景をゆっくり楽しめる場所が続き、特に初心者にもお勧めできるコースになっている。

参加者のコメント

  • アップダウンが少なく、路面も良好で走りやすかった。
  • 市街地に近いため一部の区間では交通量が多く、特に大型トラックが気になった。
  • 観光地としてはまだ十分に開発されていない部分もあり、例えば展望台が設置されたり、サイクリストのテンションが上がるような看板や工作物があれば、より良い環境になると思われる。

廃線跡を使ったサイクリングロード 香南市~安芸市

高知県香南市の道の駅やすから、安芸市にある道の駅大山までの21.5kmのコース。阪神タイガースのキャンプ地として知られた安芸市までの約15kmは快適に走れる高知安芸自転車道を走り、国道55号を抜けて、道の駅大山まで走った。高知安芸自転車道は歩行者・自転車道になっているため、車を気にすることなく快適に走れる。

1924~74年まで運行していた土佐電気鉄道・安芸線の廃線跡の一部を整備してできたサイクリングロードで土佐電気鉄道・安芸線の廃線跡

一方、安芸駅周辺ではサイクリングロードが終わり、交通量が多い国道55号を走ることになるため走りずらかった。さらにその先、安芸市街を抜けると赤野休憩所があり、土佐湾そして琴ヶ浜を一望することができる。

全般的に、安芸市周辺のサイクリングコースは潜在的に優れているが、いくつかの問題点を解決することで、より多くのサイクリストにとって魅力的な目的地になる可能性が感じた。

参加者コメント

  • サイクリングロードは走りやすいが、サインポストが不足しており、特に二本のポールが通行の妨げとなり問題を引き起こしそう。
  • 安全性を高めるために、地域住民への配慮、交差部でのミラーの設置や、適切なサインの増設が助けになる。
  • 高台の休憩場所など、美しい景色を楽しめるスポットが欲しい。

高知と徳島の県境 室戸市~海陽町

高知県室戸市、キラメッセ室戸から徳島県海陽町の道の駅宍喰温泉まで、海岸線沿いを走る国道55号を41kmを走った。参加者は太平洋沿いを走るためダイナミックな風景が楽しめる。当日は曇り空で強い向かい風のなかを走ったがeバイクのため参加者はあまり負荷を感じなかった。このルートは高知県側の土佐はんなり鉄道の奈半利駅から徳島県側の阿佐海岸鉄道阿佐東線の甲浦駅まで鉄道アクセスがない、さらに商店や自動販売機も少ないエリアなので、ビギナーにとってはサポートがあると安心なコースとなった。

  • 道路の路面状況が悪い部分があり、風の影響もあるため、景色が単調に感じる。
  • 四国一周を時計回りで進むと、海岸側を走れ、風景が変わるのでおススメ。
  • ドライバーの通行マナーが良い点が印象的。路面状況が改善されればもっと快適に走行できる。
  • レスキューやサポートが利用できると便利。地元のタクシー会社などの協力でサポートできる体制があれば安心できる。

徳島、香川の県境 美馬市~さぬき市

徳島県美馬市の道の駅藍ランドうだつから、さぬき市にある道の駅 ながおまで走る山越えコース、23.3kmを走った、おもに国道193号を走ったが、交通量はそれなりに多いものの徳島自動車道が開通してから交通量が減少したため、サイクリングで走るにはちょうどよいルートになっている。

また、上り坂が多いものの参加者はeバイクなのでさほど気にしていなかった。川沿いのルートで景色が良く、山の景色をたのしめた。一方、国道377号のさぬき市への下り坂は初心者にはやや難しい印象となった。

  • 若干路面が荒れている部分があったので、その点は注意が必要。
  • もう少し観光を楽しめる環境が整っていればと思った。
  • 香川県側は推奨ルートとなっていて、三市の境界には目印となるマークがあった。
  • 徳島県側の道路にサイクリングコース表示が欲しい。

調査ライドをしてわかったところ

Setouchi Véloではトライアルライドから直接得た貴重な体験を共有することで、地域ごとの魅力や課題を理解し、それを基にした具体的な提案を目指している。四国一周などのイベントを通して、サイクリングルートについてのピクトグラムなど、日本国内では先端的なエリアということは間違いない。ただ、実際に県境を越えるなど経験することで、ユーザー目線からするとまだまだ分かりづらいところも存在する。

Setouchi Véloでは日本国内、さらに海外からくるサイクルツーリズムだけではなく、地域の自転車の活用推進も同時に掲げている。そのために各地の行政担当者に自転車をよりよく知ってもらう必要がある。

今回のトライアルライドのような活動は、瀬戸内地域、その周辺地域のサイクリング環境をより魅力的で持続可能にするだけでなく、日本全体のサイクルツーリズム、さらに自転車の利用環境促進に寄与することが期待される。

Setouchi Vélo公式サイト

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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