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2日連続のスプリントはフルーネウェーヘン勝利 カヴェンディッシュは20位|ツール・ド・フランス

大会6日目のツール・ド・フランス。現地7月4日に行われた第6ステージは、前日同様にスプリントフィニッシュとなり、混戦をディラン・フルーネウェーヘン(チーム ジェイコ・アルウラー、オランダ)が制した。2大会ぶりのステージ優勝で、ツール通算では6勝目を挙げた。前日のステージを制し、ステージ最多勝利記録を更新したマーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザクスタン チーム、イギリス)は20位。個人総合トップのマイヨ・ジョーヌはタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)で変わっていない。

集団分断で一時はポガチャルが単騎に

歴史的な1日となった第5ステージの余韻が残る中、次なるステージを迎えた。マコンからディジョンまでの163.5kmのルートは、スタートして10kmでやってくる4級山岳以降はひたすらフラットなレイアウト。引き続きスプリンターが主役になるであろうステージだが、風に強さや向きによっては集団を崩すものになることも。スプリントを狙うチームがいかにして統率するかがポイントとなる。

© Keita YAMAUCHI

リアルスタートから時速50kmを超えようかというハイペースで進行するプロトン。4級山岳はマイヨ・アポワを着るヨナス・アブラハムセン(ウノエックスモビリティ、ノルウェー)が1位通過。アクセル・ジングレ(コフィディス、フランス)も追いついて2人逃げとなるが、中間スプリントポイントに向けてスピードを上げる集団の勢いが勝り、28.5km地点で2人は引き戻される。その流れのまま31.1km地点に置かれた中間スプリントポイントに達した。

ここはヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク、ベルギー)が1位で通過。ポイント賞首位のマイヨ・ヴェールを着るビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ、エリトリア)が2番手で続いた。

© Keita YAMAUCHI

フィニッシュまで100kmを切ったところで、ヴィクトール・カンペナールツとアルノー・ドゥリーのロット・デスティニー勢がペースを上げて集団の分断を図る。前線に位置しているのはレッドブル・ボーラ・ハンスグローエやアルペシン・ドゥクーニンク、ヴィスマ・リースアバイクの選手たち。

タイミングを同じくしてカヴェンディッシュがバイクトラブルでストップ。少しおいて走り始めるが、ペースの上がるメイン集団へ戻るのに時間を要する。また、分断した前線にマイヨ・ジョーヌのポガチャルは残ったが、UAEチームエミレーツのアシスト陣がこぞって後方に取り残されてしまう。やがて60人まで絞られた最前線だったが、25kmほど進んだところで集団はひとつに。チームカーの隊列を使って前線への復帰を目指したカヴェンディッシュも再合流。その後一度バイク交換を行ったが、問題なく戦線に残っている。

© Keita YAMAUCHI

好調フルーネウェーヘンが勝利、フィリプセンは降着

平均時速46kmと速いペースで進み続けたプロトン。残り30kmを切ると、各チームがトレインを編成して集団内のポジション固めを始める。最後の10kmに突入すると、アスタナ・カザクスタン チームやイスラエル・プレミアテックが先頭に立って牽引。集団の中ほどではマライン・ファンデンベルフ(EFエデュケーション・イージーポスト、オランダ)が落車するが、スプリントに向けた流れが崩れることはなく進行。残り5kmからはアルペシン・ドゥクーニンクやチーム ジェイコ・アルウラー、ウノエックスモビリティなども主導権争いに加わって、最終局面へと突き進んだ。

ウノエックスモビリティのトレインを先頭に残りは1km。大きなラウンドアバウトを抜け、残り450mでマチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク、オランダ)がフィリプセンを引き上げて先頭に立つ。そして残り200m、フィリプセンの加速を合図にスプリントが始まった。

© Keita YAMAUCHI

進行方向右サイドを進むフィリプセンに対し、逆サイドからフルーネウェーヘンが伸びる。中央からはギルマイも上がってくる。3人が横並びでフィニッシュラインを通過。写真判定の結果、フルーネウェーヘンの勝利が確定。フィリプセンに対し、車輪半分ほどの差だった。

© Keita YAMAUCHI

勝ったフルーネウェーヘンは7回目のツール出場で、通算6勝目。今季はシーズンインから好調で、今大会前に4勝を挙げていた。直近ではオランダ選手権を制しており、今回はチャンピオンジャージでの快勝だった。

© Keita YAMAUCHI

最終的に2位はギルマイで、3位にはフェルナンド・ガビリア(モビスター チーム、コロンビア)で確定。フィリプセンはスプリント時にワウト・ファンアールト(ヴィスマ・リースアバイク、ベルギー)のスプリントラインを侵害したとして、メイン集団最後尾の107位に降着の裁定が下った。

このステージを終えた段階での各賞はスタート前までと変わらず。マイヨ・ジョーヌはポガチャルが危なげなくキープし、マイヨ・ヴェールはギルマイ、マイヨ・アポワはアブラハムセン、ヤングライダー賞のマイヨ・ブランはレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー)がそれぞれ保持している。

© Keita YAMAUCHI

翌5日に行われる第7ステージは、今大会1回目の個人タイムトライアルステージ。25.3kmに設定され、中盤にかけて小さな丘越えがあるもののTT巧者向きとの見立て。主催者発表では、上位陣は29分ほどで走破との予想。マイヨ・ジョーヌ争いにおいても、タイムロストは避けたい重要なステージといえる。

ステージ優勝 ディラン・フルーネウェーヘン コメント

© Keita YAMAUCHI

「本当にうれしい。最高の気分だ。赤・白・青のジャージ(オランダチャンピオンジャージ)を着て走るだけでも画になるだろうと思うけど、今日はわずかな差だったからセレブレーションができなかった。とても調子が良く、昨日もチャンスがあったのに失敗していた。今日こそはと思って臨んでいて、今度は勝つことができた。勝因は分からないけど、1位なのは確かだ。最高のメンバーの中で勝つことほど難しいものはないし、ツールとなればなおのこと。強力なスプリントトレインを持つチームがある中で、私たちが成し遂げられたことは誇ってよいと思う」

個人総合時間賞 タデイ・ポガチャル コメント

© Keita YAMAUCHI

「風は強くはなかったけど、集団内での走行はとてもストレスになるものだった。ステージ距離が長くなかったことが救いだった。明日のタイムトライアルに向けてはコースチェックを済ませていて、個人的には気に入っている。スピードと力強さが必要なコースだと感じている。どんなレースになるか興味深いが、優勝候補はレムコ(エヴェネプール)じゃないかな。現役の世界チャンピオンだし、大きなレースでいくつもの成果を挙げている。もちろん僕も良い結果を出せると思う」

ツール・ド・フランス2024 第6ステージ結果

ステージ結果

1 ディラン・フルーネウェーヘン(チーム ジェイコ・アルウラー、オランダ) 3:31’55”
2 ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ、エリトリア)ST
3 フェルナンド・ガビリア(モビスター チーム、コロンビア)
4 フィル・バウハウス(バーレーン・ヴィクトリアス、ドイツ)
5 アルノー・ドゥリー(ロット・ディステニー、ベルギー)
6 ワウト・ファンアールト(ヴィスマ・リースアバイク、ベルギー)
7 アルノー・デマール(アルケア・B&Bホテルズ、フランス)
8 アレクサンダー・クリストフ(ウノエックスモビリティ、ノルウェー)
9 パスカル・アッカーマン(イスラエル・プレミアテック、ドイツ)
10 ピート・アレハールト(コフィディス、ベルギー)

個人総合時間賞(マイヨ・ジョーヌ)

1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア) 26:47’19”
2 レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー)+0’45”
3 ヨナス・ヴィンゲゴー(ヴィスマ・リースアバイク、デンマーク)+0’50”
4 フアン・アユソ(UAEチームエミレーツ、スペイン)+1’10”
5 プリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、スロベニア)+1’14”
6 カルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアーズ、スペイン)+1’16”
7 ミケル・ランダ(スーダル・クイックステップ、スペイン)+1’32”
8 ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)ST
9 ジュリオ・チッコーネ(リドル・トレック、イタリア)+3’20”
10 エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)+3’21”

ポイント賞(マイヨ・ヴェール)

ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ、エリトリア)

山岳賞(マイヨ・アポワ)

ヨナス・アブラハムセン(ウノエックスモビリティ、ノルウェー)

ヤングライダー賞(マイヨ・ブラン)

レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー)

チーム総合時間賞

UAEチームエミレーツ 80:25’01

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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