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フィリプセンが今大会3勝目、ギルマイ落車でマイヨ・ヴェール争いが混沌|ツール・ド・フランス

ツール・ド・フランスの第3週が、現地7月16日にスタート。皮切りとなった第16ステージは188.6kmの平坦ステージが設定されて、スプリントによる優勝争いをヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク、ベルギー)が制した。これで今大会3勝目。ポイント賞のマイヨ・ヴェールのトップを走るビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ、エリトリア)がフィニッシュ直前の落車で得点を加算できず。同賞争いが混沌となっている。

今大会最後の平坦ステージ

ピレネー山脈での激闘に沸いた第2週を経て、ツールはいよいよ最後の1週間となる。舞台は南仏で、少しずつ東進しながら最終目的地・ニースに向かう。まずは平坦ステージから。

グリュイサンからニームまでの188.6kmは、中盤にわずかばかりの丘越えがあるものの、スプリンターの脚まで奪うものとはならない。もっとも、ステージ構成上これが今大会最後のスプリントチャンスとなり、スピードマンは何としても勝負に臨まなければならない。スタート時に強めだった風はやがて弱まり、レースを大きく動かすような要素とはならなかった。

© Keita YAMAUCHI

30度を超える暑さの中でレースはスタート。12.5kmと長めのパレード走行を経てリアルスタートが切られると、シュテファン・キュング(グルパマ・エフデジ、スイス)やサンディ・デュジャルダン(トタルエネルジー、フランス)が集団から抜け出したが、すぐに逃げを断念。5kmもいかないうちに集団はひとつとなり、それから長く一団のままで進む。最初の1時間は37.9kmとスローペースだった。

© Keita YAMAUCHI

流れが変わらぬまま、プロトンは96.1km地点に設けられた中間スプリントポイントへ。スプリンター陣が競って、ブライアン・コカール(コフィディス、フランス)が1位通過。フィリプセンが2位、ギルマイは4位での通過だった。

この直後にトマ・ガシニャール(トタルエネルジー、フランス)がひとり飛び出して、すぐに集団との差を1分以上に広げる。途中の4級山岳も一番に通過。最大タイム差は2分20秒まで広がった。

© A.S.O./Billy Ceusters

そこからは、長く集団をコントロールしているアルペシン・ドゥクーニンクに、チーム ジェイコ・アルウラーも加勢。少しずつガシニャールとのギャップを縮めて、いつでもキャッチできる態勢となった。

© A.S.O./Billy Ceusters

結局、ガシニャールはフィニッシュ前25kmで吸収され、そこから先は今までのスプリントステージ同様に各チームがトレインを組んで終盤戦に備えた。

ギルマイが落車、フィリプセン勝利でマイヨ・ヴェール争いが接戦に

スプリント狙いのチームを中心に集団前方が固められ、最終盤へ。残り5kmを切ったところでチーム ジェイコ・アルウラーとウノエックスモビリティが主導権を争い、さらにロット・デスティニーが残り3kmから参戦。残り1.5kmのラウンドアバウトでは数人が絡むクラッシュが発生。ギルマイが巻き込まれ、この日のスプリント参戦が不可能となった。

© Keita YAMAUCHI

ウノエックスモビリティやアルペシン・ドゥクーニンクがスピードを上げ、一列棒状でのスプリント。マチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク、オランダ)らのリードアウトで絶好の位置から加速したフィリプセン。番手につけたフィル・バウハウス(バーレーン・ヴィクトリアス、ドイツ)やアレクサンダー・クリストフ(ウノエックスモビリティ、ノルウェー)の追い上げをかわし、十分なリードをもってフィニッシュラインへ。今大会3勝目となる勝利を挙げた。

© Keita YAMAUCHI

第10・第13ステージに続く勝利。今大会の前半は本調子ではなかったこともあり勝ち星に恵まれなかったが、中盤戦以降復調。落車したギルマイが中間スプリントポイントでの得点にとどまったため、両者のポイント差は32点に。マイヨ・ヴェール争いが混沌となり、残りステージで雌雄を決することになった。

このステージでの個人総合順位の変動はなく、ポガチャルのマイヨ・ジョーヌも安泰。

翌17日に行われる第17ステージは、アルプスへの入口。177.8kmの行程中、最後の40kmで立て続けに2級・1級・3級のカテゴリー山岳を上る。逃げの選手たちがステージ優勝を争えるか、はたまた総合上位陣による争いとなるか、レースの展開が見ものとなる。

ステージ優勝 ヤスペル・フィリプセン コメント

© Keita YAMAUCHI

「とてもうれしい。チームワークのたまものだ。仲間と一緒に勝てることは本当に素晴らしい。今日はとても調子が良かったし、ステージをこなすごとに調子が上がってきていることを実感していた。自信があったけど、3勝はやっぱり特別だ。

ギルマイの状況は分からなかった。自分のことに集中していた。落車の影響が深刻ではないことを願っている。このような形でジャージを失うのは良くないと思う。この先何が起きても不思議ではないけど、厳しいステージを楽しめるくらいでありたい」

 

個人総合時間賞、山岳賞 タデイ・ポガチャル コメント

© Keita YAMAUCHI

「思っていたほど風が強くなかった。全体的には楽なステージだった。ツールの平坦ステージは集中力が問われるので、ひとまず全部終えられたことがうれしい。明日は序盤が強風で、後半は上りが待っている。明日と明後日は逃げに有利で、総合成績に重要なのは最後の3ステージではないかと思っている」

ツール・ド・フランス2024 第16ステージ結果

ステージ結果

1 ヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク、ベルギー) 4:11’27”
2 フィル・バウハウス(バーレーン・ヴィクトリアス、ドイツ)ST
3 アレクサンダー・クリストフ(ウノエックスモビリティ、ノルウェー)
4 サム・ベネット(デカトロンAG2Rラモンディアール チーム、アイルランド)
5 ワウト・ファンアールト(ヴィスマ・リースアバイク、ベルギー)
6 パスカル・アッカーマン(イスラエル・プレミアテック、ドイツ)
7 ブライアン・コカール(コフィディス、フランス)
8 ソーレン・ヴァーレンショルト(ウノエックスモビリティ、ノルウェー)
9 ライアン・ギボンズ(リドル・トレック、南アフリカ)
10 ダニー・ファンポッペル(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、オランダ)

個人総合時間賞(マイヨ・ジョーヌ)

1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア) 66:07’51”
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(ヴィスマ・リースアバイク、デンマーク)+3’09”
3 レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー)+5’19”
4 ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)+10’54”
5 ミケル・ランダ(スーダル・クイックステップ、スペイン)+11’21”
6 カルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアーズ、スペイン)+11’27”
7 アダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ、イギリス)+13’38”
8 ジュリオ・チッコーネ(リドル・トレック、イタリア)+15’48”
9 デレク・ジー(イスラエル・プレミアテック、カナダ)+16’12”
10 サンティアゴ・ブイトラゴ(バーレーン・ヴィクトリアス、コロンビア)+16’32”

ポイント賞(マイヨ・ヴェール)

ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ、エリトリア)

山岳賞(マイヨ・アポワ)

タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)

ヤングライダー賞(マイヨ・ブラン)

レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー)

チーム総合時間賞

UAEチームエミレーツ 198:46’21

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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